昭和歳時記 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784167169312

みんなの感想まとめ

少年時代の思い出を綴ったエッセイ集は、郷愁を感じさせつつも過去を美化しない著者の独自の視点が魅力です。昭和2年に生まれた著者は、科学や技術の進歩によって生活が便利になることを称賛し、古き良き時代を単純...

感想・レビュー・書評

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    昭和2年に日暮里に生まれた吉村昭が、少年時代の思い出を綴るエッセイ集。
    挿絵がなかなかいい味を出してる。

    読んでいておもしろいのは、郷愁を感じながらも過去を美化しない著者のスタンス。
    吉村は「古き良き」という言葉を「浅薄な過去を美化する言葉」として嫌う。
    科学の発達で家事の手間が省けるのは大変結構、煤煙に悩まされない電車もまた素晴らしい。
    そうした想いの裏にあるのは、技術や知恵を駆使して社会生活を発展させてきた人間に対する讃歌かも知れない。

    吉村によって語られる昭和前期は、決して暗くない。
    生まれ育った街が空襲によって焼亡するという壮絶な体験をし、肺を冒され死の淵を覗くような体験をしたものの、そこにあるのは温かみのある豊饒な人間らしい世界だ。

  • 2012.3.4(日)¥350。
    2012.4.6(金)。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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