池袋ウエストゲートパーク (文春文庫 い 47-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174033

作品紹介・あらすじ

「池袋ウエストゲートパーク」は東京の池袋を舞台に、現代の若者の友情、愛情が描かれるエンターテイメント作品です。
現代の病巣ともいえるネット社会などについても言及もあり、社会学の書物としても注目されます。筆者の石田衣良は直木賞を受賞しており、その点で小説の面白さにはお墨付きがなされているものといえます。

感想・レビュー・書評

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  • 【2024年62冊目】
    池袋で母親と二人暮らし、果物屋を営む真島誠は、高校卒業後は特に何をするでもなく池袋西口公園のベンチに座って日々を過ごしていた。だが、それでも友達はできるもの。いつしか男女5人でつるむようになった誠だったが、ある日仲間であったリカが殺されてしまう。誠は池袋のギャングボーイズを束ねるタカシに協力を仰ぎ、リカを殺害した犯人を探し始める。

    ついに手を出してしまいました、池袋ウエストゲートパークシリーズの第一作目です。ドラマもアニメも見たことはなかったんですが、メディア化されるくらいなのだから、面白さは保証されている筈だと思い、あえて中々読みませんでした。

    誠視点で語られる池袋で起きる事件の数々。軽快なテンポと表現でどんどんと進む物語に、あっという間の読了でした。ううむ、確かにこれは面白い。

    周りの登場人物たちが魅力的なことは去ることながら、主人公である誠の真っ直ぐで一生懸命なところに好感を持った人は多いんじゃないでしょうか。次々と起こる事件も現実味がない訳ではなく、ちゃんと地に足がついているけれど、どこか遠い国のお話のような不思議な感じ。もっともぅと誠の目を通して池袋を見ていたくなりました。

    と、言っても現実の池袋は本当に人が多い場所ですし、駅は迷宮みたいに入り組んでるのでとっても苦手なんですけどね。

  • Netflixでドラマを見て原作も気になり手に取った。

    ドラマとは違って派手さには欠ける印象。
    しかし、譲れない物、若き日の情熱感、愛する地元を想う姿がしっかりと描かれていて、共感し、打ちひしがれるものがあった。

    ハードボイルドな文体で描かれているところは主人公であるまことのイメージと合っていて、作品を一層引き立ていた。
    あんな風な物語を1度は書いてみたい。

    石田先生の作品は過去に娼年を読んだが、違う人が書いているような印象を受けた。

    池袋ウエストゲートパークの他のシリーズも読んでみようと思う。

  • 20年くらい前?に読んで面白かった記憶だけが残っている。内容が思い出せないから再読したい!

  • 読み始めた時は若い!青春だ!と思いながらの読書でしたが。勿論若気の至りで若干許される事も大人ではそうはいかない、けどこの少年少女たちの等身大の懸命に生きる姿、正義、愛、大切なモノを守る姿勢はかっこいい。学ばなきゃいけない、と思いました。

  • 読み始めた時は薄っぺらい感じがしたが、読み進めていくうちに少しずつ気にせず没頭できるようになった。
    面白かった。続編も読みたい。

  • 「おれは、初恋をしていた。太古から伝わる精神と肉体の神秘を、初めて解いたつもりになっていた。世界はどこもかしこも花ひらいている。まったく、いい気なもんだよな。」

    池袋のアングラを舞台にした、ハードボイルドミステリ。文章に味があっておもしろい。

  • 石田衣良を読んだなって感覚
    若さが文章から弾けてるけど、どこか別の世界を見ているみたい

  • ストリート、怖い。

  • フランクな語り口だけど中身がスカスカじゃないのが流石直木賞作家。自分が生きている世界とは全く違う世界だけどやっぱりそこにもドラマがあって、人が鮮明に描かれているのが分かった。

  • 久々にドラマを見て、読みたくなる。
    マコトとタカシはドラマよりちょっと知的。
    でも生き生きと人が浮かんで面白い。
    池袋怖いな笑
    今やホームだけど笑
    インエクシスに懐かしさ

  • 素直な文章で比喩表現も少なく、読みやすくてドラマを見てるみたいだったし、実際ドラマ化もされてるらしい!
    時代を感じるフレーズや言葉遣いが出てきたけど、自分は気にならなかった
    主人公たちが池袋の街を一生懸命生きる姿が健気だった

    主人公の実直さや仲間を命をかけて助けようとするところがいいやつなんだな〜ってしみじみしてしまう
    嬉しいことに喜んで悲しいことを悲しんで、怒るところでものすごく怒れる素直さが眩くて、思いがけず自分の老いを感じた笑

    展開自体はありきたりといえばそうかもしれないのに、心を動かされる場面が多かった
    例えば実家がお金持ちのりかちゃんが主人公と友達になりたくて高価なものをやたらみんなにプレゼントするんだけど、そんなの無くたって俺たちアンタと遊ぶからさ…って言う主人公とそれをとっても喜ぶりかちゃんのシーンとか…
    どこかで見たことがあるような展開なのになぜか心に染みて泣きそうになってしまった

    登場人物みんな寂しさや孤独をそれぞれ抱えていて、それも魅力的だった
    表面だけ見ればチンピラ同士の喧嘩だったり風俗嬢の色恋沙汰だったりヤクザの抗争だったりするんだけど、仲間や街を守ろうとする主人公のひたむきさや真っ直ぐさが胸に刺さる
    サスペンス要素もあるので続きが気になってあっという間に読めてしまった

  • テンポが良くスラスラと読めます。
    物語りの内容自体はそこそこだなと思いましたが、頭の足りないガキのヤンチャさやクサイ発言に共感性羞恥心を覚えるというか、なんだか苦手で、早く読み終わろう…という気分にさせられました。
    普段手に取るハードボイルドとはまた違った感じ。私には合わなかったようです。

  • 好きすぎる実写も原作も両方好き

  •  マコトの初めて知った愛に対する言葉が軽いようで重くて、チンピラにもいろいろあるんだな〜とおもって、泣きそうになった、すこし泣いた。たぶんドラマで観るよりこっちの方がいい。

  • 上京した身としては池袋は全く落ち着かなくて嫌いなんだけど、これを読むと少し好きになるかもしれないしならないかもしれない。
    ハードボイルドというか、汗くさくていい。

  • 面白かったー。
    これでデビューしたんだって。すごいね。
    この作家さんの作品、どれもわりと好きかも。
    軽やかだけど扱っていることはなかなかに深くて、性問題も暴力問題も、なかなかの描写なんだけど、グロくはなくて、さらっと読ませる。
    このお話は勧善懲悪のヒーロー物語で、そういう意味で読みやすいんだけど、ヒーローが、何でもないはずの青年で、何か特殊能力を持っている訳じゃないけど、なぜか争いを解決していく、っていう(笑)。
    短編集(話は繋がっている)だから、細切れで読まざるを得ない最近の私でも、読みやすかったです。
    マコト君、なんかすごいクールガイを想像しちゃうけど、実際はどんな顔なんだろうか(笑)。

  • 台詞回しがいちいちクサイけどそれがまた面白い!
    ベタで意外性はないけど展開が早いからついつい読み進めてしまう。

  • ドラマ版を見はじめて、そういえば原作を読んだことないな、と思い読んだ。面白かった!クラシックが好きなので、ちょこちょこ知っている曲名が出てきて嬉しい。他はあまり知らないので、音楽を調べつつ再読したい。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/713337

  • ドラマを見たことないけど名前だけ知ってた作品。
    東京の雰囲気が分からないので池袋ってアニメのお店が多いイメージが強いんだけどこんな治安の悪い場所なのかな……怖い……
    どんどん事件を解決するまこっちゃんがかっこいい。あまり考え込まなくてもサクサク読んでいける。
    加奈との別れはなんとなくそうなるだろうなと思った。

  • 池袋の土地柄を知らないのですが、「ヤンチャな若者たちのナワバリがある街」という認識で良いんでしょうか?笑 「裏」の世界に近い若者たちの池袋での日常で出逢う事件が鮮やかに描かれていて、自分からは遠い世界のはずなのに、何故か引き込まれていってしまう不思議な魅力を感じます!主人公マコトが池袋のワルの若者達も一目置くボス的存在なのに、クラシックを好んだりもするし、仁義を重んじるキャラクターとして描かれているのも面白いです!

  • すっごい簡単なのに読むのにめちゃくちゃ時間かかった
    苦手なのかもしれないこの手の本
    あまりにも独白体が過ぎるとなんか恥ずかしくなる

  • 読みづらい。ドラマには勝てんなあ、まこっちゃん♡

  • 石田衣良先生の作品を全て読んでいないのに、一番を決めつけるなど、おこがましいにも程がある、とファンの方からは言われちゃうかもしれないけど、私個人としちゃ、石田衣良先生の作品をまだ読んだ事がない方にお勧めするのであれば、この『池袋ウェストゲートパーク』だ。
    令和となった今、読んでも、この作品には古臭さがない。確かに、時代背景や登場する人物の持つアイテムなどは当時のモノではあるが、彼らの生き様や言葉、行動は実にスタイリッシュで、アグレッシブ、そして、生命力に満ち溢れているので、読み手の心へ真っ直ぐに突き刺さってくるのだ。
    この作品は既に、漫画化、ドラマ化、アニメ化されているが、私としてはもう一度、漫画化してほしい、と思っている。これだけ良い作品なので、相当な実力がある漫画家でないと尻込みはしてしまうだろう。一漫画読みとして推薦したいのは、西川秀明先生と大暮維人先生。この二人のどちらかであれば、原作ファンも納得の漫画を描いてくれるんじゃないだろうか。

    この台詞を引用に選んだのは、他の台詞以上に、石田先生が、読み手に伝えたい、訴えたい、響いて欲しいと願う”何か”を感じ取ったので。
    何が、どう良いのか、上手く説明できない自分がもどかしく、小説家を目指している身なのに、これでいいのか、と悩んでしまうが、だからこそ、私には、この台詞が特に強く印象に残るんだと思う。
    自分たちの弱さ、狡さ、愚かさを自分たちで認める事で生まれる、見えてくる、気付ける、本当の強さがあるんじゃなかろうか。
    きっと、それに全員が気付ければ、この世から、大きい戦争は無くなるんじゃないか、と思う一方で、気付けない、と言うより、気付かせないようにしている大人がいる以上は無くならんだろうな、と思ってしまう。
    「おれたちはみんな弱い。だから嘘をつくことがある。おれたちはみんな臆病だ。だから武器をもつこともある。おれたちはみんなバカだ。だから傷つけあうこともある。でも、おれたちは許すことができる。誰がついたどんな嘘だって、きっと許せるんだ」(by真島誠)

  • 文体が新鮮で、ストーリーに合っている。
    ハードボイルドな作品は馴染みがなかったため、最後まで読めるか不安だったが、4つの短編に分かれていたためか、一気に読み通せた。1編目を読んだら、先が気になって、途中からは止まらなくなった。

    自分とは縁遠い世界だけに、知りたいと思わされた。そこが私にとってのこの作品の最大の魅力的なとこ。
    語り手で、リーダーの真島誠。19歳。仲間のために動く姿がかっこいい。こんな人がパートナーだったらどんな人生なんだろう。きっと毎日がヒヤヒヤだろうな。

    自分の性格から考えて、やっぱりこの作品世界の観客で良かったと、読み終わった後しみじみ思った。

  • 何度めかわからないくらい読み返しました。
    年明けにNetflixでドラマが配信されて、そちらも観返しました。
    アニメも録画したのを観返しました。

    原作1巻は「少し大人なドラマとアニメの融合」っていう感じです。
    (登場人物と主人公マコトの関係性も少し違っています。)

    ストラングラーと友人リカの殺人事件の真相、同級生のサルと和範と解明する羽沢組組長の娘の失踪事件、ヤクの売人ヘビーEから同級生·千秋の恋人を守るための駆け引きなど、このへんはドラマ中心。
    最後のGボーイズとRエンジェルスの抗争は、完全アニメに寄せた内容(アニメで加奈は出てなかったと思いますが。)になっており、オールドファンからすると、アニメとドラマのどちらのイメージも回想しながら読み返すことができました。
    (タカシのキャラは真逆ですが。)

    2000年前後の作品なので、時代を感じる描写もあり、また1巻ずつ読み返したくなりました。

    補足
    舞台の池袋に行ってみましたが、すっかり当時とは変わっています。

    あの当時は雑多で、なんとなく空気が荒んでいて、人混みでごった返した池袋のほうがワクワク感があったんですが、今は落ち着いた感がすごいあります。

    中学高校時代のことが懐かしく思い返されました。

  • 今更ながら読んでみた。
    90年代の池袋を知らないけど、主人公マコトが魅力的で、この作品がドラマ化されて人気が出るのは分かる。

  • 題材
    池袋西公園

    テーマ
    社会問題の解決

    最も伝えたかったこと
    池袋のイマ(当時の)

    何が新しいのか
    都心に住む若者の生態

    キャッチコピーは何か
    『今夜、池袋を生きのびろ』

    その他(心に残ったことなど)
    ・軽快な文体と細かく分けられた文章によるリズム感の良さ
    ・短編が進むにつれ、登場人物の輪郭がはっきりとしていった

  • 初めは主人公が一人で事件の解決に挑んでいたけど、途中から仲間が増えてチームで互いに協力して事件に潜り込んでいく過程が好きでした。シリーズものらしいのでこれから、その主人公の仲間との共闘が見られるかなと楽しみに次巻も読んでみようと思います。

  • 全く世代でないのに、風景が思い浮かぶ、、、池袋って今も昔も変わりなく、カオス。

    そんな綺麗で汚い池袋、わたしは大好き

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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