波のうえの魔術師 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3789
レビュー : 411
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174071

作品紹介・あらすじ

あの銀行を撃ち落とせ!謎の老投資家が選んだ復讐のパートナーはフリーターの"おれ"だった。マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビが挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした「秋のディール」のゆくえは…。新時代の経済クライムサスペンスにして、連続ドラマ化話題作。

感想・レビュー・書評

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  • テンポもよく、主人公たちのモチベーションには十分共感できるので面白かったです。
    でも、なんかねえ、主人公が格好良すぎるのよ。

    地方から出てきてそこそこの大学に一浪して入り、5年かけて卒業したものの半年もの間就職浪人してパチンコで日銭を稼ぐ。
    よれよれのスエットを着てちびたスニーカーを履いて過ごす毎日。
    そんな主人公が、ちょっと見ただけでオーダーメイドのスーツの出来について語り、クラシックの曲や演奏について語り、当たり前のようにその家具のデザイナーについて語る。

    そういう人がいないとは言わない。
    地方から出てきたってスーツや音楽や家具に造詣の深い人はいるだろう。
    だけどこれ、フィクションなのよ。小説なの。
    そんな主人公が、下から這い上がってきた人物だと読者は思うだろうか。
    なぜわざわざそんな人を主人公に据えたのかな。

    どうにも作者の顔がちらついてしょうがなかった。

    同じように若くてちょっと世間をかじっただけの若者が、その道のプロに導かれて偽札作りの腕を磨いていく小説「奪取」には、そんなこと感じなかったんだけど。
    もちろん作者真保裕一の顔は知っている。でも。

    かっこ悪いやつがかっこ悪く這い登っていく話だったら、もっと私は面白く読めたのにな、と残念。
    これはあくまで私の趣味ですから。
    格好良い若者が、まじめに一生懸命に株式の勉強をして恋をして世の中を知っていく話。
    どんでん返しももちろんあります。
    仕掛けはうまくいくのか、復讐は成し遂げられるのか。
    そもそも誰の復讐なのか。
    上手い小説です。

  • 面白かったけど、まあ普通。
    主人公の白戸君をかっこよく描きすぎじゃないかと。ちょっと白々しくなるような個所が多々ありました。だって、部屋に入って流れてるクラシックが、まあブラームスだとか曲名や作曲者が何だとか分かるとしても、聞いただけで指揮者(かな)が目の前に浮かんだり、初対面の人がきてるスーツを「XXXXの上下を着て」みたいなそんなわかるかって、なんか人間味ないというかかっこよすぎてしらじらしいというか、しょっぱい感じがして、こういうのは好きじゃない。

  • 実は、石田 衣良を読むきっかけになったのは、この作品のテレビドラマ「ビッグマネー」*1でした。
    まあ、あんまりテレビを見なくなってた時期だったので、かなりいい加減にしか見られてなかったのですが、なんか、気になるドラマでした。

    これに出てくる老人が、植木 等で、これが格好いいんだ。

    で、原作の「波のうえの魔術師」という原作があることを知って、読もうと思って、石田衣良に手を出したわけです。

    あれから、数年(笑)。やっと、読めました。

    老人の名前は、小塚。やっぱり、格好いいわ。

    まあ、株の話はよくわからないので、途中、「なんのこっちゃ??」っていうのはあったのですが……。

    ちなみに、これ、妹も読んでました。

    「全然、おもしろくなかったわ」

    という感想でした。
    株とか、マネーゲームに、全然理解や愛がないのは、そういう血だからかもしれません。

    でも、それなのにあの無精な人が(スマン)最後まで読んだというのはけっこうすごいなぁと思いました。
    なんか、読ませるものがあるみたいです。

  •  石田衣良らしからぬ、株式トレーディングの話。
    ある老人が、うだつのあがらない(カイジの最初みたいな)青年に声をかけて、株トレードを仕込み、バブル崩壊後融資つき変額保険の加害者ともいえる大手銀行に痛手を負わせるために2人で仕掛けていく。。。という話。
     私は数字が苦手だから株のことはわからないし興味もないけど、こういう物語は嫌いじゃない。 

     それにしても、電話1本で大金を右から左へ動かす株式の世界を見ると、仕事って一体なんだろう。。。って思う。金って一体なんだろう。

     私ももっと金を得ようとする努力をしなきゃいかんな

  • 石田衣良らしく、スピード感有。ある程度の知識さえあれば、楽しめる。もうちょっと勉強してからもう一度読みたい。

  • 石田衣良と思って期待していたら、とても良い意味で期待を裏切られる金融小説だった。
    老人と出会った若者が、マーケットのいろはを教えられ、ビッグディールに巻き込まれるーーー。
    お金を稼ぐことはいけないことなのか?
    法に触れることは本当にしてはいけないのか?法内ならば何をしてもいいのか?
    そんなことを考えたくなる作品。

  • 石田衣良作品は初めて読んだが、分かりやすく盛り上げたり落としたりしていて読みやすかった。株や経済について少し知識を持っていたから読めたが、そういったものを一切知らない状態で読むのであれば難しい表現や用語が多い気がした。主人公と老人の掛け合いや行動を通してお金についての考えが伝わってきて、また久々にFXをやってみようかなと思えた。「まだ金をつくっていない金持ち」という表現がとても気に入ったし、お金についての価値観が見直された。
    石田衣良の他の作品も読んでみようと思う。

  • 2004/12/19 めずらしく経済っぽい本を読む。 けっこう面白かった!
    石田衣良 は、雑誌のエッセイなどで読んだことがある。 これをきっかけに 別の本も読んでみたい。

     〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜

    内容 : あやしげな老紳士と就職浪人の青年が手を組んで、預金量第3位の大都市銀行をはめ殺す! 
    知略の限りを尽くした「五週間戦争」の果てに待つものは…。
    全てが市場化する世界を痛快に描く、新世紀の経済クライムサスペンス。

    著者 : 1960年東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社等を経て、フリーランスのコピーライター。
    「池袋ウエストゲートパーク」でオール読物推理小説新人賞を受賞。著書に「赤・黒」等。

  • 石田衣良さんの、若者と手ほどきの年長者コンビ&裏事情を知ったような気になれる&最後は希望を持って終わる、という構成、いつも安心できる。今回はジジィに教わる株式投資教室。読むと、題名の比喩がわかる。
    そんなにうまくいくかいな、個人投資家が何をできるんだ、と思うけれども、なんとなくわかった気がして良い。
    下町の描写もリアルで、まさに町屋にいるような気がするから地に足がついて現実味がある。

  • テンポよく、さっと読んでしまった。
    最後にちょこっとしたどんでん返しがあって、え!と思ったが、楽しめました。

  • 株に興味を抱いたことはないが、なかなか面白かった。

  • 石田衣良さんの小説で一番好きかも。

    波の上の魔術師って、そういうことかー。
    デイトレーダーとか言うんですよね?ちがう?
    波を読む、というより読んでたら間に合わないから、
    まさに魔法使いのようだ。
    職人の師弟関係のような、親子のような。

    知らない世界の話は面白い。

    まぁ、こういうお金儲けはできませんが。

  • 魔術師から1から100までの株式投資のいろはを学んだ主人公。最後は、騙されていたことにはなるがしかし、彼もまた若くに騙されたクチ。そこから学ぶもの、作っていくこともあることを主人公と私に教えてくれた。

  • とんとん拍子に話が進みすぎる。主人公が反撃に合うことがないので、スリルがない。
    毎日、株価を書き写してると、株取引の感覚が磨かれるらしい。やってみるか。

  • 前に一度読んだ記憶があるけど、再読。
    このころの石田衣良の文章は、何度読んでも流れるようで秀逸でうまいと思う。
    状況や心情や機微をしっかりと的確にとらえるが、丁寧過ぎずさらっと行ってしまうところがなんとも言えない。
    株の知識は全く何のだが、一流のトレーダーになった気分にさせてくれるが、いつもながら主人公は才能と閃きが突出していて、あまり努力しなくても成功してしまうあたりはいかんともしがたい。
    まあ、熱血努力家を書いてほしいとは思わないからそれはそれで良いのだろう。

  • あらすじ(背表紙より)
    あの銀行を撃ち落とせ!謎の老投資家が選んだ復讐のパートナーはフリーターの“おれ”だった。マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビが挑むのは、預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした「秋のディール」のゆくえは…。新時代の経済クライムサスペンスにして、連続ドラマ化話題作。

  • スピード感があり、面白い。

  • 21世紀初頭、謎の老投資家に誘われたフリーターが金融知識を身につけ、株式市場で大勝負に臨む物語。専門用語もうまく説明されていてつっかからず、ミステリ要素もあってスラスラと読めた。

  • 最初の印象は福本伸行さんの『金と銀』のような印象を受けました。

    主人公の成長が少しばかり早過ぎるような気もしますが、その分物語に疾走感が出て、次は次はとページを捲らさせられます。


    主人公は一人の老人に見出され、投資の技術と市場を見る眼が養われていく。
    銀行に騙された老人達、老人の家に出入りする右翼、外資の日本支店の代表等と主人公は出会うのだが、物語はその全ての人達に巻き込まれ、秋のディールに収束される!

    続編があっても良いと思います!

  • 「きみが身につけた値動き感覚というのは、きみ固有のもので誰も代わりになることはできない。……その重要性は経済に限るものではないと、わたしは思っている。……一国の盛衰や私企業の成長と停滞、そして私たちひとりひとりの人生にも、細かな波の上下と潮目のうねりがある。自分自身の運命について、値動き感覚を研ぎ澄ましておくのも悪くないだろう」(42頁)

  • 2016年6月3日
    就職浪人フリーターがマーケットの天才老人と出会い、過去に老人達を騙した銀行に一矢報いる成長物語。
    少し専門用語が多く理解するのが難しい部分がある。

  • 10年近く前に読んだけど、内容忘れたので再読

    パチンコに明け暮れていた就職浪人の主人公が
    1人の老人に見初められ、株価の波を乗りこなす
    ”魔術師”を目指し、マーケットという大海原に漕ぎ出る・・

    最初の読了時から年を重ね、日経も読んでいて、
    前よりも内容についていけて嬉しいというのがまず感想

    ストーリーはタイトルからわかるような
    そのままの展開だけど、起承転結がはっきりしていて
    単純におもしろく読めます

  • 石田衣良っぽくないような気もしたが、まぁ好き。上手くいきすぎてるとこがいい。トレーダー意欲高まる。

    p28 パブロ・カザルス
    p30 相場観は新聞と指数帳
    p34 現代アメリカの経済モデルはマサチューセッツ・アヴェニュー・モデル;財政・金融・通貨のポリシーミックスで景気の刺激と抑制をコントロールする
    p40 儲かりそうなあれもこれもではなく、自分が切実に感じられる一本の銘柄に絞る。そしてただ1本を研ぎ澄ます。
    p43 揺れ動く値に即応するマーケット感覚が出来たら、次に必要なのはその感覚を基にした投資技術。酒田罫線法、中源線
    p49 今の経済状況を理解するにはバブルの膨張と崩壊についての省察が欠かせない。1985年NYでの5カ国蔵相会議から勉強する。
    レーガン政権の双子の赤字→19855カ国蔵相会議でドル安誘導→円高でも日本経済は強く、国力過信に繋がる。
    アメリカの公定歩合引き下げ→87年に金利差維持のため日本も2.5%の低金利→株や地価の暴騰(低金利なので借金しやすい)→バブル崩壊で一千兆円の借金が残る
    p57 失敗を早めにリセットする。マーケット感覚を捨てない。分割投資する。
    p68 派手に目立って仕掛けるなどというのは下の下の投資。周囲に流されずただひとり別の道をいく、その勇気を持たなければとても成功はおぼつかない。
    p69 上司や教科書や時代に従順なだけの人間には投資家は務まらない。
    p103 金融工学入門書 株価は究極のランダムウォークで、過去の動きからつぎの値を予測することが不可能な純粋に気まぐれな数列

  • 投資の話で、主人公が素人からプロになっていくところが好きだ。麻雀放浪記みたいだ。

  • 意外と面白い。

    IWGPのドラマの印象で、もっとチャライ作家かと思ってましたが、文章のリズム感や、セリフと描写のバランスがよく非常に読みやすい。

    何より、この後どうなるの?って思わせる展開が上手いんだよな〜。

    期待してなかった分、満足感があったのと、さすが売れっ子作家だけあるなという感じ。

    株に関しては詳しくないのですが、結構興味深く読めたし、ラストも凄いどんでん返しはないけど、油断してた所にズドンと来るのでなかなか良かった。

    若干、株の売買や勉強や色恋が上手く行き過ぎてる感じがありますが、まーそこは小説ってことでよしとしましょう。

    なかなかオススメの一冊です。

    株に興味がある方は是非!

  • 大抵の衣良さんさくさく読めるけど、これはちょっと時間かかった。相変わらずキャラは良いし流れもすっきりしていて読みやすいけど題材が…!衣良さんてすごいな。。市場にまったく興味のない私には理解しながら読もうとすると結構大変でした。どうやって終わらせるのか心配になりながら読み進めたけど、最終的にはすっきり終わって良かったです。それにしても白戸はお利口だし、それを見抜いた小塚老人は見る目ありすぎる。

  • 就職浪人青年が天才投資家老人に拾われ市場の荒波に魅入られるはなし。
    セミパチプロだった白戸が、小塚老人の秘書としてゼロから市場に触れてから、大仕事を遂げるまでのわくわくかん。
    悪徳銀行へ復讐のため画策された経済犯罪のと結果の読めないハラハラかん。
    感情を見せない老人の過去やひととなり、右翼暴力団のキャラクターなど人間のいきいきかん。
    一仕事を終えた二人のその後はふたりらしくてとてもよかった。

  • 投機をやったことがある人なら、きっと3倍面白い。
    ドラマ「ビッグマネー」の原作。ドラマの方が好き。

  • 投資のことを扱っていると聞いていたので読んでみたんですけれどもまあ…小説的な面白さよりもアレですね…色々と勉強になったかな、と! といった感が強かったですねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    空売りとかねぇ…自分は現物取引しかしていないのでその仕組みがよく分からなかったんですけれども、これは株の本とかで再度勉強することにいたしましょう…。

    んー…まあ、エンターテイメント小説なのかな、これは…開設では青春小説でもある、みたいなことが書かれていたような気がするんですけれどもまあ…しがない青年にたまたま投資の才能があったよ♪♪♪ ということを誇示する小説でしたね…おしまい。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 大学生ぶり

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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