大空の決戦 零戦搭乗員空戦記 (文春文庫 は-21-1)

  • 文藝春秋 (2000年12月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784167173036

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  • 論理的、冷静に自らの戦いを回想している。

  • (2013.08.05読了)(2011.10.01購入)
    【8月のテーマ・戦闘機を読む・その①】
    副題「零戦搭乗員空戦録」
    8月は敗戦記念日、広島・長崎の原爆の日、がありますので、例年戦争に関する本を読むことにしています。今年は、宮崎駿さんのアニメ映画「風立ちぬ」で零戦設計者の堀越二郎を主人公にしていることにちなんで、戦闘機に関連する本を読んでみることにしました。
    この本の副題は「零戦搭乗員空戦録」となっているので、ほとんど零戦に乗って過ごしてきた人なのかと思って読んだのですが、そんなことはありませんでした。いろんな戦闘機に乗っています。
    戦闘機の経歴を解説から拝借すると以下の通りです。
    「まず空母の九五艦戦、九六艦戦で日華事変を戦う。ついで零戦の実用テストと、ふたたび中国空軍機との空戦。一転、練習機の教員を務めたのち、雷電および爆弾の実用テスト。「搭乗員の墓場」と呼ばれたソロモン、ラバウルに転じ、性能的に押され始めた零戦で優勢な米戦闘機に対抗して重傷を負う。驚異的な努力のすえに操縦勤務に返り咲き、三たび実用テストに従事しつつ、紫電改で本土を襲うF6FヘルキャットやB-29を迎え撃った。」(320頁)
    経歴を見ると、小説『永遠の0』と似ているような気がするのですが、どうでしょうか。ただし、著者は、特攻には行っていないので、生き残り、この本が書けているのですけど。

    【目次】
    第1章 大空への決意
    第2章 中国戦線へ飛ぶ
    第3章 はばたく零戦
    第4章 零戦から雷電へ
    第5章 ソロモンの戦い
    第6章 戦い、われに利あらず
    第7章 その後に思うこと
    解説  渡辺洋二

    ●零戦の機銃(90頁)
    試作機には初めて二〇ミリ機銃が両翼に一挺ずつ搭載されており、片銃五十五発の弾倉をつけて、毎日のように相模灘上空で射撃実験が行われた。二〇ミリの発射音は一段と大きく、鼓膜にひびき、同時に長く尾を引く曳跟弾の流れを見ただけで、その威力が想像できた。
    ●敵中着陸(104頁)
    ふと見ると零戦が一機着陸しているではないか。遅れてはならじと私も銃撃をやめてすぐ着陸態勢に入り、飛行場のど真ん中目がけて降りていった。すでに二機が着陸している。もうもうたる黒煙が行く手をさえぎる。ガクンと主輪が地上にあたる。敵中着陸だ
    ●中国戦線(121頁)
    このころの零戦に対し、敵機イ15、イ16では空戦性能に大差があり、加えて搭乗員もこちらは優秀なツブぞろいで、技量に格段の差があったことは確かである。さらにこの頃、わが方は二機編成を採用していた。
    ●荷重テスト(154頁)
    高度五〇〇〇メートルとし、前上方攻撃から切り返して急降下に入り、三二〇ノットになったところから急上昇し、イチかバチか強引に引き起こすと、今度は完全に〝失神〟し、数秒間意識不明のまま降下した。やがてかろうじて意識が回復し、同時に安堵感が全身を包んだ。
    ●振動過多(163頁)
    振動過多の原因にはおよそ次の三つが考えられた。
    第一に機体からくるもの、次はプロペラによるもの、そしてエンジンに起因するものである。先ず機体からくるものについては、ちょっとした特殊飛行をすれば、エルロン、方向舵など操縦系統からくるものか、機体のねじれなどが原因か、大体見当がつく。またプロペラによる振動であるならば、プロペラピッチを変更し、エンジン回転を増減すれば判断できる。この二つについてくり返しテストをしてみたが、振動は全く変わらなかった。
    最後に私はエンジンによるものと断定し、キャブレターや燃料系統について綿密なテストをしてみた結果、どうやら燃料の濃淡に起因したものであることを突きとめた。
    高温の南方では、気温、気圧の関係から、内地より空気が薄いのに、燃料の方は一定量だけ送り込まれていたため、エンジンが不調となり振動の原因となっていたのだ。
    ●劣勢に(181頁)
    太平洋戦争緒戦の頃はあんなに恐れられていた零戦も、すっかり弱点を読み取られ、加えて搭乗員の技量低下は、いかんともしがたく、切歯扼腕する毎日を過ごしていた。
    ●押され気味(205頁)
    昭和十八年初めのガ島戦頃までは、敵戦闘機(P-39、P-40、F4U、F4F)に対し、わが零戦をもってすれば、数において少々劣勢ぐらいでは、十分勝算が得られたのであったが、日華事変当時からの古い搭乗員が、戦死や病気、過労などにより、第一線から徐々に姿を消すことにより、立場は互角から、むしろ押され気味となっていった。

    ☆関連図書(既読)
    「零式戦闘機」吉村昭著、新潮文庫、1978.03.30
    「零式戦闘機」柳田邦男著、文春文庫、1980.04.25
    「零戦 その誕生と栄光の記録」堀越二郎著、講談社文庫、1984.12.15
    「永遠の0」百田尚樹著、講談社文庫、2009.07.15
    「特攻基地知覧」高木俊朗著、角川文庫、1973.07.30
    「今日われ生きてあり」神坂次郎著、新潮文庫、1993.07.25
    (2013年8月21日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    幼い頃空に憧れた少年は、長じて軍隊に入り、飛行兵となってその夢を叶えた。しかし、折から日中戦争が勃発、新鋭機を駆って、勇躍戦場に向かう。そこで彼が見た現実とは…。日中戦争、ラバウル、本土防空戦と苛烈な戦場を戦い抜いた著者が、いまは亡き戦友たちに捧げる鎮魂歌。空戦戦記の傑作が渡辺洋二氏の解説で甦る。

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