反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークV (文春文庫 い 47-9)
- 文藝春秋 (2007年9月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167174125
作品紹介・あらすじ
今日も池袋には事件が香る。風俗スカウト事務所の罠にはまったサンシャイン60階通りのウエイトレス。伝説のスターが設立を夢見るロックミュージアムの真実。集団自殺をプロデュースするインターネットの"クモ男"-。ストリートの「今」を鮮やかに描くIWGPシリーズ、切れ味がさらに増した第5弾。
感想・レビュー・書評
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ちょうどいい話の長さで、読み応えもありました。ドラマが凄く好きで、小説があったことに驚き読み始めましたが、ドラマではおちゃらけ具合が怖さを引き立ててるキングも、小説では氷のような冷たい言葉で端的に話クールな男。まこっちゃんなんてクラシック聴いてコラムニスト!と最初は驚きながらも、これはこれで凄く楽しかったです。キングとタッグを組んでいろいろな事件を解決していく様はかっこよかった。
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IWGPシリーズの5作目。
4つからなる中編小説。
リアルな話ばかり。
人と人との繋がりって大切だな。 -
かれこれ何年振りか、シリーズの続きを会社の方に貸して頂き久々この世界へ。
40代のおばちゃんには、この本の世界は若々しく、初々しく元気があってとても楽しく感じられた。
以前読んでいた頃は20~30代で、割と等身大で読んでいた気がするのだが、今はもうマコトのお母さん目線(笑)
マコトのお母さんの振る舞いが実に清々しい(^^)
テンポも良くてサクサク読めてしまう。
中高生にも楽しく読める作品なのではないかな。 -
すごく性と死の話だった、あとマコトが一杯食わされて終わったの初じゃないか?味があって良かった。
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スカウトマンズ・ブルース
IWGPだなあって話
伝説の星
いつもと形成逆転の話
死に至る玩具
ニッキー人形の話
今の日本でも聞いた覚えがあるなあ
反自殺クラブ
うーん重い。人が死ぬ話は好きじゃない -
魔笛
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少しマンネリしてきたけど、マコトの魅力は健在!
トラブルシューターとしての立ち回りは強かな反面、女には純なところも好感を持てる。
ただ、マコトなら作中の女の子を全員落とせるのに勿体無い気もする。 -
「スカウトマンズブルース」は、風俗店のスカウトを務めるタイチという少年と、彼にあこがれるしのぶという少女をめぐる事件をあつかっています。けっしてつまらないというわけではないのですが、いつものようにタカシとサルの協力を得ながら、ストリートで起こる事件をマコトが解決にみちびくという内容で、正直なところ既視感もおぼえはじめています。
「死に至る玩具」は、中国の過酷な労働環境のもとで働かされ死んでしまった姉をもつ、紅小桃という中国人の女性に、マコトが協力する話。
「反自殺クラブ」は、ネットを通じた集団自殺を止める活動をしているミズカたちの依頼を受けて、マコトが自殺サイトの管理人を追う話。著者があつかおうとしているテーマそのものは理解できるのですが、テーマの多面性を結末で明かそうとする意図が露骨で、途中のマコトたちの熱意が無駄に空まわりさせられているように感じてしまいました。 -
自殺とか、裏切りとか、地面師とか、普段の日常ではもうあまり目にしない光景をこの小説を読んでると想像できる。
ストーリーは毎回似ている部分もあるけど、僕はこの石田衣良さんの言葉が好きです。比喩とか例えが用いられているのですが、そのセンスが抜群にいい。
そして結構、いろんなことを考えさせられる小説でもある。面白くてすぐ読んでしまいました。 -
よみやすさ2
おもしろさ1
また読みたい1 -
最後の短編は刺さった。多分IWGPシリーズで一番印象に残った話。ちょっと泣きそうになった。自殺する人間について外側からかかわる人間視点の話だけど、やっぱり残された人間の心情描写が素晴らしい作品はいいよね。たぶん自殺する人間に寄り添った語りの話もたくさんあるんだろうけど、夏目漱石の「こころ」にせよ小説ってのは消えていく人間のすべてを描写することではなくて、それは謎に包みながらも、残された人間のやるせなさとかが描かれるべきなんだなと思った。
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再読。
2021/2/5 -
IWGPの5巻。
おれはいつも長瀬を被せながら、IWGPを読んでいる。
マコトは長瀬、キングは窪塚だ。
マコト口調になってしまったが、5巻目も変わらない作風で楽しませてもらいました。若者の価値観、東京での流行をきちんと作品におさめ、なおかつ、真島誠のトラブルシューター力を奇想天外に描くこの作品はいつも楽しませてくれます。4つのストーリーが収録されてるが、『反自殺クラブ』と『スカウトマンズブルース』が実際にありそうな話で、内容に引き込まれた。 -
今まででは一番つまらなかったな。全体的に雑というか、主人公の力にちからが無いかんじ
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IWGPシリーズ第5弾
「スカウトマン・ブルース」スカウトマンのトラブルの話
「伝説の星」大スターの土地の詐欺事件の話
「死に至る玩具」中国の工場で待遇改善を目指す話
「反自殺クラブ」集団自殺を止めるためのクラブの話
自殺、死に関する重い話だが、今回も安定のマコトの活躍である -
本作も例によって一冊に4篇を収めた体裁である。
“スカウト”という仕事に携わる若者が巻き込まれたトラブルをどうにかしようとする物語…往年の大人気シンガーが関わってしまった一件を巡る物語…大人気の玩具の製造工程の裏に在る問題を告発しようとする物語…ネットの掲示板で人を募って集団自殺をすることを仕掛けている謎の人物の正体を暴いて阻止しようとする若者達の物語…そういう4篇である。
本作は、発表された時代の新しい風俗、新奇に見える事象を採り入れるようにしている。そういう意味で、年月を経てから作品に触れると、発表当時に新奇であったモノが古い感じに視える場合がないでもない。が、発表年次と無関係に、このシリーズの新旧作品をドンドン読んでいるが、そういう辺りは然程気にならない。劇中人物達が使うモノに言及が在った際に、「XX年頃だな…」と気付くというだけのことだ。
本作は、発表された時代毎の新奇に見える事象等を巧みに採り入れてはいるのだが、「時代を超える魅力」を有していると思う。市井の、特別な地位や立場という程でもない若者が、何やらのトラブルをどうにかすべく奔走してみるという様子を介して、「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」というような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれない何か」を供してくれるような気もするという辺り、「面倒な時代かもしれない。それでも生きる俺達…」という「人生の価値」を問うような感じが魅力のように思う。
この第5作の中、秀逸だったのは4つ目の篇である、表題作ともなっている『反自殺クラブ』だった。
少し前、何時であったか読んだ週刊誌に在った、何方かのエッセイ、またはインタビューの口述筆記に在ったのだが「感染症で命を落とす人よりも、自殺者の方が余程多いのでは?」という事実が間違いなく在ると思う。それはこの小説が発表された頃の前も後も、そして極最近も残念ながら余り変わっていないのかもしれない。だから、この作品が少し考えさせられたのだ。
主人公のマコトを訪ねて若者達が現れた。マコトは彼らの活動への協力を依頼された。
その活動というのは…ネットの掲示板で人を募って集団自殺をすることを仕掛けている謎の人物の正体を暴いて阻止しようということであった。そして若者達は、親が自殺してしまった経過が在る“自殺遺児”という共通項を持っていた。
若者達は、自分達のグループのことを“反自殺クラブ”と称していて、それが物語の題名にもなっている。この若者達とマコトの行動、事態がどういう具合になるのかに関しては、是非とも本作を紐解いて頂きたい。意外な展開にも少し驚く。
それにしても…命は命を有する者自身のモノであるが、同時に周辺の多くの人達が、殊に身近な家族のモノでもある。そんな「命?その価値?」というようなことを深く強く考えさせられた。
何れにしても広く御勧めしたいシリーズだ! -
スカウトマンズブルース
この仕事をしてると、なぜかそうじゃない周りの女の子も風俗嬢になっていく
関係が近ければ近いほど
そんなことを思い出した一話でした。 -
一年待っても入手できないので、第四巻を飛ばしてこの第五巻を先行( ´ ▽ ` )ノ
なんの違和感もなかった( ´ ▽ ` )ノ
相変わらずカッコつけすぎでムダ(寒いギャグ)の多い文章で、テンポが非常に悪い(>_<)……でも、いつの間にか脳が余計な部分をスキップするテクを覚えたから、その点はもう大丈夫( ´ ▽ ` )ノ
最大の問題は、第三巻のレビューでも書いたとおり、あまりにもチートな主人公の設定……(´ε`;)ウーン…
どの作品も、タカシ&Gボーイズが出てくると とたん話がつまんなくなる(>_<)
あいつらが絡むと、どんなトラブルでもなんの支障もなく完全解決することが確定しちゃうんだもの……(´ε`;)ウーン…
デウス・エクス・マキナ?
こういうの、ほんといらない(>_<)
ドラマを骨抜きにする(>_<)
石平先生、まことちゃんに対してあまりにも過保護(>_<)
ハードボイルドの主人公はもっと孤独であってほしい(>_<)
ギャングとか警察とかに頼らず、独力・捨て身で問題に立ち向かってほしい……であればこそ、手に汗握り、彼を応援できる……一件落着に至らずともいいんだ。結果よりも過程がだいじ……(´ε`;)ウーン…
タカシと手を切れ、まことちゃん( ´ ▽ ` )ノ
あらゆる意味で、彼らはキミとキミの物語をダメにしているぞ( ´ ▽ ` )ノ
表題作は、いつ出るかいつ出るかヒヤヒヤしながら読み進めていたから、結局ヤツラが登場せずに終わってホッとした( ´ ▽ ` )ノ
まあ、ミステリーとしては最初からネタ割れしててイマイチだけど、題材の取り上げ方はよかった( ´ ▽ ` )ノ
解説にあるとおり、その時その時の風俗記録としては大いに存在意義のあるシリーズ( ´ ▽ ` )ノ
気が向いたら、また続きを読もう( ´ ▽ ` )ノ
(ブックオフの書棚にはあんまり並ばなくなってるんだけどね、このシリーズ)
2019/06/26
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[スカウトマンズ・ブルース]
女にモテるスカウトマンのタイチ。そのスカウトマンに振り向いてもらうために、やばい風俗に手を出してしまう女。
マコトはGボーイズに手を借りたち、サルの名前を借りたりして事件を解決する。サルも偉くなった。
タイチの言葉を見るに、石田衣良は女性にモテるんだろうなと思う。まぁ、今までの書きぶりからしてもそうだろう。
[伝説の星]
はるか昔に売れた、一発屋の歌手である神宮寺が、ロック博物館を作るというので手伝う。神宮寺は巧妙に全てを騙して外国へ行ってしまう。
コメディでも通用しそうなキャラクター。明るくて爽やかだった。
[死に至る玩具]
中国の玩具工場で、姉が過労死したので日本にきて、どうにかしようという考えは、かなり行き当たりばったりだ。
マコトは買い物で発生するバタフライ効果で、人が死ぬかもしれないと言っていたが、今回の告発文で日本人が死ぬかもしれないじゃないかと思った。物事に繋がりがあるのなら、自分の目の前の人だけではなく、敵側にも生活はある。自己満足に過ぎない。
根本的に解決するのであれば、工場側や党を変えないと何も意味がない。日本で働いているサラリーマンに詰め寄ってもしょうがない。結局、人形開発は中止になるだろうけど、中国の工場では違う仕事が入って、相変わらず劣悪な環境で人は死ぬだろう。
小桃は正義を求めたいと言っていたので、実際のところは頭で理解していたとしても心が許せないのだろうから、こんな現実的な机上の空論は意味をなさない。
ただ、読んでいて、その辺りの精神状況を語ってなかったので少し引っかかった。
[反自殺クラブ]
自殺を促すスパイダーを追う反自殺クラブ。
辛い過去があって、同じ目にあっている人を救う集団は美化して描かれやすい。だが今作では、コーサクも言っていた通り、スパイダーも反自殺クラブも、自殺を通してでしか世の中と関われない。そのような状況は正常ではない。
自殺を身近で見た者は、一生闇を抱えてしまうのかもしれない。それは医師である白木も同じだった。患者の死を消化できなかった。自殺を考えすぎて、辛くて考えるしかなくて、どれが正しいのか分からなくなったのだ。
安楽死を認める国もあるし、その制度で死んだ人はとてつもない闇を抱えて、生きているのがギリギリだった。
制度の上で死を選ぶのと、日本での自殺では、残された者の悲しみは違うと思う。天寿を全うして亡くなった人に対しては理解が及ぶとしても、自殺はそうではないだろう。簡単に納得できることではない。
結局はマコトが思った通りに、生きている人間の方が魅力的だ。死に憧れるなんてやめた方がいい。 -
このシリーズはどれを読んでもテンポが良くて面白い。
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ちょっとしんどくなってきた
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★2008年12月28日 109冊目読了『IWGP(池袋ウェストゲートパーク)? 反自殺クラブ』石田衣良著 評価B+
前作のIWGP?に比べると何となく描き込みが丁寧になり、やや復活している気がする。
スカウトマンズブルース:天性のスカウトマン タイチと彼に惚れたシノブを助ける真島誠 評価B
伝統の墓:一発ヒット屋のおやじロッカー神宮司を地面詐欺から救ったつもりが、おやじはしっかりと稼いでトンズラ。評価B
死に至る玩具:大人気の中国華南生産の人形ニッキーZのウラにある過酷な工場の改善を求めて中国から渡ってきた紅小桃(ホンシャオタオ)を助ける真島 評価A ここ華南に働く私には非常に身近な題材を上手に扱っている。玩具工場の労働環境は実際ホントに酷いと聞いている。この秋次々と倒産している玩具メーカーはこの類。
反自殺クラブ:自殺サイトで志願者を集めて確実に自殺へ追い込む通称スパイダーを追い込む反自殺クラブのメンバー。その過程では大切なメンバーが自らの意志で自殺を実行。追い詰めたスパイダーも。。。。。そのうらで意外な人物が浮かび上がる。 評価A -
既刊に比べて社会問題色が強い作品が多いように思う。ちょっと重いし、マコトのいい意味でのバカさ加減が若干弱いかな。相変わらずの題名のセンスが最高!
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今日も池袋には事件が香る。
風俗スカウト事務所の罠にはまったサンシャイン60階通りのウエイトレス。
伝説のスターが設立を夢見るロックミュージアムの真実。
集団自殺をプロデュースするインターネットの“クモ男”―。
ストリートの「今」を鮮やかに描くIWGPシリーズ、切れ味がさらに増した第5弾。 -
おれたちはいつだって、探しているものしか見つからない
安物は誰かを安く買ってるだけかも
輝くためには燃えなきゃならない
そこにいるだけで、人間って風とか光とかなんかを周囲にはなってるんだ
2016-7-4