- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167181116
作品紹介・あらすじ
中学生の珠子の前に、ある日、突然現れたグランパ(祖父)はなんと刑務所帰りだった。だが、侠気あふれるグランパは、町の人からは慕われ、珠子や家族をめぐる問題を次々と解決していく。そしてグランパの秘密を知った珠子に大事件が襲いかかる。「時をかける少女」以来、待望のジュブナイル。読売文学賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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一本筋が通ったおじいちゃん。周りに自然と慕われる魅力が溢れる存在。最初こそ王道のハートフルな問題解決ストーリーで面白い。後半のドタバタアクション映画さながらの展開にワクワクもする。
孫にも遺伝でしょうか?おじいちゃんから受け継がれた意思の強さがチラホラと見えています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
娘、筒井康隆デビュー「わたしのグランパ」
中学生の珠子と、男気溢れる祖父「グランパ」の交流。
正当防衛?で人を殺め、10数年ぶりに出所してきた「ゴダケンさん」こと五代謙三が、家族の困惑をよそに街の問題を飄々と片づけていく。
いじめにあっていた孫娘の窮地を救い、地上げ屋と渡り合い、最後は因縁のヤクザと対決する。
若者向けの本作でも著者の持つ毒、ダンディズム、温かさは健在。子どもにはまだ早い話、を変にぼかさずにさらっと語る。筋書自体は筒井流ドタバタ劇と言えばそうだし、リアリティというよりはおとぎ話。それがいいのだ。
菅原文太とデビュー当時の石原さとみで映画化もされているらしい。 -
【古書】半日で読み終えた。可愛い中学生女子と刑務所帰りの祖父という舞台設定。彼女がいじめにあったり、校内暴力や地上げという時代背景に身を置く中で、グランパが果たす役割が心地よい。こんなグランパが身近にいることが羨ましくなる。しかし、グランパの最期が悲しくも清々しい。珠子の涙に絆されて、思わず涙が流れてしまった。古書でしか手に入れられなかった本書を読んで良かった。
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知らないで読んだら筒井康隆だと誰も思わないのではないかと思う。ジュブナイルも書いてたんだよなあとしみじみ。なんだかんだ器用な人ですよね。さらりと読めます。映像ではおじいちゃんが菅原文太だったかな。
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グランパという呼び方がいいなと思った。
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1999年刊。中学生の珠子の前に刑務所帰りのグランパ(祖父)が現れる。『時をかける少女』以来のジュブナイル小説。ややストーリーの転換が部分的に強引さを感じるが、孫と祖父の独特の距離感がいい。
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奇抜。映画化もされているので、そちらも是非観たい!何気なく手に取った本だったから、その衝撃が凄まじかったのを覚えている。感動と衝撃でした。グランパかっこいい><vV
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刑務所帰りのおじいさんがカッコいい。こんな男に恋したい。映画では菅原文太が演じていた。たしか石原さとみはこの映画でデビューしたのでは?
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短編小説だったけど、家族の絆が現れている作品でした。筒井さんの小説は時に描写がグロテスクなんだけど、虚構ではなく現実に入り混じってくるような感覚を本の中で味わうことが出来るところが良いところ。
最後のシーンでは自分の亡くなった祖父母を思い出し、自分も幸せにならないといけないと思いました。