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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167169398
みんなの感想まとめ
歴史の裏側に迫る本作は、普段の教科書では触れられないドラマティックなエピソードを集めたノンフィクションです。漂流民や飛行機の先駆者、潜水艦搭乗員の物語など、歴史の中で埋もれていた人々の確かな息遣いが描...
感想・レビュー・書評
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丹念な立証により歴史小説を著す著者の、隠された史実を追うノンフィクション。
漂流民たちの苦闘、シーボルトの娘の数奇な人生、空を飛ぶことに生涯を賭けた江戸人、戦闘機を牛馬で運んだ史実、沈没潜水艦の引き揚げ秘話等々。
なかでも、ライト兄弟よりも先に飛行機を完成させた人物がいたという話は、初耳。しかし、周囲の無理解にその研究も無に帰していたと。
もしかしたら、飛行機の初飛行は、日本が世界初だと歴史に刻まれたかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
普段触れる歴史ではあまり触れられない、しかしドラマ性の強いノンフィクション歴史短編集。吉村昭の本は普段の歴史ではモブ扱いされる人々の確かな息遣いが克明に描写されている。正直言って司馬遼太郎より好き。
無人島に流された漁師が持ち込んだ牛痘、発想は素晴らしかったものの資金的な援助を受けられずついに夢叶わなかった飛行機制作者、事故で密室の中死んでいった潜水艦搭乗員…光の当たらなかった人でもそれぞれにドラマがあり、現代に受け継がれている事は歴史を学ぶ上で忘れてはならない。 -
「吉村昭」のノンフィクション風短編作品集『歴史の影絵』を読みました。
歴史の影絵
『東京の下町』に続き「吉村昭」作品です。
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秀れた作品はこうして生まれる。
種痘術を伝えた「中川五郎治」、「シーボルト」の娘「イネ」の秘密、伊号第33潜水艦の悲劇など、作家の透徹した眼で実像を追う、歴史探求紀行。
江戸の漂流民「長平」の苦闘、種痘術を伝えた「中川五郎治」、「シーボルト」の娘「イネ」の出生の秘密、沈没した潜水艦で死を迎えた者たちの佇まい…。
歴史小説の名作を世に送り出し続ける作家は、いかにして記録の裏側に迫るのか。
史実に現れる日本人の美しさと優しさに触れつつ歴史の“実像”を追う、発見に満ちた旅。
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1980年(昭和55年)1月から1年間にわたり中央公論社の『歴史と人物』に『歴史を歩く』と題して12回にわたって連載された作品だそうです、、、
著者の取材ノートを基にノンフィクション作品風にまとめられており、「吉村昭」作品の入門書としてぴったりの作品だと思いましたね。
■無人島野村長平
■反権論者高山彦九郎
■種痘伝来記
■洋方女医楠本イネと娘高子
■越前の水戸浪士勢
■二宮忠八と飛行器
■ロシア軍人の墓
■小村寿太郎の椅子
■軍用機と牛馬
■キ‐77第二号機(A‐26)
■伊号潜水艦浮上す
■あとがき
■解説 渡辺洋二
『無人島野村長平』は、天明五年(1785年)に船での輸送中に大悪風により無人島に漂流し、1年4ヵ月を一人で生き抜いた「野村長平」を描いた物語、、、
漂流モノは、なかなか興味深い… 好きなジャンルでしたね。
『反権論者高山彦九郎』は、寛政の三奇人の一人とされ勤王思想家「高山彦九郎」を描いた物語、、、
時の権力に抵抗した姿が克明に描かれています… その行動力は圧巻でしたね。
『種痘伝来記』は、天然痘の治療(予防)のために尽力した人々の物語、、、
当時では先取的な取り組みだった種痘法は、なかなか理解を得にくかったんですねぇ… 広島の川尻にそんな人物がいたとは驚きました。
『洋方女医楠本イネと娘高子』は、「シーボルト」の娘「イネ」と孫娘「高子」の出産にまつわる悲劇を描いた物語、、、
母娘とも、同じようなシチュエーションで強姦され、希望していない妊娠をしたとは… 数奇な運命を感じました。
『越前の水戸浪士勢』は、水戸藩が尊皇攘夷派と保守派に分裂し、尊皇攘夷派が捕らえられて処刑されるまでを追った物語、、、
信頼して頼った人物に裏切られ、当人だけではなく、家族も含め厳罰に処されたとは… 過酷で非情な処罰に憤りを感じましたね。
『二宮忠八と飛行器』は、もしかしたら「ライト兄弟」よりも先に空を飛んでいたかもしれない男「二宮忠八」を描いた物語、、、
軍にもっと理解のある人がいれば… 大発明は日本から生まれたかもしれませんね。
『ロシア軍人の墓』は、日露戦争の日本海海戦で亡くなり、日本海沿岸に流れ着いたロシア軍人の遺体を丁寧に葬った島根県石見の人々を描いた物語、、、
つい3年前まで住んでいた島根で、そんなことがあったとは全く知りませんでした… 全く見ず知らずの敵国の兵士の死体を丁寧に荼毘に付し、戒名を与え墓を建て、維持し続けているという事実に感動しましたね。
『小村寿太郎の椅子』は、日露講和条約を締結したポーツマスでの取材時のエピソードを記した作品、、、
全権として条約締結を推し進めた外務大臣「小村寿太郎」が座った椅子が未だに残っていたり、条約調印の際に使われたインク壺を日本の武官が持ち帰っていたことが判明したり… と、なかなか興味深い取材エピソードでした。
『軍用機と牛馬』は、三菱重工名古屋航空機製作所で製造された零戦等の軍用機が、どのように各務原飛行場に運ばれたかを描いた物語、、、
道路事情が悪く、トラックでの輸送では機体が損傷する恐れがあったことから、輸送の中心は牛車や馬車だったんですね。
三菱重工名古屋航空機製作所から各務原飛行場までは48kmの道程… 牛車だと24時間、馬車だと12時間、トラックだと2時間だったそうです、、、
高速で飛び交う航空機を超スローな牛車や馬車で運んでいたのかと思うと、不思議な感じがしましたね。
『キ‐77第二号機(A‐26)』は、日本とドイツ、イタリアとの連絡における長距離飛行用に開発された航空機の運命を描いた物語、、、
性能は十分だったようですが… 結果的には到着できなかったようですね。
『伊号潜水艦浮上す』は、沈没していた伊号潜水艦を浮上させた際の内部の状況を描いた物語、、、
昨年、読了した『戦史の証言者たち』に収録されていた『伊号第三三潜水艦沈没と浮揚』と重複する内容が多かったですが… 浮揚後に発見された生きたような死体だったことや、乗組員の死に方が紳士的だったことは、1年前に読んだにも関わらず衝撃的で、改めて頭に刻み込まれましたね。
特に印象に残ったのは、『ロシア軍人の墓』、『軍用機と牛馬』、『伊号潜水艦浮上す』ですね… 「吉村昭」の長篇作品をじっくり読みたくなりました。 -
江戸の漂流民長平の苦闘、種痘術を伝えた中川五郎治、シーボルトの娘・イネの出生の秘密、沈没した潜水艦で死を迎えた者たちの佇まい。歴史小説の名作を世に送り出し続ける作家は、いかにして記録の裏側に迫るのか。
(1981年単行本、1984年中公文庫、2003年文春文庫)
・無人島野村長平
・反権論者高山彦九郎
・種痘伝来記
・洋方女医楠本イネと娘高子
・越前の水戸浪士勢
・二宮忠八と飛行器
・ロシア軍人の墓
・小村寿太郎の椅子
・軍用機と牛馬
・キー77第二号機(A-26)
・伊号潜水艦浮上す
・あとがき
本書は取材ノートを短篇ノンフィクション風にしたものである。どのお話も面白い。特に「洋方女医楠本イネと娘高子」では、長崎県立図書館に秘蔵されていた史料に関するエピソードであるが、著者は故人の意思を尊重し「後年誤解さるること」の無いよう史実を公表する。歴史上の人物とどのように向き合うのか考えさせられる。 -
吉村作品の取材秘話といったところ。知らなかった事実がたくさんあり、面白い。古い写真等が載っていて、作品を視覚的に楽しめるのもよい。
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2011.10.5(水)¥100。
2011.10.7(金)。 -
2007.12.30
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吉村昭の時代小説は暑苦しくなくて好き。これはメイキング的な面白さと、素材自体の力強さも味わえるお得な一冊。
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