恐怖 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2004年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784167181130

みんなの感想まとめ

恐怖をテーマにしたこの異色のミステリーは、連続殺人事件を背景に、作家の心理状態が徐々に崩壊していく様子を描いています。主人公は、次に狙われるのは自分かもしれないという不安に苛まれ、恐怖がじわじわと迫っ...

感想・レビュー・書評

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  • 「筒井康隆」の『恐怖』を読みました。
    「筒井康隆」の作品は、本年3月に読んだ『日本以外全部沈没』以来ですね。

    -----story-------------
    姥坂市で起きた連続殺人事件。
    犯人の狙いはどうやら、町に住む文化人を皆殺しにすることらしい。
    「次に殺されるのは俺だ」、作家の「村田勘市」は次第に半狂乱に追いつめられていく。
    一体犯人は何者なのか?
    謎解きのサスペンスに加え「恐怖とは何か?」という人間心理の奥底にせまる異色傑作ミステリー。
    -----------------------

    「筒井康隆」作品って、10代の頃に読んだSF作品のイメージが強いのですが、本作品は恐怖を題材としたミステリー作品です。

    相変わらずユーモアに溢れた、それも相当に黒いユーモアたっぷりの文体で「筒井康隆」らしい作品でしたね。

    次に殺人犯に狙われているのはオレかもしれない、、、

    もしかしたら身近なコイツが殺人犯かもしれない、、、

    じわじわと恐怖が迫ってきて、徐々に精神が蝕まれていくシーンが、ユーモア溢れる文体で上手く描写してあると感じました。

    読者という立場から、面白おかしく読めましたけど、自分が狙われているかもしれないと思うと、同じような心理状態に陥るのかもしれませんね。

    「アガサ・クリスティ」の名作『そして誰もいなくなった』等ミステリーの定番が引用してあるのも興味深かったなぁ。

    ミステリー色よりもホラー色の強い作品でした。
    まずまずですかね。

  • 忙しい時期が続いているので、筒井康隆御大作品の大ファンなのにもかかわらず、買っただけで読んでいないものが何冊かある。
    しかし、この作品、何気なく冒頭を読み始めたら先が気になって、読んでしまった。

    何より、連続殺人事件の設定がすばらしい。
    いくらでも妄想が膨らむ。

    以下、ネタバレ注意。








































    多くの方が書いているように、ミステリーとしての結末は無難な感じ。作中人物があれやこれやと想像した犯人像のさらに上をいくダイナミックな仕掛けを期待していたのでその点は少々拍子抜け。
    もうひとつのテーマの「恐怖」の追求も、過去の筒井作品での突き詰め方からしたらやや消化不良。もっと多くの枚数で、さらに恐怖な状況に主人公を置いて、主人公が発狂するまでをじっくりと味わいたかった。

    とはいえ、作品が短く終わっている分だけ、それらの部分は読み手がいくらでも妄想する余地があるという意味では、ほどよい分量、ほどよい味付けの作品なのだろうと思う。

  •  技術(こてさき)だけで書いた小品(´ェ`)ン-…

     ミステリーとしてもホラーとしてもドタバタとしても心理小説・実験小説としても、取り立ててみるべきもののない大凡作(´ェ`)ン-…
     それが狙いの一つではあるのだろうけど、「文化人(プチブル)」意識のやらしさだけが鼻につく(>_<)

     ほんともう、内容・ページ数両方の意味での薄さ以外、何も語ることのない作品で、解説子の苦労が忍ばれる(>_<)
     あからさまなよいしょ感想文ではあるけれど、「私と筒井さんの思い出」みたいな逃げを打たなかったところは偉い( ´ ▽ ` )ノ
     
     昔ならこういうのは中編集の一作あつかいだったのに、昨今はむりやり長編として一冊刊行しちゃうからなあ(´ェ`)ン-…
     筒井先生にとっても読者にとっても、これはいいこととは思えない……(´ェ`)ン-… 

     まあ、「前栽(せんざい)」という言葉と読みを憶えられたことは数少ない収穫だった( ´ ▽ ` )ノ
     なんであんなに繰り返しこの単語が出てきたのか、よく分からないけど( ´ ▽ ` )ノ


    2017/10/03

     そうそう、何より表題の「恐怖」についての論考にキレがなく、主人公の心理描写にリアリティも迫力も切迫感もなかったことが、最大の敗因(>_<)
     喜劇仕立てにしたことが仇となって、あれじゃ単なる病的な臆病者(>_<)
     だからといってギャグとしてもうまく行ってないわけだし、なんかこう、もっと神経症的に身に迫ってくるような(読んでるうちに自分まで狂っちゃうんじゃないかと思うくらいな)切実な「恐怖」感を描いてほしかった(>_<)
     昔の作品で言えば「走る取的」みたいに、ね( ´ ▽ ` )ノ

  • 連続殺人の中である作家の心理状態がどのように変化していくかを描いた作品。
    筒井康隆お得意の狂気の世界が展開される。
    解説によれば、これは筋の通ったミステリーとして読むべきであり、その中に筒井康隆としてのテイストが入っているとしている。
    しかし、むしろ、筒井康隆の狂気の世界が展開していく中で、やがてそれがミステリーとして収斂したと解釈したい。

  • ミステリというより筒井先生に「恐怖とはなんぞや」という講義を受けているような内容。おもしろいとかおもしろくないではない。

  • 思いのほか面白くなかった。ドタバタからあまり進歩してないように思う。

  • 疑心暗鬼で臆病で発狂という筒井康隆らしいミステリ。話が面白い反面、薄く字がでかいので、あっという間に読めてしまって物足りない。「邪眼鳥」の方が好み。

  • 人によってなにかしら怖いもんがあると思う。それは他人からみると全くこわくないものであるのだ。そのちがいこそが恐怖の原点である。恐怖を恐怖することこそが恐怖なのである。

  •  建物の保存運動をした文化人が次々と殺されていく。次は誰が殺されるのか。その恐怖をテーマにした小説。

     まじめそうでまじめでなく、緻密そうで荒っぽい。200ページほどなので一気に読める。そのせいもあってか、時間つぶしというほかにあまり読後感が残らない作品だった。

  • ミステリーorホラーかと思いきや、
    恐怖を覚える人間の心理が延々と書き連ねられる一作。
    ある意味肩すかしでもあり、
    人が恐怖をつのらせていくプロセスが楽しくもあり。

    ただまあ、もう少しストーリーとして
    まとまってほしかったかもなぁという気も。

  • ・2/27 読了.いやー、早かった.あっという間.久し振りのミステリーだった.ちゃんと犯人も明らかにされて、正統的ミステリーを読んだ感じだ.でもなんで最近の筒井康隆はミステリーなんだろう.

  • よくわからない。

  • レトロチックな雰囲気の中で進んでくのに、現代っぽいところもあって。独特の世界観に惹かれます。トリック的な部分はあんまり無いけどこういうのが実は怖かったり…恐怖です

  • ミステリー。コミカル。

  • 筒井さんらしく、ユーモアにあふれた文章はすき。が、なんでしょう、だらだらと終わる劇のような。

  • パワーが無い。

  • 怖いのかと思ったけどそんなことはなかったぜ!

  • 東京出張の際に、伊丹空港で購入。<BR>
    歸途の機上で讀み了へた。<BR>
    <BR>
    この作品、タイトル通り、恐怖がテーマである。<BR>
    姥坂市で連續殺人事件が發生するが、被害者は姥坂市の文化人ばかり。<BR>
    犯人は姥坂市の文化人に怨みを持つ人間らしい。<BR>
    主人公の作家は、文字通りの恐怖にをののくのであつた。<BR>
    <BR>
    犯人は誰かといふミステリーの味はひとともに、ホラー小説の雰圍氣も横溢してゐる。<BR>
    また、筒井ならではのスラプスティックな感覺も堪能できる。<BR>
    薄手の本だが、なかなか盛り澤山で樂しめる。<BR>
    <BR>

    2004年4月10日讀了

  • スラップスティック節は顕在であるが、話が伴っていない。また後半になるに従って筒井本人が飽き始めている。残念。

  • 作家が住む街で連続殺人事件が起こり「次は自分が殺されるかもしれない」と感じ、その恐怖で生活がどんどんおかしくなる話。

    んー。
    犯人探し的なミステリーという感じではない
    殺されるかもという恐怖はなんとなく軽薄で
    どこか滑稽なギャグみたいな雰囲気で

    先が気になってあっという間に読めた、という意味では楽しめたのかもしれないが、読み終わってみたときに残るものは少ない。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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