灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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本棚登録 : 3021
レビュー : 176
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174132

作品紹介・あらすじ

池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。"まだ人を殺してない人殺し"マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。

感想・レビュー・書評

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  • IWGPシリーズの6作目。
    今回は「野獣とリユニオン」「駅前無認可ガーデン」が良かった。
    マンネリ感をあまり感じないのは、時代背景が生きている(動いている)からだろうか。
    そういう意味では、一刻も早く最新作に追いつきたいものだ。

  • 灰色のピーターパン
    小学五年生の子供がマコトに仕事の依頼。健気な理由でパンチラ写真を売りまくるチグハグな子供とマコトとの交流。説教臭くないけど子供の心を入れ替えさせるマコトとの交流は微笑ましい。
    サルとの友情もいい。
    野獣とリユニオン
    凶悪犯と被害者の話。裏の事情を解き明かし、誰も傷つけずに問題を解決するマコト。被害者の言葉に感動。現実にここまで割り切れる奴がいるのだろうか。吉岡やタカシも出てきて、いい味出してる。でも、いい話だね。
    池袋フェニックス計画
    風俗に流れた姉の救出依頼から、大きな事件へ。色々あったが、最後はマコトらしい裁きで、終わる。後味は悪くない。こういう結末があってもいいかもね。
    駅前無認可ガーデン
    こういう世界もあるよね。お水の皆さんも大変だもの。

  • 再読。 2018.12.15

  • [灰色のピーターパン]
     盗撮画像を売り金を稼ぐ小学生。その辺に転がっている大人より頭が良い。マコトはミノルがチンピラに脅されているのを救う。
     丸岡はクレイジーな奴。サルの伝手でぼったくりバーで嵌める。こんな奴でも本職には敵わない。
    [野獣とリユニオン]
     兄の足を潰したケダモノの、足を潰してくれという依頼。とりあえずマコトは話を聞くのが偉い。
     加害者を許す。加害者も人間だというテーマだ。現実ではこんな簡単にはいかないだろうけど、綺麗事でもこういう話は大事だと思う。
     でも、良い人は大抵損なので、そこをどう折り合いつけるかが大事。
    [駅前無認可ガーデン]
     先代キングからの依頼。Gボーイズって歴史が長いんだと初めて知る。ギャング団の元リーダーが幼稚園をやっているなんて面白い。
     職員が幼児性愛車だと思われているので、元凶であるロリコンを捕まえる話。
     ホステスのジュリが子供を放っておいて遊んでいるのを見ると、貧困が貧困を呼ぶ理由が分かる。何も考えたくないんだろうな。本でも読んだら良いと思う。
     そして変態の性癖は治らない。なぜだろうか?
    [池袋フェニックス計画]
     池袋を綺麗にする計画が副知事によって施行される。それによって繁華街からは人が消えた。ニュースでは焼け野原を見て綺麗になったという。真島フルーツも売上減。
     田舎の農家の外国人研修生問題もそうだが、外国人を日本で働かさせるのは問題がたくさんある。繁華街の風俗も同様だろう。安い金で外国人を働かせているが、結局は持ちつもたれずの関係なのだ。そこを無視して、綺麗にすればいいんでしょ、と一掃したからって上手くいくわけはない。フェニックス作戦は、街を一から作るように真っ白にして、そこから作っていく作戦なんだ。綺麗すぎる街づくりは、得てして焦土的になる。
     今回のマコトは警察もヤクザも地元住民も全てを使って、とてつもない采配を披露した。どんどんスキルが上がってくるが、相変わらず果物店員のままだ。ずっと変わらないんだろうな。

  • あいかわらず軽快に読めていい/ 

  • マコトの扱う事件がどんどん大きくなってきて、個人的にはこれじゃない感。珍しく人死にがでなくてよかったし、面白いのは面白いのだけど。
    しかし本当に題名のセンスがすごくよい。それだけでかなり満足。

  • 池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。
    盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。
    “まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?
    街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。

  • 毎回良くもここまでテンポの良い清々しい幕切れの
    短編が思い浮かぶものだと感心してしまう。

    読み終わってそれほど心に残る物語というわけでもないのだが、
    このシリーズは短い時間でサクサク読めてしまい、
    後味が抜群に良い。

    所謂、水戸黄門の後味(*^-^*)

    シリーズ6冊目にしても、衰えるどころか
    あらゆる人を味方に引き込んで、マコトの魅力はさらに大きくなっているのではないだろうか。。。

  • この巻は、話の内容も構成もよかった。

    女子高生のスカートの中を盗撮しては、画像を売りさばく小学生。
    それを知った高校生が、俺たちも仲間に入れろと言いだし、さらには常識も何も通じないクレイジーな男までが介入してきて…。「灰色のピーターパン」

    通り魔に襲われ、一生治らない傷を負わされ夢をあきらめざるを得ない兄。
    その仇を取ってくれ。同じ傷を負わせてやってくれとまことに頼む妹。「野獣とリユニオン」

    頻発する幼児いたずら事件。
    駅前無認可保育園で働くテツオはただ子どもたちをかわいがっているだけなのに、いたずら事件の犯人だと疑われて…。「駅前無認可ガーデン」

    3作は、誰の身近にも起こりうる事件。
    マコトの考える解決というのは、法的にどうこうではなく、彼らの心が穏やかでいられるようにすること。

    例えば「野獣とリユニオン」
    「やられたやりかえす!」「倍返しだ!」
    不幸の連鎖は終わらない。
    だけど。
    決して簡単なことではないけれど、断ち切らなければならない。
    「相手を人間じゃないものにして、怖れたり憎んだりし続けるのは、きっと自分の心のためによくないと思う。(中略)憎しみの場所にいつまでも立っていたくない。まだあいつが憎いけど、それを越えていきたい」

    加害者もまた弱きもので被害者であったと知った時の兄ツカサ。
    「きみの罪は消えることはないだろう。でも、ぼくはきみという人間を許すことにする。(中略)いつまでも、きみを憎んでいたら、ぼくの明日が始まらない。握手だ」
    いや、言えませんよ、こんな聖人みたいなこと。
    でも、言える人間でありたいと思うじゃないですか。

    そして最後の「池袋フェニックス計画」
    ほかの3作よりやや長めのこの作品は、東京都と警視庁を相手にマコトが戦うんですね。
    正論だけど正解じゃないこと。
    街の治安をよくするという名目で、地元の人たちの生活すら圧迫していく『池袋フェニックス計画』
    正論だけじゃ人は生きていけない。
    強者の理論に押しつぶされそうな人たちを、マコトはどう救い出すのか。

    一冊の中に1編、こういう骨太の話が入っていると、読後の満足度がぐっと上がる。

  • 灰色のピーターパン
    野獣とリユニオン
    駅前無許可ガーデン
    池袋フェニックス計画

    一番すっきりしたのは灰色のピーターパン。感動はリユニオンかな。テーマも重かった。みんながちゃんと反省してくれれば良いのにね。

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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