猫めしの丸かじり (文春文庫 し 6-59)

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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167177591

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  • 猫めしが急に食べたくなった。と始まるこのコラム。どうしてくれよう私もたった今食べたくなったじゃないの。確かに10年にいっぺんくらい思い出したように食べたくなる。このかつおぶしが白いご飯に舞う姿。ふわふわふわり。そこに一変の如く注がれる少量の生醤油。ああ今日の朝ごはんは猫めしだ。

  • とんかつ、どぜう、鯛やきなど…いろいろあるけど今の気分は猫めしのまるかじり。読み進めるうちに、あーウンウン、わかるナ。と語調が東海林さだおになっていく。ビールをジョッキでゴクゴクゴク。飲みたいナ。合間にもぐもぐ、塩気がたまらないナ。食欲がない時でも東海林さだおは常に私をポジティブにしてくれる。食べ物っておいしいを私の中に浸透させてくれる。単調、そこがいい。東海林さだおはどれを読んでもはずれがないと言ってもいい。どれもおいしく、どれも楽しく、どれも私を前向きにしてくれる。もしも今あなたが落ち込んでいるのなら、東海林さだおのまるかじりシリーズを手にとって読んでみてほしい。ぱっと開いたページでいい。少しでも食べたくなったり飲みたくなったら、それはあなたが幸せの道へ一歩近付いたのだと私は思う。食は人の生きる原点。幸せのはじまり。食べるのだ。飲むのだ。そうして生きていくのだ。東海林さだおは色褪せない。

著者プロフィール

東海林さだお=1937年東京生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田大学文学部露文科中退。早大漫画研究会草創期のメンバー。文藝春秋漫画賞、講談社エッセイ賞、菊池寛賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞。漫画に『新漫画文学全集』『ショージ君』など、長期連載のエッセイに「男の分別学」「あれも食いたいこれも食いたい」など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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