池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.62
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本棚登録 : 8999
レビュー : 1079
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174033

作品紹介・あらすじ

「池袋ウエストゲートパーク」は東京の池袋を舞台に、現代の若者の友情、愛情が描かれるエンターテイメント作品です。
現代の病巣ともいえるネット社会などについても言及もあり、社会学の書物としても注目されます。筆者の石田衣良は直木賞を受賞しており、その点で小説の面白さにはお墨付きがなされているものといえます。

感想・レビュー・書評

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  • 早い展開で、読んでいると情景が浮かぶような文体。
    当時の十代の人たちのヒエラルキーのあり方と、流されず群れず、社会の表も裏もなく存在感のある主人公のあり方が面白い。
    ドラマは見ていないが、こんなに面白いのならもっと早く手にとっておけば良かった。

  • ブクロさいこー^^

  • ドラマを結構前に見て斬新で面白い印象を覚えてるけど、これを読んでよく理解した。この小説がまず超斬新だったのだ。しかも単純明快で分かりやすい、読みやすい。どんどん読めてキリがない。
    そして、石田衣良さんの描く小説は青春の青いにおいがする。誰でも感じたあの記憶とか、匂いとか、景色とかを思い出させる何か。

    これを読んで一番心に残ったのは、まことの素直さと大らかさ。
    トラブルシューターを見返り無しで引き受けて、誰もが関わりたくないような人間を助けたりする。リカを殺したヒカリは情状酌量の余地も無いと世間は見るが、マコトは違った。違法滞在、しかも自らのせいでヤクザに目をつけられたインド人を実家に匿ったり、重度の引きこもりの和範の家に通い、彼に一方的に一時間も壁にむかって話したり。普通の人だったら誰もしないようなことを、マコトは何の対価も無しにする。それは素直な思いやりで、社会では蔑まれるような人たちを、人と扱う心を持っているから。
    現代社会に住むわたしたちには、色んなゆとりがない。社会から外れた人たちや困っている人たちとは、利害あっても特は無い場合、なるべく関わらないように細心の注意を払う。人は皆、自分のお金と時間と余裕を奪われないよう、常に警戒アンテナを張っているのだ。しかし、きっとそれは自己を保つ防衛本能で、この社会を生き残るためだから、それを責めることはできないのだけど。マコトはその瞬間そこで困っている人を、自分の信念に基づいて素直に対応する。その美しさと清さが印象に残った。

  • 年に1度は必ず観る程大好きなドラマIWGP。
    やっぱり大好きで今更ながら原作を手に取ってみました。
    まず、映像化作品は如何しても原作と比較してしまいがちですが、個人差は勿論ですがわたしは原作もドラマも違いも含めてどちらの個性も好きになりました。
    本作はシリーズでも特にドラマに盛り込まれたエピソードが多く、懐かしい気持ちになりながら楽しんで読むことができました。
    青春時代にブラウン管で観たマコトやタカシが、また違うエピソードで見れることを楽しみに続編も手に取ってみようと思います。

  • 20180707


    今さらと思いながら読んでみた。

    独特な文体とリズムだったが、それが心地良かった。
    これが石田衣良氏のデビュー作とは…
    才能を感じさせられた。

    10代が中心の作品だが、読んでると少し若返りそう。

    続編も出てるみたいだから読んでみよう。

    さすがにPHSから携帯に変わってるだろう。

  • 特徴として、かなり細かく区切られているのがパッと見で分かります。一ページも行かないうちに改行して場面転換、と言った感じ。脚本を読んでいるような感覚。場面転換が速いとスピーディーに話が進むので気が付くと何百ページも読んでいた…みたいな。
    表題作は第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞した作品ですが、ロジカルな推理ではなくサスペンス+アクション+意外な結末が詰まった話でした。

    ・池袋ウエストゲートパーク
    池袋の片隅で母親のやる八百屋を手伝いながら、界隈にいる連中と独自のスタンスで付き合う19歳の青年・マコト。
    池袋で女子高生連続絞殺未遂事件が起こっていた。犯人は「ストラングラー」と呼ばれている。
    そんな中、マコトは何人かの男女と交流を深め、チームとしてつるんでいた。
    その中の女子高生・リカが何者かに殺されてしまう。果たしてこれもストラングラーの仕業なのか。
    マコトは残ったチームのメンバー、中でもリカの親友だったお嬢さま女子高生のヒカルとともに事件の真相に迫る。
    黒幕であるヒカルは、割と初めから闇を抱えたキャラとして描かれている。やり場のない切なさは分かる。居場所を亡くしたくなくて取った行動だって言うのも分かるけど、その結果がああなってしまい、それでもまだ隠そうとするヒカルの行動に心がいったり来たりします。
    マコトが光の父親に加えた鉄拳制裁に光を感じてしまうほどに。

    ・エキサイタブルボーイ
    この話が一番良かった。
    ヤクザの親分の娘のガードをすることになったサル。マコトの昔馴染み。
    その娘が行方不明になり、サルとマコトが手を組んで探すことになった。
    親分の娘という、絶対結ばれなさそうな相手に心を寄せ、なんだかんだと必死になって探すサル。そして話の結末に心を打たれた。
    ひきこもりの和範に対し、マコトが何度も部屋の前まで行って、心を通わせるシーンは何だか和んでしまいました。マコトには人の心に寄り添う力があって、それが池袋の面々に頼られるのだと良く分かるエピソード。

    ・オアシスの恋人
    風俗嬢の千秋と、彼女の恋人であり、不法滞在しているイラン人のカシーフが登場。
    カシ―フはクスリ絡みの事件に巻き込まれ(というか、自ら首を突っ込んで)危なくなり、マコトたちが護衛することになる。
    マコトは絵描きのシュンや、ハッカーのケンジ、電波マニアのラジオとともに一計を講じて、池袋からヤクの売人を追い出す作戦に打って出る。

    ・サンシャイン通り内戦
    この本の中で一番長い話。
    池袋が赤チームと青チームの真っ二つに割れて、いつ大きな闘争に発展してもおかしくない状況に陥ってしまう。
    中立のスタンスを貫くマコトのところへ、その抗争の様子を取材したいという女性ジャーナリスト・加奈が近づいてくる。
    マコトは加奈の取材に付き合いながら意味のない争いを眺めていたが、少年が大けがを負い、病院に担ぎ込まれる様子を見て心を痛める。
    加奈とマコトは心を通わせ合う。加奈は不妊が原因で一度離婚経験があった。そこに、マコトの前カノの妊娠騒動が沸き起こる。
    マコトたちの活躍で、池袋抗争の裏にヤクザの影があることが判明し、ひとまず若者たちの抗争は収まる。
    しかし妊娠騒動で加奈とマコトの心は完全にすれ違っていた。
    マコトと加奈は、池袋抗争の終焉とともに離れ離れになる。
    池袋抗争のせいで兄が酷いけがを負い、やりきれない思いを抱えた妹の刃を、抵抗せずに受け止めたタカシのシーンが良かった。
    あそこで刃を受け止めなかったら妹は抱えた気持ちを発散できないし、その後どうなっていたか。池袋の町で起こったことは己が責任を取るというタカシの強い覚悟が窺えた。

  • 予想よりとても面白かった。(^^
    ハードボイルドなんだけど、視点が変に大人寄りにならないのが良かったですね。
    登場人物の考え方が等身大というか。
    主人公の成長も落ち着いた方向に成長しているのが良かったです。
    クラシック音楽のエピソードへの絡め方も良かったかな。
    作者の某テレビ番組はちょっとアレですけどね。(^^;

  • 主人公・真島誠が、知恵と人脈と胆力で、池袋に起こるトラブルの解決に挑戦していく。かつて宮藤官九郎監督、長瀬智也主演でドラマ化もされた。シリーズ第1作。
    「どうすればいいか、まるでわからない。だが……自分の中にある熱を信じるしかないじゃないか」
    熱と力が生命の底から込み上げてくる快作。

  • ドラマやってたな~と思いながら、シリーズ長いので手を出さなかった作品。面白かった~。衣良さんの描くリーダー格の男子ってめっちゃいい男だな。男の友情って良いですね。場所が池袋というのが身近でより面白かったです。

  • もう何回読んだかな?前に読んだのはもう随分前だったから内容全然覚えてなかった。少し前からこのシリーズ全部読み返したくて、やっと一作目読了。改めて思う。面白い。この一言に尽きる。シリーズ全部読んでるけど、つくづくこの登場人物たちの存在感とストーリーの疾走感にやられる。
    「池袋ウエストゲートパーク」…マサって誰だっけ、そんな人いたっけって思い出すまで時間がかかった。山井結構好きだよ。ヒカルは何かもう、切ない。かわいそう。
    「エキサイタブルボーイ」…今後も何度も出てくるサルね。良いよね。サルと姫のお話。切なかった。和範も良い味出してる。
    「オアシスの恋人」…千秋とイラン人のカシーフのお話。シュン、ケンジ、ラジオのチーム好きだわあ。
    「サンシャイン通り内戦」…明日香なんて彼女いたっけ、全然覚えてなかった。妊娠騒動も。あとマコトと加奈の初恋。それからタカシ。かっこよすぎる。

    • hs19501112さん
      【もう何回読んだかな?】

      なるほど!!!

      基本、一度読んだ小説を読み返すことは無いのですが、このレビューを読んで、自分もI...
      【もう何回読んだかな?】

      なるほど!!!

      基本、一度読んだ小説を読み返すことは無いのですが、このレビューを読んで、自分もIWGPシリーズをもう一度読んでみたくなりました。

      と・・・連ドラのDVDもまた観たいな♪

      原作の世界観を保ちつつ、でも全く原作通りなわけではなくけっこう大胆なアレンジもしちゃっていて・・・なのに、面白い。原作とは別モノとして両方が楽しめる作品でした。
      2016/09/05
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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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