わたしのグランパ (文春文庫 つ 1-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167181116

感想・レビュー・書評

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  • 思ってた以上に薄い本ですぐに読み終えてしまった。
    グランパと珠子の距離感が、ほどよくステキな関係だった。
    グランパが筋が通っていてカッコいい。
    グランマのグランパが好きだから、離れたという気持ちもよくわかる。

  • 刑務所を出所したおじいちゃんと孫娘の心温まるやり取りや痛快な事件が、読んでいて小気味好く楽しめるジュブナイル作品。

    だけどねー。
    優しい筒井康隆には、正直それほど惹かれないのよねー(笑)。

    毒っ気と風刺溢れる筒井節を味わう前、10代前半に読むのが素直に楽しめて感動できるような作品です。

  • とにかくおじいちゃん、人望がすごい。
    迫力もあった。
    映画も面白かった。

  • 第51回読売文学賞小説賞受賞作品 小説らしい小説。読み易く、登場人物のキャラも立っている。世間的に「昭和は良い時代だった」と言われる時代の生き字引みたいな祖父の生きざまである。老人はどこか芯が強い。老人の言葉は大切に聞かなきゃである。解説のこの作品は「声に出して読みたい小説」とは的を得て妙であった。

  • 珠子は祖父にまだ会ったことが無い。
    どこか遠くにいると言い聞かされてきたが、父親の日記を盗み読んで「囹圄」にいると知る。
    「囹圄」とは?

    祖父が帰って来ることになり、なぜか祖母は逃げるようにおじさんの家に行ってしまった。
    いったい珠子のおじいさんって・・・。

  • 朗読cd

  •  ムショ帰りのグランパが街の人々に大いに受け入れられ慕われているのは物語ならではかもしれないけど、彼の人柄をもってすればあり得るかもと思えるほど、彼は粋で一本筋が通っていてお洒落で格好いい人だ。珠子が初対面にも関わらず信頼を寄せ大好きになるのもとてもよく分かる。
     それだけにラストの方は辛く涙が出た。そして登場人物と同じく、グランマの気持ちもその時になってよく分かった。切ない。彼はこれからも代々語り継がれる伝説の人になるのだろう。

  • 筒井康隆の「わたしのグランパ」を読みました。
    筒井康隆の昔のイメージからするとちょっとパンチが不足しているような気がしますが、 あとがきを読むと<お話シリーズ>として書かれたもののようなので 中学生程度を対象ということなら納得できます。

  • スーパーマンじじいの痛快冒険夢物語。他にも似たような小説(背景はそれぞれ違うが)をいろいろな作家が書いている。作家として一度はこのような夢物語を書いてみたくなるのだろうか。小説としての出来不出来は別として、わくわくしながら一気読みできる。

  • 筒井康隆作品の中ではむしろ希少な、小説の定石通りとでも言える作風。祖父と孫娘の心の交流を描く。他の濃い筒井作品を好む人には内容も頁数も物足りないかも……

    際限無くお金を使えて、地域の人たちから慕われていて、腕っぷしも強い。まさに物語にしかいないようなスーパーおじいちゃん。読んでいて頭に浮かんだイメージは、漫画「拳児」に出てくる拳児の祖父・侠太郎の姿でした。

    人間力、徳の力。
    それによって得た、縁。
    それこそが大事という話。

    孫娘を救い出すために武器調達までしてしまうのは夢物語としても、理想の一端を担う存在として脳に留めておきたいと思います。

    「わしの経験からお前さんたちに言っておきたいことは、命がけなら何だってできるということだ。そして人間、本心から命がけになれるのは、自分が生きていた証拠を残せるようなこと、そりゃもう、たとえどんな些細なことでもいい、何かいいことをして残すことだ。」

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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