うつくしい子ども (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 718
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174057

感想・レビュー・書評

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  • 平凡で普通の少年の住む町で起こる猟奇殺人事件。突然街に警察、マスコミが押し寄せ騒がしくなる。そんななか、犯人逮捕。まさか弟が!? 少年犯罪のお話でした。犯行を犯した少年が捌かれるのあたりまえ。未成年なら、親の責任といわれるのもわかる。だが、その兄弟は? マスコミやネットなどで取り上げられるのは、いたたまれないです。 お話の中で、兄は殺人を犯した弟の心をしろうと、行動をします。中学生ですよ?なんて強い子なんだ・・・そして、大人さえ知りえなかった事実に辿り着きます。最期あれは、どうなんだろう・・・大人の、自分勝手な事情のエゴではないか? 真実が表に出ればもちろん更に混乱と泣く人もいるし、犯した罪が消えるわけではないけれど、殺人を犯した過程があばかれれば、更正とかの道の模索もできるのでは? 公表しないでほしいなんて、主人公の兄に重い足枷を付けただけではないのか? よくそんなことを中学生に頼めたものだと、小説とわかっていながら腹立たしかったです。

  • 児童殺人を犯した少年・その家族の行く末。本当の殺人者は誰かを問う小説。ミステリー。少年犯罪の闇を鋭い視点で描いています。
    主人公は、殺人者の兄。犯罪者の兄ということで、世間から冷たい視線をあび、学校ではいじめを受ける。報道陣に囲まれた家に戻ることはできない。両親の離婚、引越etc。それらを乗り越えながら、心から信頼できる友達もいる主人公が「弟がどうして殺人を犯したのか」を追求していく。ラストには、衝撃的な真相が明らかに。
    子どもの心の闇。操るのは誰か。家族ではおぎなえない何か。美し過ぎる子どもは怖い。主人公の強さには拍手ですが、少年犯罪の恐怖に背筋が凍りつくような小説でした。

  • 神戸で起きたあの事件を彷彿とさせる展開。主人公は犯人の少年の兄で、弟が犯した罪により、家族ぐるみで世間の批判の波に襲われる。
    外もろくに歩けず、学校でも大変な目に遭うけど、主人公は弟が「何故そんなことをしたのか」について突き詰めていく。
    犯罪者の家族については、本人が罪を犯したわけでもないのに、怒りを向けてしまうことがある……。特に、犯人が少年だった場合は。
    犯罪者の家族の立ち位置。どこまで親と子を「個」として見るか。いろいろ考えました。
    それから、もう一人の主人公である報道記者の目線を通して、報道のありかたについても面と向かって考えることになりました。
    フィクションのせいか、報道の人たちが「ここまでやる?!」みたいなシーンもあったりしたんですけど……うーん、私はこれはこれでアリなのかもしれないとも思う。
    犯罪をした本人だけでなく、家族も巻き込まれていく感じ。日本では江戸時代の懲罰からずっと、この構図は続いているのかも。

    この話では、犯罪者である弟をそそのかした存在がいたわけだけど、いじめをうけた主人公ほど苦しまずにこの世から退場してしまう。
    主人公をいじめる側に回ってた存在でもあり、この主犯が世間の波にもまれる姿も見てみたい気がした。

  • 児童殺人を犯した弟の動機を探る14歳の兄の成長物語。ミステリーとしても面白いがいろんな事を考えさせられる良作だった。弟の施設での発言はぞっとする。加害者サイドを描いた作品の中では著者の描くラストは優しすぎるくらい。

  • 東野圭吾の手紙のような作品。
    けど、それよりも、人の心の闇にフォーカスを当てている点で、異なっていると思う。あんなに凍てついた、心の闇は、誰にでもあるのだろうか。

  • 子供って残酷だ。純粋な子供は導く人によって何色にでも染まる。
    怖くて考えさせられて、それでも「お兄ちゃん」であろうとする主人公に涙した。

  • この頃の石田衣良はよかった。

  • 緑豊かなニュータウンを騒然とさせた9歳の少女の殺人事件。犯人として補導されたのは<ぼく>の13歳の弟だった。
    崩壊する家族、変質する地域社会、沈黙を守る学校……。
    殺人者のこころの深部と真実を求めて、14歳の兄は調査を始める。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    おうう…なんていうか、面白かったんだけど、疲れた…
    私の誰かが死んだり、その謎と苦悩…みたいなの割と苦手で…
    疲れた…

    もう最後の方とか松浦くんにキーーってなりっぱなしだったし…
    こういうのってどうしても主人公に肩入れして読んじゃうんだけど、もしこれが松浦くん視点で書かれてたら松浦くんに同情してたかも…
    そんでもって、殺された女の子の家族視点で書かれてたりしたら、カズシの事全然許せなかったと思う。

    でもって、そういうものの見方しか出来ない自分にガッカリした。
    現実に、もし、クラスメイトの兄弟が殺人者になっちゃったら、私はその人の家族と今までのように落ち着いて、そして不当な扱いから守ってあげられるか…と考えると…どうだろう…と考えてしまう。
    もちろん、積極的にいやがらせしたり、面白おかしく騒いだりはしたくないけど、はるきとか長沢くんみたいに力になってあげよう…
    とはできないかも…したいけど…たぶん…できない…
    私ぜんぜんわかんないし、関係ないから…って傍観者になっちゃうと思う。

    もし自分がジャガの立場になったら……たぶんだれも私の事知らない場所に逃げると思う。戦えない。
    無理だなあ…

  • 推理かと思ったらそうではなかった。実はこれが石田衣良デビュー。全体を通して淡々としていたもののさくさく読み進められた。中学生ってまだ子供だけれど、色々なことを考えているんだなあ。

  • 操り人形に殺されたからといって、そのその痛みや悲しみが減じるわけではない。
    操り人形の操り手の背中には、やっぱり人形と同じ操り糸がついていて、永遠に合わせ鏡のようにそれが続いているとすれば、結局、罪は、「社会」とかそういった巨大なものにしか向けることができなくなる。

    でも、操り人形の側でも、被害者側でもないこの視点は、とても、新鮮でした。

    その立場に、主人公は、否応なしに立たされてしまうのだけど、わたしたちや、マスコミからすると、どうしてもその部分は、見えなくなってしまうから。

    見えないものは、ないから見えないわけではなく、見ようとしないから、見えないのだと思った。

  • 最近石田衣良の作品をよく読んでいる。

    ミーハー的なきっかけだけど、みずみずしくPOPな語り手となる主人公と、そんな主人公がPOPなタッチで語る、胸が苦しくなるほどにやりきれない気持ちにさせる残酷な物語。そんな両者の関係が妙にリアルでお気に入り。

    そんな衣良作品の中の一冊「うつくしい子ども」。今までに読んだ6冊の衣良作品の中でも、もっとも残酷でやりきれない気持ちにさせる作品。

    主人公の少年は中学二年生。まだまだ少年の彼。でも自分にも思い当たる。無邪気な自分を大人の視点で分析しようと試みる年代。

    そんな少年の年子の弟、彼が自分の妹と同じ年齢の女の子を殺してしまう。それまでの物語と、その後に主人公の少年とその家族が経験する残酷な体験を描いた物語。

    物語のテーマは、主人公の少年が弟が“なぜ殺人を犯したのか”その理由を探しながら、本当の大人へと成長する過程にある。

    主人公の少年は、弟の殺人の理由を探しながら被害者である女の子に毎週、自らが摘む草花を女の子の墓石に供えることを忘れない。誰にも分からないように、そっと、だけど毎週欠かさず草花を供える。

    お詫びではない。言い訳でもない。ただ必然として自然な行動。
    やりきれない物語の中で、少年が墓石に花を供えるとき、供える花を選別しているとき、墓石の前で女の子に語りかけるとき。不思議とそんな場面で1番ホッとさせてくれる。真摯な少年の言動。

    だけど、そんな少年のデイリーワークが被害者の母親に見つかってしまう場面がある。被害者の母が少年に投げかける言葉。それは意外なほどに優しく、最もやりきれない言葉。

    「すみません、毎週勝手にお参りなんかして」(少年)

    「あなたの弟さんのことは一生許せないと思う。でも、毎週お花を供えに来てくれてありがとう。あなたのお花は、誰のものより心がこもっていた」(被害者の母)

    そういうとその女の人は、静かに泣き出した。セミの鳴き声がスギの木から降ってあたりのお墓に反射している。涙を落とさないように必死でこらえた。だってぼくには泣く資格なんてない。

    被害者の母の言葉が、あまりにも素直で悲しみと優しさに溢れていて、とてもやりきれない。泣く資格がないと涙をこらえる少年の様子が健気で。やりきれない。

    物語の中で、心無い人たちに弟の犯した罪をめぐって傷つけられ続けた少年。
    でもそんな少年が1番心に堪えたであろう言葉がこの「優しくて素直な言葉」ではないかと思う。

    ときに「優しい言葉」は、やりきれなくなるほどに心に響く。

    物語は意外な方向ではあるが、やっぱり厳しい状況のまま幕を下ろす。。

  • 読んでいて辛くなりました。
    1/8/31

  • 殺人犯となってしまった弟に寄り添うため
    ただ真っ直ぐな思いで
    周囲の変化に負けず
    真相を求めて調査していく兄。
    .
    そばに寄り添ってあげてもいいはずだ。
    あいつは、ぼくの弟なんだから。
    .
    目に見えているものだけが全てじゃないし、
    結果だけが全てじゃない。
    真実は、本人や当事者にしかわからない。
    .
    大人も子どもも、職業も立場も、
    人種も障害も、名前と形と知識が違うだけ。
    同じ人間だってことを忘れちゃいけないと思った。
    .
    タイトルに納得。

  • ぎりぎりのところでまいにちいきる10代。そこで耐えるか、耐えずに壊れるか、壊れてるけど壊れてないように見せるのか、どこでかわってくるんだろう。

  • 少年Aの兄が事件の真実に迫っていく中盤から一気に読破。
    もう少し家族の状況が描かれると読みごたえありそう。


  • 序盤、登場人物がどんどん出てきて
    頭がついていきませんでした。笑

    でもあまり問題なかったです。

    よくありそうな題材ではありますが
    奇抜なストーリーで
    主人公も素敵な男の子で
    いい作品だったと思います。

    帯にそれ書いちゃっていいの!?
    と思うようなことが書いてありましたが
    解説を読んで、なるほどなあと思いました。

  • スポーツセンターのエアロバイクコーナーに置いてあったので、こぎながらちまちま読んだ。

    実は石田衣良さんははじめて読んだ。

    この作品はちょっとやりきれなさが残るけど、悪くない。
    別の作品もいってみようかな。

  • 記録

  • あの酒鬼薔薇聖斗事件が下地となっているミステリー小説。

    「ぼく」と「新聞記者」の2人の視点で話が進んで行きます。

    悲惨な結末を迎えますが、「ぼく」の成長していく姿が見える内容で良かったです。

  • 少年による殺人事件の社会への影響・加害者の周囲の人間模様の変化・加害者家族の苦悩が描かれており重く響くものがあった。追い立てられているような焦りを感じながら読み終わった。
    弟の起こした事件により地に突き落とされたが、弟を理解しようと自分の頭で考えだした兄の話には説得力がある。それに比べ、自分で考えることを放棄した弟は、家族と共にこれからどう意識のすり合わせをしていくのか。果てしない道のりに感じた。
    題材が題材だけに後味はよくない。

  • 2013~2016 読了

  • 平成29年11月29日?読了

  • 夜の王子の壊れた感じ、生徒の統治の元で閉鎖された学舎、主人公の弟と夜の王子の関係、長沢くんの女装趣味など、お耽美好きにもそそる要素がありつつも、幻想ではなくリアリティがあり社会問題を皮肉的に書いている。

    事件の顛末はちょっとご都合主義かなーとも思ったけど、読みやすかったし、次の展開が気になるのでサラサラ読めた。

    主人公の親や家庭は、お母さんがちょっとあれなだけでまともだと思う。ただ、お母さんのちょっとな部分とお父さんのよくある適度な無関係さに犠牲になったのが、感受性の高い弟なのだろう。

    主人公とはるきと長沢くんはずっと友だちでいてほしいな。

  • 石田衣良にはいつも騙される。もちろん、良い方へ。

    これだって、ミステリーという枠組みになるんだろうけど、それだけで済む話ではない。

    何が正しくて、何が間違っているのか、なんて、とても一言じゃ言えない。

    犯罪を犯したから間違っているとか、直接手を下していないから間違っていないとか、そんな単純なものじゃない。

    これは、池袋ウエストゲートパークシリーズの中でも取り上げられている流れだけれど、法律に反していても、人間として正しいことは罰せられるべきではない、ということだ。

    みずみずしい文体と共に、心に残るテーマだ。

  • 「大人になること。 正しさの基準を外側にではなく自分自身の中に据えること。」

  • 裏表紙で誰が殺人事件の犯人かは分かってるはずなのに、どうなってしまうのかというドキドキが止まらない。子どもと大人の間の中学生が自分で決定することの大切さを知って大人になってく物語。

  • 2016.10 課題本

  • 内容的には97年に神戸で起きた児童殺害事件を連想させる。著者もそれを意識して書いたのだろうけど。
    加害者や被害者本人ではなく、加害者の兄の視点で物語を描いているという所が斬新なのだろうか?
    そもそもどこが「うつくしい」かったのか、タイトルの意味がよく理解できずだった。

  • 大人になると、子供を美化してるのかも。
    自分が子供だった頃は、美しかったと決して言えないし
    いろいろあったなー

  • 石田衣良さんの作品を久々に。
    あまり心に響かないのは今読んだからだろうか。

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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