うつくしい子ども (文春文庫 い 47-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174057

感想・レビュー・書評

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  • ほんと面白かった。

    14才のジャガや友達が、14才なりに考えて行動する感じがすごく自然で。弟が起こした殺人事件の真相がじわじわと明らかになっていくところが堪らない。
    最後、弟の面会に行ったジャガが感じる違和感もリアル。

    今だとそんな珍しくもない話だけど初版2001年で長沢くんの秘密は…なかなかだったんじゃないかな。

    ジャガはきっと力強く生き抜いていくのだろうな。

  • 石田衣良さんの本が読んでみたくて買った一冊。

    家族の中から犯罪者が出てどうやって立ち直っていくのかな?と読んでいたが、最後はいい方に事が進んでよかった。
    でも実際はこんなに上手く事は運ばなくて、犯罪者が出た家族は悲惨な運命になっていくんだろうなと思った。

    約束をするか?、家族の事を救うか?
    この判断は難しい
    自分なら、家族を救う方を選ぶと思う。

    犯罪に関わっているのに、名誉の為?残された者を守る為?犯罪を黙っている事を約束?

    虫が良すぎる

    ちょっとスッキリしない部分もあったが、少年達の大きな成長も見れて感動する小説でした。

  • フィールドワークの重要性を改めて感じる作品。

    最後の発砲で気化したガソリンに引火するではないか!と思ったりもするが些末なことです…未来の名植物学者の命が救われたのだから…

    というか、署長も撃つなら手足で良かったんでない?至近距離だからいけたって!そこが急に現実的でないかなと我に返るので★-1。ジャガに幸あれ。

  • 平凡で普通の少年の住む町で起こる猟奇殺人事件。突然街に警察、マスコミが押し寄せ騒がしくなる。そんななか、犯人逮捕。まさか弟が!? 少年犯罪のお話でした。犯行を犯した少年が捌かれるのあたりまえ。未成年なら、親の責任といわれるのもわかる。だが、その兄弟は? マスコミやネットなどで取り上げられるのは、いたたまれないです。 お話の中で、兄は殺人を犯した弟の心をしろうと、行動をします。中学生ですよ?なんて強い子なんだ・・・そして、大人さえ知りえなかった事実に辿り着きます。最期あれは、どうなんだろう・・・大人の、自分勝手な事情のエゴではないか? 真実が表に出ればもちろん更に混乱と泣く人もいるし、犯した罪が消えるわけではないけれど、殺人を犯した過程があばかれれば、更正とかの道の模索もできるのでは? 公表しないでほしいなんて、主人公の兄に重い足枷を付けただけではないのか? よくそんなことを中学生に頼めたものだと、小説とわかっていながら腹立たしかったです。

  • 児童殺人を犯した少年・その家族の行く末。本当の殺人者は誰かを問う小説。ミステリー。少年犯罪の闇を鋭い視点で描いています。
    主人公は、殺人者の兄。犯罪者の兄ということで、世間から冷たい視線をあび、学校ではいじめを受ける。報道陣に囲まれた家に戻ることはできない。両親の離婚、引越etc。それらを乗り越えながら、心から信頼できる友達もいる主人公が「弟がどうして殺人を犯したのか」を追求していく。ラストには、衝撃的な真相が明らかに。
    子どもの心の闇。操るのは誰か。家族ではおぎなえない何か。美し過ぎる子どもは怖い。主人公の強さには拍手ですが、少年犯罪の恐怖に背筋が凍りつくような小説でした。

  • 児童殺人を犯した弟の動機を探る14歳の兄の成長物語。ミステリーとしても面白いがいろんな事を考えさせられる良作だった。弟の施設での発言はぞっとする。加害者サイドを描いた作品の中では著者の描くラストは優しすぎるくらい。

  • 東野圭吾の手紙のような作品。
    けど、それよりも、人の心の闇にフォーカスを当てている点で、異なっていると思う。あんなに凍てついた、心の闇は、誰にでもあるのだろうか。

  • 子供って残酷だ。純粋な子供は導く人によって何色にでも染まる。
    怖くて考えさせられて、それでも「お兄ちゃん」であろうとする主人公に涙した。

  • この頃の石田衣良はよかった。

  • 緑豊かなニュータウンを騒然とさせた9歳の少女の殺人事件。犯人として補導されたのは<ぼく>の13歳の弟だった。
    崩壊する家族、変質する地域社会、沈黙を守る学校……。
    殺人者のこころの深部と真実を求めて、14歳の兄は調査を始める。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    おうう…なんていうか、面白かったんだけど、疲れた…
    私の誰かが死んだり、その謎と苦悩…みたいなの割と苦手で…
    疲れた…

    もう最後の方とか松浦くんにキーーってなりっぱなしだったし…
    こういうのってどうしても主人公に肩入れして読んじゃうんだけど、もしこれが松浦くん視点で書かれてたら松浦くんに同情してたかも…
    そんでもって、殺された女の子の家族視点で書かれてたりしたら、カズシの事全然許せなかったと思う。

    でもって、そういうものの見方しか出来ない自分にガッカリした。
    現実に、もし、クラスメイトの兄弟が殺人者になっちゃったら、私はその人の家族と今までのように落ち着いて、そして不当な扱いから守ってあげられるか…と考えると…どうだろう…と考えてしまう。
    もちろん、積極的にいやがらせしたり、面白おかしく騒いだりはしたくないけど、はるきとか長沢くんみたいに力になってあげよう…
    とはできないかも…したいけど…たぶん…できない…
    私ぜんぜんわかんないし、関係ないから…って傍観者になっちゃうと思う。

    もし自分がジャガの立場になったら……たぶんだれも私の事知らない場所に逃げると思う。戦えない。
    無理だなあ…

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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