灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫 い 47-10)
- 文藝春秋 (2008年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167174132
感想・レビュー・書評
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「灰色のピーターパン」一番好きかもしれない(全部好きだけど)
"おれは今年の冬がうんと寒くなればいいなと思った。なあ、理由はあんただってお見とおしだろ。寒いほど、生きもの同士の距離は縮まるものだ。"
(マコトぉォ、、)
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読後感はコミックなのにしっかり小説の内容量があって毎度読んでいて嬉しい。どうしようもなさを抱えたまま終わる話も好きなんだけど、この巻は全編グッドエンドで終わる話ばかりで、これもこれで好きだなと感じた。
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よみやすさ2
おもしろさ2
またよみたい1
野獣とリユニオン -
10代で熱狂して、20代半ばでこんなものは子供騙しだったと悟った気になる。
池袋シリーズは子供騙しの3コードパンクみたいなものだ。
そして30代になり、それを作り続ける大人がどれほど素晴らしく、また、羨ましい事だということに気付かされる。
シンプルで、誰もの胸を打つ作品というのは、受け手に「これなら自分にも作れる」という気にさせる力がある。当然、勘違いなんだけど。
この小説の魅力は登場人物と時代の描かれ方。
シリーズを通して、改めて読み返していると失いかけていた10代から20代の記憶が鮮明に蘇ってきて、不思議となんだか活力も漲ってきた。
ここ数年、同じ様なことばかり書いてある、ビジネス書と呼ばれるものばかり読んでいて一度は離れてしまった池袋。(というより小説全般)
空想に耽る時間が無駄だと考えたのは間違いだった。クソみたいな啓発本を何冊も読むより、(例えフィクションでも)誰かの人生に深く触れる事の方がよっぽど有意義だ。
ああ、戻って来れて良かった。
私は、たまたまマコトと同世代として存在出来た事に感謝している。 -
これも4篇が一冊に収まるという体裁で纏まっている…
“訳アリ”な小学5年生が、一部に悪名高い凶悪な男に強請られている一件の解決を目指す物語…通り魔的に強盗傷害の罪を犯してしまった若者と、被害者の青年、その妹を巡る物語…夜の街で働く女性に向けた無認可の保育所でアルバイトをする若者に向けられた、幼児性愛者による事件に関する疑いを晴らそうとする一件の物語…ホストクラブにハマって借金をしたことから、半ば監禁で風俗の仕事をする羽目になっている姉を助けてという依頼から拡がる、街で進んでいた動きを巡る一件の物語…というような4篇だ。
今般は各篇、何れも「このシリーズらしい!」という感で、なかなかに面白い。殊に2篇が気に入った。
通り魔的な強盗傷害の被害で、完治が望めない怪我を負った青年の妹が主人公のマコトを訪ねるという辺りから物語が動く『野獣とリユニオン』は、何か心動かされる挿話だと思った。
「街の浄化」というような活動が起こっている最中、「何かおかしい?」を探りながら、依頼人の姉の問題をどうにかしようとする『池袋フェニックス計画』は、状況が二転三転して「どうなる?!」と少し続きが気になって、力が入った…
話しを持ち込む人、関係者からとにかく話しを聴き、各々の立場の人達に可能なように寄り添いながら奔走するマコトの姿が、「どうしてこういう時代になっている?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」と問うような感で、更に「人生の価値」のようなモノを問うているように感じる。
とにかく、このシリーズを酷く愉しんでいる昨今である… -
池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。
盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。
“まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?
街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。 -
今のところ6作目が自分のベスト。フェニックスが最高だな。こんなに上手くいくのか、そりゃあ小説だからだと思うが、上手くまとめたストーリー展開は凄い。サクサク読めた。
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良い話ばかりだった!
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IWGPを久しぶりに開いて、マコトの魅力に一気読み。
非合法ビジネスマンの小学生、被害者と加害者の握手、前キングの無認可保育園、外国人、風俗殲滅計画の撃退。
特に頭二つの話が好き。
灰色のピーターパン/野獣とリユニオン/駅前無認可ガーデン/池袋フェニックス計画