灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫 い 47-10)
- 文藝春秋 (2008年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167174132
作品紹介・あらすじ
池袋は安全で清潔なネバーランドってわけじゃない。盗撮画像を売りさばく小学5年生が、マコトにSOSを発してきた。"まだ人を殺してない人殺し"マッドドッグ相手にマコトの打つ手は?街のトラブルシューターの面目躍如たる表題作など4篇を収録したIWGPシリーズ第6弾。
感想・レビュー・書評
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IWGPシリーズ6作目。
この巻も、
表題作や池袋フェニックス計画など
シリーズの中で記憶に残る話が入ってます。
灰色のピーターパン。
今思うと、タイトルがすごく秀逸ですね!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
IWGPシリーズの6作品目。
4編の短編からなります。
今回は全体的に平和でした。
死人も出なかったし。
「着実に、忍耐強く、賢くあれ」
一番好きな言葉。
世の中、人と向き合うっていうことが大事なことなのかもしれませんね。 -
「池袋フェニックス計画」がお気に入り!
依頼されたトラブルを収拾しながら、池袋の街全体を苛政から救うため奔走する話。
これくらいスケールの大きな話の方が、IWGPシリーズの空気感とあってると思う。 -
「灰色のピーターパン」一番好きかもしれない(全部好きだけど)
"おれは今年の冬がうんと寒くなればいいなと思った。なあ、理由はあんただってお見とおしだろ。寒いほど、生きもの同士の距離は縮まるものだ。"
(マコトぉォ、、)
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四話目でおふくろさんが最終兵器として出てくる展開が熱かった。しかし韓流ブーム懐かしすぎるな…世相を反映している小説だ…
マコトが本気になるタイミングが依頼人の件じゃなくて「知り合いが脅かされたから」というのが良かった。 -
表題作よりも許すことの強さをテーマにした「野獣とリユニオン」のが良かったかな。エンタメとしてはラストの「池袋フェニックス計画」が良かった
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IWGPシリーズ第6弾。
「灰色のピータパン」小学生のパンチラ画像販売の話。
「野獣とリユニオン」夢を持った兄妹がカツアゲによって、夢と身体を壊された話。
「駅前無認可ガーデン」無認可保育園の話。
「池袋フェニックス計画」池袋風俗絶滅作戦の話。
ネットの台頭により今や年齢に関係なくお金を稼ぐことが出来るようになった!池袋フェニックス計画で、最後に珍しくマコトに女が出来て、たまにはいい思いもしないとね(笑)と思う。しかし政治家と暴力団は裏で繋がっていたとは恐るべし。 -
毎回良くもここまでテンポの良い清々しい幕切れの
短編が思い浮かぶものだと感心してしまう。
読み終わってそれほど心に残る物語というわけでもないのだが、
このシリーズは短い時間でサクサク読めてしまい、
後味が抜群に良い。
所謂、水戸黄門の後味(*^-^*)
シリーズ6冊目にしても、衰えるどころか
あらゆる人を味方に引き込んで、マコトの魅力はさらに大きくなっているのではないだろうか。。。 -
2013/04/18読了
IWGPシリーズ6 エンターテイメント小説は時間を忘れて読めるからいいね。シリーズ化することで、これまでに登場した人物や事件も絡めてくるから、尚更ファンにとってはたまらない。
<灰色のピーターパン>
"インストール"に似た感じ。
頭の使い方一つで、子どもでも楽に大金を稼ぐことができる時代なのだから、なんだか虚しく思ってしまうマコトの気持ちもわかるな。
まさか春麗が出てくるとは。
子どもが帰る場所「親」が、ラストにあるっていうのがいいね。
<野獣とリユニオン>
今作で一番好きなエピソード。
妹にしてみれば煮え切らないところもあるかもしれないけれど、最も美しい終結の仕方だったと思う。人を許す、認めるということはきっとこういう覚悟と心意気がなければできないのだ。
<駅前無許可ガーデン>
Gボーイズ&ガールズとは一体何者なんだろうかと常々思うけどそれは無粋かな。
サリンジャーの『ライ麦畑で捕まえて』 のキャッチャーミットの話が出たのはちょっと嬉しかった。色んな解釈があるけれど、私はこの作品で提示された解釈が好きだから。
日本は闇の淵の不条理しかなくて、それこそキャッチしてもらわなければ救われないようなものだ。それが子育てとか、親という責任的立場にある、ともいえる。
"母" としての笑顔のくだりがお気に入り。
<池袋フェニックス計画>
シビルウォーのように、緊迫した空気感こそIWGPっぽいなと思う。
革新の後ろには傷が生み出される。それを知らずに革新を進めれば、精神的にも物理的にも、弱者の死体だらけになってしまうのだ。
エリートはそれを知っている。見ないフリを決め込んでいるだけなのだ。
心苦しいシーンもあったが、計画が動き始めてからは爽快だったね。現実の日本でも完全に遂行できるはずのない排除・消毒がまかり通っているふしがあるから、何ともいえない気持ちにはなったけど。 -
★★★★☆
野獣とリユニオン、駅前無認可ガーデンが入っていたから4★
宮藤官九郎脚本で猛威を奮ったテレビドラマの原作。クドカンだからあーなったし、だから猛威を奮ったと思う。
視点は、「携帯電話やパソコンと同じようにデリヘルもモデルチェンジしているようだった。なにもかもそんなスピードで変わらなくても、おれはいいと思うんだが。(池袋フェニックス計画p217」同様に多様化若年化する社会問題への風刺。 -
またまた安定のIWGP。
窪塚洋介のキングも良かったですが、段々小説のキングもいいなと思います。
野獣とリユニオンが面白かった。
池袋フェニックス計画ではサルが活躍。 -
読後感はコミックなのにしっかり小説の内容量があって毎度読んでいて嬉しい。どうしようもなさを抱えたまま終わる話も好きなんだけど、この巻は全編グッドエンドで終わる話ばかりで、これもこれで好きだなと感じた。
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完璧な勧善懲悪ではないところが好き。
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「野獣とリユニオン」は、料理人をめざしていた兄が、少年による襲撃を受けて足を傷つけられ、夢をあきらめなければならなくなったことを受けて、妹が復讐をしたいとマコトに依頼を申し入れます。マコトは、犯人の少年の背景を知り、被害者の兄がみずからの決断で、前へ向かって進んでいくことを見とどけます。
「池袋フェニックス計画」は、池袋の風俗営業を一斉摘発するという計画が、副知事の肝いりで推進されます。マコトの果物屋も含む街の零細企業はそのあおりを受け、たがいに対立しながらも共存を図っていた裏社会の人びとも窮地に立たされます。そんななかでマコトは、ホスト・クラブ通いで借金がかさみ、風俗に足を突っ込んでしまった姉を助けてほしいという、一人の女性の依頼を受けます。
とりあげられているテーマの多面性を浮き彫りにするようなエピソードが多かったように感じます。 -
話の内容とか結論はなんとなくわかるんだけど、毎回その内容やフレーズの面白さがたまらなくて、全く飽きないです。
実際に起きた事件が元になっていたり、社会問題が題材のものもあるので、読みながら勉強になることもたくさんあります。
まだまだシリーズ全制覇までは長いですが、今年中にはキャッチアップしたいですね! -
よみやすさ2
おもしろさ2
またよみたい1
野獣とリユニオン -
10代で熱狂して、20代半ばでこんなものは子供騙しだったと悟った気になる。
池袋シリーズは子供騙しの3コードパンクみたいなものだ。
そして30代になり、それを作り続ける大人がどれほど素晴らしく、また、羨ましい事だということに気付かされる。
シンプルで、誰もの胸を打つ作品というのは、受け手に「これなら自分にも作れる」という気にさせる力がある。当然、勘違いなんだけど。
この小説の魅力は登場人物と時代の描かれ方。
シリーズを通して、改めて読み返していると失いかけていた10代から20代の記憶が鮮明に蘇ってきて、不思議となんだか活力も漲ってきた。
ここ数年、同じ様なことばかり書いてある、ビジネス書と呼ばれるものばかり読んでいて一度は離れてしまった池袋。(というより小説全般)
空想に耽る時間が無駄だと考えたのは間違いだった。クソみたいな啓発本を何冊も読むより、(例えフィクションでも)誰かの人生に深く触れる事の方がよっぽど有意義だ。
ああ、戻って来れて良かった。
私は、たまたまマコトと同世代として存在出来た事に感謝している。 -
再読。水戸黄門的な面白さだと思う。
2021/2/11