深海の使者 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2011年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784167169497

作品紹介・あらすじ

第二次大戦中、杜絶した日独両国の連絡路を求め数回にわたって大西洋に潜入した日本潜水艦の苦闘を描く。
文藝春秋読者賞を受賞

太平洋戦争が勃発して間もない昭和17年4月22日未明、一隻の大型潜水艦がひそかにマレー半島のペナンを出港した。3万キロも彼方のドイツをめざして……。
大戦中、杜絶した日独両国を結ぶ連絡路を求めて、連合国の封鎖下にあった大西洋に、数次にわたって潜入した日本潜水艦の決死の苦闘を描いた力作長篇! 
【解説・半藤一利】

みんなの感想まとめ

第二次世界大戦中の日本潜水艦の苦闘を描いたこの作品は、日独間の連絡ルート開拓というあまり知られていない歴史的事実に光を当てています。連合国の封鎖下にあった大西洋を通じて、潜水艦が直面した過酷な任務や、...

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦中、日本からドイツまでの連絡ルートの開拓と技術交換のため、連合国の封鎖下にあった大西洋を通って数次にわたって潜入した潜水艦の苦闘を描いた作品。潜水艦の過酷な任務、敗戦前後の在独邦人の大変さなど、読んでいて苦しくなる。改めて戦争は悲惨だと思わされる。

  • 戦記。
    求めてたの(潜水艦エンターテインメント)と違ってたので3点にしたが、歴史に詳しい人にとっては、裏で(海面下深くで)こういうことも行われてたというのは非常に興味深いことなのではないか。 残念ながら歴史に詳しくないので、戦争ってのは愚かで悲しくて恐ろしいということを改めて思い知らされた、のみ。
    海に浮いてる無抵抗の商船を水中からこっそり狙い撃つ。打たれた方は為す術なく沈没する。なんだそれ。

  • 第1次訪独潜水艦として、数々の困難の乗り越え、復路の終盤に自国の勢力圏内に寄港するも、触雷して沈没した伊号第三十潜水艦。無償譲渡されるUボートの引き取り搭乗員を送り、唯一無事帰国した伊8潜。ドイツから譲渡され、帰航路途上で消息不明となった呂号第五百一潜。ペナンに向かう航路で、英潜に撃沈された伊34潜。寄港予定の港が敵国の侵攻で分断され、消息不明となった伊52潜。…狭い艦内で、酸素消費を抑えた窮屈な姿勢で過ごし。何か月も耐えたあげく深海に沈む。浮かばない命。戦争とはそんな犠牲者も出すという現実を突きつける。

  • ヨーロッパでも第二次世界大戦で奮闘していた人達がいることを知った。ドイツと日本を結ぶため奮闘した潜水艦乗りたち。ドイツ崩壊まで残って働いた外交官、軍人たち。戦争の虚しさと残酷さが知れる良作。

  • 太平洋戦争開戦直後に、帝国海軍はインド洋にて様々な軍事作戦行動を敢行したようです(コロンボ空襲、マダガスカル島攻撃、インド洋での通商破壊作戦等)。その中の一隻(潜水艦)が、インド洋から喜望峰を廻り(悪魔の南緯40度を超え)、大西洋に出てドイツ軍の軍港を目指し、無事に到達をしたという。帰りも英軍等の追跡を躱して大西洋を南下、喜望峰を廻り(再び悪魔の南緯40度を超え)、無事にマレーシアのペナンに戻っている(その後、事情を知らない大本営命令によりシンガポールに回航され、機雷に触れ沈没)。戦争中に五隻の潜水艦が日本(呉)から欧州を目指し、3隻が無事に欧州に到達、そして呉に無事に戻った潜水艦は1隻あるという(様々情報、機密物資、密命を帯びた士官等を満載しての長距離移動だった様子)。内にはエアコン無く、シャワーも無く、食料等の補給も無い中で、アフリカを廻り欧州へ、そして、欧州から日本へという航海を無事に果たした艦長と乗組員たちの物語であります。インド独立の闘士で有名なチャンドラ・ボーズは、欧州からインド洋までドイツの潜水艦に乗船、インド洋上で日本の潜水艦に乗り継いで日本にやってきた由。どうやってインド洋の真ん中で、二隻の日独の潜水艦は会合していたのか等、そんな知られざる事実を掘り起こした吉村昭の取材力に、☆四つです。

  • 半分くらい読んで挫折。固有名詞が長い。そして多い。読むのに疲れた。戦時中、日本とドイツ間を潜水艦で往復する作戦があったことを全く知らなかったので、序盤は興味深く読んだ。

    それにしても、冒頭の50ページを読んでずっこけた。ドイツからの復路、シンガポールにある日本の軍港までたどり着いたのに。ドミノ倒しを9割方作り終えたのに、湯呑みを倒して台無しにする感じ。でも、こういうことあるよなーと思った。

  • 潜水艦の事は知らなかった。
    2ヶ月以上艦内に篭ったまま作戦を続けるなど 
    敵がいて危険な時は艦内の酸素が無くなるギリギリ
    まで潜るなど大変な苦労だと思った。
    無謀と思われる作戦も潜水艦の場合は
    亡くなっていく兵隊は逃げ場が無く全滅、
    今も戦争はあるが悲しい事です。

  • ドイツまでの3万キロを潜水艦で往来していたという事実に驚きました。片道2ヶ月以上、いつ敵に襲われるかわからない状態で、しかも狭い艦内で過ごす精神力。昔の軍人さん達はこのような過酷な状況下でも命懸けでお国のために任務を果たす姿に胸を締めつけられました。
    また、読者にその時の状況を思い描くことができるほどの文章を書くには、とんでもない量の取材や綿密な調査をしていたのだろうと推察します。
    それを1冊の本にまとめていただき、私たちは史実として知ることができています。感謝です。

  • 第二次世界大戦での太平洋上でのミッドウェイ海戦、ラバウル、ガダルカナル等の島々での悲惨な戦いは知っていたのだが、日本からドイツまで潜水艦で往来していたなんて、本当にビックリしました。詳しく、詳細に描かれており感動しました。

  • どうしてこんなにも細かな記述ができたのだろうと思いつつ読んでいたのだが、巻末の半藤一利氏による解説を読んで納得した。作者は、何より当事者の証言を丹念に取材することを第一にして記述に取り組んだということである。
    それは、長期間の潜航による艦内の様子など、まるで映画を見ているかのような、迫真の表現となって結実しているのである。
    太平洋戦争のあまり知られざる一面を取り上げた作品として、特筆すべきものであると確信する。

  • いつもながら著者の綿密な調査と淡々特にした筆致に、戦争体験者の執念と気迫を感じる。深海に没した潜水艦乗組員の過酷且つ惨憺たる状況を、活字を追いながら想像し艦員の心情に思いを馳せた。ドイツとの密なる関係も、歴史の小片だったが本書により実感を伴うものに上書きされた。日本国のために死力を尽くした英霊に心より敬意を表す。


  • 随分前に、何かで
    第二次大戦中、ドイツと日本を
    潜水艦で往復するというのを読んだコトがあって
    マジかーと思った記憶で止まってた

    kindleがおすすめしてくれたんで
    コレは良い機会だと早速


    日独伊三国同盟以来
    同盟関係にあった日本とドイツだったが

    独ソ開戦によって、シベリア鉄道経由だった
    陸上輸送が途絶し
    日本と英米の開戦によって
    海上船舶による輸送も困難になった

    制海、制空権を奪われた両国にとって
    ドイツは南方資源を
    日本は軍事技術を
    潜水艦によって供与しようとした

    基本的な航路は
    日本→マラッカ海峡→インド洋→マダガスカル海峡
    →喜望峰沖→東部大西洋→

    1942年から1944年にかけて
    5隻の遣独潜水艦を派遣し
    日本ドイツ間を無事往復できたのは
    第二次遣独艦である
    伊号第八潜水艦のみ

    第一次遣独は
    往路は無事ドイツに到着
    復路もシンガポール迄は到着したものの
    日本に向けて出港する際
    自軍の機雷に触れ沈没

    第三次遣独は
    往路のマラッカ海峡にて
    イギリス海軍の潜水艦に沈没させられる

    第四次遣独は
    復路のバシー海峡にて
    アメリカ海軍の潜水艦に沈没させられる

    無謀としか思えないこの作戦が
    何故実行されたのか

    連合国側は、共同作戦を行うため
    必要に応じて、頻繁に幕僚会議を行なっていた
    時には、首脳会議まで行われており
    兵器技術や、軍需物資の交換も
    活発に行われていた一方で

    三国同盟を結んでいた
    日本→ドイツ、日本→イタリアは
    無線通信以外に方法が無くなっていた

    制海、制空権を奪われた以上
    ドイツが開発した
    機密兵器の存在や、技術を
    潜水艦によって運ぶという
    奇天烈な発想となった

    結局、無事任務を遂行できたのは
    一隻のみ

    積載されていた物資は元より
    乗務していた海兵や
    ドイツから引き上げてくる
    民間人を含む、優秀な技師達が
    海の底に沈んでいったコトは
    やり切れない


    本書のあとがきで
    実は、正式な記録は殆ど無くて
    僅かに
    遣独第二便の艦長が保存していた
    行動日誌があるのみ
    関係者の断片的なモノしか残されていなかったと

    そんな中、実際に遣独潜水艦往来に関係した
    生存者の証言を元に
    調査資料を提供してもらったと記していた

    吉村氏が、戦前生まれだったコトが幸いし
    数々の戦争歴史小説を生み出していた訳だが

    途中から、パタリと同テーマでの執筆が途絶えたのは
    戦争体験者が次々と他界されたからとの事

    戦史公式記録などは、補強材料に過ぎず
    体験者の話を徹底的に取材して
    多角的に作り上げる手法をとってきたからこそ
    素晴らしい作品に仕上がる


    改めて、吉村作品の重厚さを実感したな




    #吉村昭
    #遣独潜水艦作戦
    #日独伊三国同盟
    #深海の使者
    #吉村昭にハズレなし

  • 太平洋戦争末期、同盟国ドイツとの物理的な交流は潜水艦での往来しか手段がなくなっていた。片道2ヶ月を要する航海の苦悩を描いた小説。
    氏の小説は過度な脚色はなく、史実にのめり込めるのが良い。

  • この書籍は、第二次世界大戦(太平洋戦争)当時に日本からドイツへ一隻の潜水艦が行く話。

  • 戦時中の潜水艦の話だ。枢軸国側の通商路は破壊され、特に日本と独伊は要人の往来や技術交換もままならない。そこで、インド洋経由で遠路はるばる潜水艦で忍んで行くのだが、往復を全うできたのは1艦に過ぎなかったという。
    久しぶりに『沈黙の艦隊』を読みたくなった。

  • 第二次大戦下、遥かヨーロッパまでの航海に挑み続けた旧日本軍の潜水艦群の奮闘を、娯楽作品として盛り上げようなどという意図は皆無、ただただ状況説明に徹して綴り上げたほぼノンフィクション。
    決して読み易くはないが、自分の中で読み方が定まってくればグッと入り込むことができる。

  • 「消耗」そんな言葉がずっと頭の中で反芻する。
    日本人は1%の希望にかけるというが、本当に…。もし今後、これらの財産があったなら、もう敗けるのは当然だったのに…なんて「もしも」はないんだけれど。考えるのをやめられないくらい、息の詰まる本だった。

  • 2015/09/08完讀

    二戰時期相較於同盟國間頻繁地會議聯絡互通有無,軸心國之間由於距離遙遠難以達成此點,而由於日蘇互不侵犯條約加上東條堅持不能讓飛機飛過蘇聯領空以免落人口實,因此軸心國之間的溝通僅能以潛水艦進行。日本政府計畫派出潛水艦和技術人員,提供德國南方物資,並且也從德國載回關於雷達、噴射機等等的最新研究和受訓結束之技術人員等。這本書主軸以主要五台背負此艱鉅任務的潛艦,第一艘伊30號在1942年初航,繞開許多同盟國的制空權海域安全到達,卻竟在回程新加坡意外觸機雷沉沒。伊8號是唯一一艘安全返回內地的潛艦。接著伊34在出發時在麻六甲海峽遭襲沉沒。隨著戰局漸轉趨惡劣,制空及制海權漸漸失去,這個任務變得更加困難,但也因此日本政府更需要尖端武器如雷達等技術分享的支援,以及召回技術人員,因此繼續派出潛艦執行這個任務。傳說中的木梨鷹一中佐所指揮的伊29,曾和德國潛艦接力載回印度武裝獨立領袖チャンドラ・ボース,在戰局艱困的1944年,盟軍在太平洋的密集監控下成功突入法國軍港,卻沒想到在新加坡卸貨之後在返回吳的途中,在接近台灣附近遭美軍擊沉。接著最後一個嘗試,伊52到達歐洲時盟軍已在諾曼第登陸,他在靠近ロリアン時也被擊沉。至於德國贈送給日本的潛艦,也只有呂號五百潛水艦成功到達日本。1945年3月從德國出發的U234也因為德國投降,日本技術軍官在艦上自盡。最後的巨大潛水艦,伊四百號型潛艦(可搭載三架晴嵐三架)也在戰後被捕獲投降,戰後竟僅餘69艘潛艦。日本潛艦如伊四百如被美國帶去研究外,但最後都全數擊沉,僅餘呂號67存世。

    這裡還提到一個故事,就是一度曾因緊急狀況,日本駐德之囑託曾用電話直接聯絡本土,故意用早口鹿兒島腔講,美軍無人可解讀,以為是其他語言,後來兩個月後被日系二世伊丹明解讀(解讀自己恩人說的內容。。。)。這個伊丹明就是兩個祖國的悲劇人物原型。

    寫作來源是吉村昭在昭和十七年中學時看到的大本營發表潛艦抵德的不可思議消息,日後才知道原來一職有這樣的深海使者在進行這個任務,然而他痛感資料極少,便著手訪問相關人士,而寫出這個更不可思議的報導文學。裡面對於出這個緊急任務的潛艦生活鉅細靡遺地描寫。想像著二十個小時不浮出海面大家都陷入缺氧狀態,物資極度節省的狀態下無法洗澡,全身汙垢都變成白色粉末。潛航、浮出海面,看不到陸地的兩個多月,繞開喜望峰附近盟軍制空範圍的荒波,海上加油,艦上生活的一喜一憂,最後是被擊沉之後無數寶貴生命直接消逝。。。非常寫實,也非常殘酷的故事。吉村挑選這樣的角度,大量訪問相關人士進行調查編織成這個故事,誠乃令人敬佩,也對他挑遠主題切入的角度感到很佩服,比起已經熟稔無比的太平洋戰史和歐陸戰史,從"海面下"來看又相當有新意。儘管他還是很繁複、面無表情地紀錄、紀錄,但是因為這個角度實在太特別,所以不至於讓人覺得很囉嗦,會想急著繼續看下去。當然,所有這些面無表情的冷靜文字,都是吉村想要表現的人類的愚行,但這些海底男兒的熱血,還是讓面無表情的故事中帶著一點牧歌性和溫度。深海的使者,是給潛水艦男兒的鎮魂歌,是一本相當好的戰史紀錄文學。

  • 第二次世界大戦中、同盟国であるドイツとの通商が断絶されたため、長距離航空機や潜水艦によって命掛けの連絡を試みる作戦。
    戦局挽回のためにはお互いの資源、技術が必要だが、成功率はかなり低い…。
    潜水艦乗りの想像を絶する苦闘と、成功した時の安堵感が伝わる

  • 保有状況:所有&購入日:42172&購入金額:699

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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