タコの丸かじり (文春文庫 し 6-25)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167177256

感想・レビュー・書評

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  • 丸かじりシリーズで 一番最初の 本である。
    週刊朝日に 1987年1月2&9日号から、
    1987年9月18日の間に書かれたものである。

    食に関する本で このように気楽に 書かれていて
    蘊蓄ではなく、そのもてあそび方に 全力を注ぐ。

    ナイター 弁当 ビール
    30倍カレーに 挑戦する。
    ネコ缶を食べる。
    美味しいとは どんな味なのか?
    馬肉を食べ行く。
    トウモロコシの 律儀さに 感心して 正しく食べる。
    冷やし中華。
    スイカは がぶり食い。
    かき氷は、なぜ アタマが きーんとなるのか?
    終戦当時の食とは?
    バイキングの食べ方。
    プラスティックどんぶりが 軽すぎるのだ。
    うな重を食べるには。その時間のつぶし方。
    おにぎりが 変化している。なぜなのか?
    丸かじりの醍醐味。
    炒飯の作り方。
    なぜ 焼き鳥は 串に刺さっているのか?
    クジラ肉の 懐かしさ。
    回転寿し の食べ方。
    ピーナッツは なぜやめられないのか?
    塩鮭の切り方。
    おせち料理が どうも 高くなりすぎだよ。
    牛丼屋はくらく カレー屋は明るいのはなぜか?
    にぎり寿司の食べる順番。
    なぜ 台所には 捨てられないものがあるのか?
    散歩しながら 食べるものは?
    油揚げが いなり寿司に 出世したことから学ぼう。
    花より 段ボール。
    食パンから 菓子パンへの変遷。
    立ち食いソバの大将はなぜ目が光っていないのか?

    など、ささやかな食への質問を 拡大していく。

  • 1988年6月刊行ということで時代錯誤がありつつも
    東海林さんの芸風が全く変わってなくて笑えた。
    食べ物に対するこだわりを超えたしつこさはさすが!

  • 食に関するエッセイや読み物が好きな人にオススメ。
    今までこのジャンルでは女性作家ものしか手をつけていなかったけど、これを読んでみて良かったと思います。
    笑えるシーンもてんこ盛り!

    シリーズ物のなで少しずつ読み進めていこうと思います。

  • 東海林さだお、朝日新聞社
    週刊朝日:19870102~19970918

    記念すべき「丸かじりシリーズ」第一弾。
    20年前の連載なのに驚くほど、内容が古びていない。

    「回転寿司なんかこわくない」がちょっと時代を感じるくらい。
    クジラは相変わらず入手しづらいし、
    テレビレポーターは今も「美味しい」を繰り返している。

    焼き鳥の「力」は「串の力」。グイと引き抜くのが良い。
    スイカが並ぶ八百屋の一角は相撲部屋。
    牛丼(暗い)は「丼もの」地区予選の勝者。

    フライ物の1位は豚カツ。
    串カツは玉ねぎの力を借りている所に弱さがある。
    ご飯ひとすじ。操を立てるコロッケ。
    味噌汁に活路を見出す「油揚げ」。さらに稲荷寿司。

    実践料理編では八丈島の「冷やし汁」
    「チャーハン」
    「塩鮭のきり方(軽く冷凍してから筒切り)」

    そういえば「おせちを叱る」は、ちょっとデジャブ感があった。
    どこかで「たつくり」に引退勧告をしていたような記憶が。
    まあ二十年もやっていれば、そんなこともあるさ。

    以下は目次

    ・ナイター・弁当・生ビール
    ・激突!激辛三十倍カレー
    ・究極のネコ缶を食べてみる
    ・「おいしい」ってどんな味?
    ・馬食い団、ひそかに浅草へ
    ・とうもろこしは律儀である
    ・ナゾの季節物、冷やし中華
    ・スイカはがぶり食いに限る
    ・どこへ行ったか、「かき氷」
    ・終戦当時の前科を告白する
    ・殿がたはバイキングがお好き
    ・ああ八丈島のタコの丸焼き
    ・プラスチック丼世に氾濫す
    ・本もののうな重に巡り合う
    ・嘆かわしい新にぎり事情
    ・天下一品丸かじりのすすめ
    ・秘伝「技あり」炒飯のコツ
    ・焼き鳥の串の業績を讃える
    ・うれし懐かし、鯨食べたい
    ・回転寿司なんかこわくない
    ・フライ物の正しい生きかた
    ・もうくさくない「くさい飯」
    ・「ピーナツのナゾ」を追って
    ・がんばれ、デパート大食堂
    ・勇気をもって厚く切る塩鮭
    ・いい気な「おせち」を叱る
    ・牛丼屋のムードはなぜ暗い
    ・やっぱり試食はむずかしい
    ・にぎり寿司の賢い運営計画
    ・台所の「捨てられない」面々
    ・爽やかに散歩シーズン開幕
    ・油揚げの処世術を見習おう
    ・花見点描「花より段ボール」
    ・伝統を誇る菓子パンを総括
    ・立ち食いそばを「評論」する

  • 傑作満載であった。しかし、何はさておき最後に満塁逆転サヨナラ弾が出た。解説が沢野ひとし。それらしく書評家ぶって書いていたが、似合わぬ書きぶりに笑いが込み上げた。

  • 激辛30倍カレーの辛さは?「くさい飯」の献立ては?世に食をテーマに扱ったエッセイは数多かれど、「彼のエッセイを楽しく読めるのが日本人」ということを故米原万里さんがおっしゃっていた意味が分かりました。

    故米原万里さんのエッセイでこのシリーズの一冊を海外生活が長い友人の下に置いていったところ、故郷の食生活を思い出させたとして、エラい顰蹙を買ってしまった、という話を読んで、このエッセイを読んでみました。これが最初に単行本化されたものなのだそうですが、現在は絶版のようですので一刻も早い復刊を願うところでございます。

    内容は、おそらく皆さんのほうがよくご存知かとは思いますけれど、「しょーじ君」こと筆者が食にまつわるあれこれを味のあるイラストと文章でつづるエッセイでございます。この本が時代を感じさせるのはデパートの屋上にあるレストランで筆者と年配の男性が食事をするときに感じたことを書いた箇所で、デパートの屋上のレストランは子供のころに行った以来、ずいぶんとご無沙汰なところはもちろん、僕の記憶にあるレストランは当の昔にデパートごと廃業してしまっているので、2度とお目にかかることはないんだなんていうことを読みながら考えてしまいました。

    ほかにも、焼き鳥はなぜ串に刺してあるのか?という話では裂いた正肉やモツを家族総出で串に打つ姿を見ながら、家族の生業について綴った箇所も、無性に僕の心を捕らえて話さなかったことを覚えています。確かにこういう話を異国に住んでいる人間が読めばそら酷な話だろうなと読みながら考え込んでしまいました。このシリーズはずいぶんと長いものみたいですが、読んで面白かったので、これからも折を見て紹介させていただくことにいたします。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    激辛30倍カレーの辛さは?ネコ缶つてどんな味?「くさい飯」の献立ては?ああ、あれも食いたい、これも食いたい!最近、甘口のグルメ本ばかりだとお嘆きのあなたに贈る食文化、丸かじりの豪快な味。

    米原万里さんのエッセイで紹介されていたのが「タクアンの丸かじり」でした。
    1冊も読んだことがなかったのでシリーズ1作目から借りてきました。
    うん、おもしろい!
    猫缶とかプラスチック丼とかくすくすおかしい。
    シリーズ徐々に読んで行こうと思います!

  • サダオ〜〜!
    にやにやしちゃう、電車の中とかで。

  • 東海林さだおさんの本はどれを読んでもハズレがない。あまりに数が多すぎて、ついつい以前読んだものをまた買ってしまう事も多いが、面白いからそのまま読んでしまう。こういうサッパリした読後感(何も残らないのとは断じて違う)を持つ文章を、コンスタントに書けるようになりたいなあ。

  • 丸かじりシリーズの1作目!
    初出が1987年ということは…30年前!?そんな昔から続いているシリーズなのですね。でも東海林さんの文章のノリや面白さは今と全く変わっていなくって、本当にすごいなと思いました。
    コンビニをコンストと略したり、今では当然な鮭マヨネーズのおにぎりにお父さんたちが抵抗を示していたり、時代を感じるのも面白い。

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著者プロフィール

東海林さだお=1937年東京生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田大学文学部露文科中退。早大漫画研究会草創期のメンバー。文藝春秋漫画賞、講談社エッセイ賞、菊池寛賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞。漫画に『新漫画文学全集』『ショージ君』など、長期連載のエッセイに「男の分別学」「あれも食いたいこれも食いたい」など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東海林さだおの作品

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