少年計数機 池袋ウエストゲートパークII (文春文庫 い 47-3)
- 文藝春秋 (2002年5月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167174064
作品紹介・あらすじ
自分が誰なのか確認するために、まわりのすべてを数え続ける少年・ヒロキ。その笑顔は十歳にして一切の他者を拒絶していた!マコトは複雑に絡んだ誘拐事件に巻きこまれていくが…。池袋の街を疾走する若く、鋭く、危険な青春。爽快なリズム感あふれる新世代ストリートミステリー、絶好調第2弾。
感想・レビュー・書評
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トラブルシューターのマコトが主人公の作品、2作目。 ずっと心地良い。 これはミステリーの要素が少しあるマコトを描くお話なのだ。
障がいのある少年、ヤクザ、後期高齢者、身体を売る女、彼らに分け隔てなく正面から付き合うマコトにハマってしまったので次も池袋を読みます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヒロキーーーーーー!!
ドラマの際に特に好きだった回でした。
マコトが大事だと思った人のために
全力で動く姿にカッコよさを見た!
水の中の目も良いね。
IWGPの小説のなかでベスト5に入るでしょう。
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ブクロサイコー!のIWGP。
ドラマはかすかな記憶だけど凄くハマっていたような。また見返したい。アニメは見てない。
そんなんでちょっと小説もシリーズ読破していこうかと2冊目。
石田衣良さんのというか、このIWGPのマコトの話すテンポ、というかこの文章の流れも割と好きかも。
今回もマコトは事件に巻き込まれていくというか自ら関わっていうというか。
登場人物の魅力は相変わらずで、少し寂しいところもあるけれど、良い読書体験でした。 -
面白かったけど、人が死に過ぎたのでしばらく読みません。
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IWGPⅡもやっぱり脳内で
マコトを長瀬に変換して読んだ。
けっこうグロい部分もあって
辛かったなぁ
でもおもしろかった
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今作もマコトのクールさには圧倒。
こんなクールで大人っぽくて頭のキレるストリートボーイって相当なギャップ。
池袋という地で真っ直ぐ生きるのは難しいのではないかと思うくらいここは闇を感じる。
闇営業の話、組織の話、自分には縁のない話、普通に生活してれば関わることも入ってくることのない話だけれども、こういう世界が実際にあるんだと思うとゾッとするけれど、だからこそ面白いです。実際現実で見たり聞いたり当事者になったら恐ろしいけど、小説という場でこういう世の実態を知れるのは、そういう世界とのいい距離の取り方と思います。
フィクションのストーリーだけれど、内容の面白さ以前にリアリティがあってのめり込まされます。 -
最終章、水のなかの目は、たぶん東京綾瀬の女子高生コンクリート詰め殺人事件をベースにしています。私の中では、1番か2番めに凶悪な事件だと思っているので、物語の中でも、悪が完全にやっつけられてスッキリしました✨
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「醜悪な目に遭う」ことが物語上のスパイスとして使われる..
●本の概要・感想
石田衣良の人気シリーズの第2作目。池袋の果物屋の息子でありながら、便利屋として仲間たちに頼られる主人公・マコト。犯罪まがいのトラブルに取り組み、傷つきながら、解決に導いていく。
「ワルっぽい世界」が観れるのはこの作品のイイところ。マジメに生きてきた者にとって、触れられない世界や人間模様は魅力的だ。ただ、気になるのがあくまで「邪悪な」「胸糞悪い」コトがただの一コンテンツとして描かれていること。誰かが酷い目にあうことに、意味はない。その描き方が苦手だ。残酷な描写は物語を進め、各エピソードの問題を解決するまの一風景でしかないことに、違和感を持った。例えば、マコトが、拉致強姦暴行を受けた仲間の女性に応対するシーン。読んでいて、「現実だったらそのように接することができるだろうか?」と疑問がぬぐえなかった。その醜悪な体験が、あくまでもスパイス的に扱われることに、私自身は「入りこめない」と感じてしまうことが多かった。
本作のように「裏社会の人々」を描く作品として、私自身が読んだことがあるのに「ウシジマくん」がある。あれももちろん残酷なのだが、「醜悪さ」の取り扱いが中心にあるのだと、本作の対比で気づいた。物語が「因果応報」のように進むので、ひどい目にあうヤツがいても「まぁ、こいつなら仕方ねえか」と思わせられる。あくまで安全地帯から、ダークな社会の部分を観て面白がることができる。各々の登場人物が持つ「ダメさ」がゆえに「残酷な目に合う」。これが、ウシジマくんが万人に広がった理由なのだろうなぁ、と思った。一方で、本作の残酷さは理不尽だし、物語の進行に必要ということもない。ただ、ひどい奴らが出てくることで、物語を「ダークっぽく、裏社会っぽく」しているだけのように感じる。本作の物語をドライブさせる仕掛けはミステリーチックだし、「醜悪な奴がひどい目にあう」という進み方はしない。一章ごとのプロットは面白いと思うのだが、ライトに強姦とかストーカーを扱う物語は、苦手だ。