灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2998
レビュー : 175
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174132

作品紹介・あらすじ

池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。"まだ人を殺してない人殺し"マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。

感想・レビュー・書評

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  • 2013/04/18読了

    IWGPシリーズ6 エンターテイメント小説は時間を忘れて読めるからいいね。シリーズ化することで、これまでに登場した人物や事件も絡めてくるから、尚更ファンにとってはたまらない。

    <灰色のピーターパン>
    "インストール"に似た感じ。
    頭の使い方一つで、子どもでも楽に大金を稼ぐことができる時代なのだから、なんだか虚しく思ってしまうマコトの気持ちもわかるな。
    まさか春麗が出てくるとは。
    子どもが帰る場所「親」が、ラストにあるっていうのがいいね。

    <野獣とリユニオン>
    今作で一番好きなエピソード。
    妹にしてみれば煮え切らないところもあるかもしれないけれど、最も美しい終結の仕方だったと思う。人を許す、認めるということはきっとこういう覚悟と心意気がなければできないのだ。

    <駅前無許可ガーデン>
    Gボーイズ&ガールズとは一体何者なんだろうかと常々思うけどそれは無粋かな。
    サリンジャーの『ライ麦畑で捕まえて』 のキャッチャーミットの話が出たのはちょっと嬉しかった。色んな解釈があるけれど、私はこの作品で提示された解釈が好きだから。
    日本は闇の淵の不条理しかなくて、それこそキャッチしてもらわなければ救われないようなものだ。それが子育てとか、親という責任的立場にある、ともいえる。
    "母" としての笑顔のくだりがお気に入り。

    <池袋フェニックス計画>
    シビルウォーのように、緊迫した空気感こそIWGPっぽいなと思う。
    革新の後ろには傷が生み出される。それを知らずに革新を進めれば、精神的にも物理的にも、弱者の死体だらけになってしまうのだ。
    エリートはそれを知っている。見ないフリを決め込んでいるだけなのだ。
    心苦しいシーンもあったが、計画が動き始めてからは爽快だったね。現実の日本でも完全に遂行できるはずのない排除・消毒がまかり通っているふしがあるから、何ともいえない気持ちにはなったけど。

  • ★★★★☆
    野獣とリユニオン、駅前無認可ガーデンが入っていたから4★

    宮藤官九郎脚本で猛威を奮ったテレビドラマの原作。クドカンだからあーなったし、だから猛威を奮ったと思う。
    視点は、「携帯電話やパソコンと同じようにデリヘルもモデルチェンジしているようだった。なにもかもそんなスピードで変わらなくても、おれはいいと思うんだが。(池袋フェニックス計画p217」同様に多様化若年化する社会問題への風刺。

  • またまた安定のIWGP。

    窪塚洋介のキングも良かったですが、段々小説のキングもいいなと思います。

    野獣とリユニオンが面白かった。
    池袋フェニックス計画ではサルが活躍。

  • 灰色のピーターパン
    小学五年生の子供がマコトに仕事の依頼。健気な理由でパンチラ写真を売りまくるチグハグな子供とマコトとの交流。説教臭くないけど子供の心を入れ替えさせるマコトとの交流は微笑ましい。
    サルとの友情もいい。
    野獣とリユニオン
    凶悪犯と被害者の話。裏の事情を解き明かし、誰も傷つけずに問題を解決するマコト。被害者の言葉に感動。現実にここまで割り切れる奴がいるのだろうか。吉岡やタカシも出てきて、いい味出してる。でも、いい話だね。
    池袋フェニックス計画
    風俗に流れた姉の救出依頼から、大きな事件へ。色々あったが、最後はマコトらしい裁きで、終わる。後味は悪くない。こういう結末があってもいいかもね。
    駅前無認可ガーデン
    こういう世界もあるよね。お水の皆さんも大変だもの。

  • 再読。 2018.12.15

  • [灰色のピーターパン]
     盗撮画像を売り金を稼ぐ小学生。その辺に転がっている大人より頭が良い。マコトはミノルがチンピラに脅されているのを救う。
     丸岡はクレイジーな奴。サルの伝手でぼったくりバーで嵌める。こんな奴でも本職には敵わない。
    [野獣とリユニオン]
     兄の足を潰したケダモノの、足を潰してくれという依頼。とりあえずマコトは話を聞くのが偉い。
     加害者を許す。加害者も人間だというテーマだ。現実ではこんな簡単にはいかないだろうけど、綺麗事でもこういう話は大事だと思う。
     でも、良い人は大抵損なので、そこをどう折り合いつけるかが大事。
    [駅前無認可ガーデン]
     先代キングからの依頼。Gボーイズって歴史が長いんだと初めて知る。ギャング団の元リーダーが幼稚園をやっているなんて面白い。
     職員が幼児性愛車だと思われているので、元凶であるロリコンを捕まえる話。
     ホステスのジュリが子供を放っておいて遊んでいるのを見ると、貧困が貧困を呼ぶ理由が分かる。何も考えたくないんだろうな。本でも読んだら良いと思う。
     そして変態の性癖は治らない。なぜだろうか?
    [池袋フェニックス計画]
     池袋を綺麗にする計画が副知事によって施行される。それによって繁華街からは人が消えた。ニュースでは焼け野原を見て綺麗になったという。真島フルーツも売上減。
     田舎の農家の外国人研修生問題もそうだが、外国人を日本で働かさせるのは問題がたくさんある。繁華街の風俗も同様だろう。安い金で外国人を働かせているが、結局は持ちつもたれずの関係なのだ。そこを無視して、綺麗にすればいいんでしょ、と一掃したからって上手くいくわけはない。フェニックス作戦は、街を一から作るように真っ白にして、そこから作っていく作戦なんだ。綺麗すぎる街づくりは、得てして焦土的になる。
     今回のマコトは警察もヤクザも地元住民も全てを使って、とてつもない采配を披露した。どんどんスキルが上がってくるが、相変わらず果物店員のままだ。ずっと変わらないんだろうな。

  • あいかわらず軽快に読めていい/ 

  • マコトの扱う事件がどんどん大きくなってきて、個人的にはこれじゃない感。珍しく人死にがでなくてよかったし、面白いのは面白いのだけど。
    しかし本当に題名のセンスがすごくよい。それだけでかなり満足。

  • 池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。
    盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。
    “まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?
    街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。

  • 毎回良くもここまでテンポの良い清々しい幕切れの
    短編が思い浮かぶものだと感心してしまう。

    読み終わってそれほど心に残る物語というわけでもないのだが、
    このシリーズは短い時間でサクサク読めてしまい、
    後味が抜群に良い。

    所謂、水戸黄門の後味(*^-^*)

    シリーズ6冊目にしても、衰えるどころか
    あらゆる人を味方に引き込んで、マコトの魅力はさらに大きくなっているのではないだろうか。。。

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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