新装版 大いなる助走 (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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本棚登録 : 431
感想 : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167181147

感想・レビュー・書評

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  • 2019年第1回新歓ビブリオバトル

  • おもしろい。ブンガク人間たちの嫌な感じをいい加減煮詰めたのち、259ページを皮切りに賞の結果が分かってからの加速度がすごい。
    最後の1ページあたりが結局いろいろな物事に当てはめられて読んでてドキッとした。

  • 怨念の籠り方のレベルが違う。

  • いつか自分が、自分の作品が、自分何かが絶対的に世間に選ばれる日が来る。
    そう信じて、他を蹴落とし誇りを無くし自分をも無くした結果が殺人、自殺、破産。
    自分を抉り続けて何かを作り出すことに何の意味があるのか。
    だけど、それでも何かを作り上げたいと願ってしまう。
    何かを作ることはそのくらいの覚悟が必要で、
    そして選ばれることはほとんどない。
    永遠に終わりのない、先の見えない助走をいつまで続けるのか。
    この小説を選ばれた存在である筒井康隆が書いているのが面白い。

  • 天晴れ、筒井康隆。自分の会社の恥部をさらけ出して、最後は絶命する主人公をして、作者が住む世界の恥部をさらけ出す。度を超えた下品な表現が舞台喜劇を思わせて楽しい。ぐへへへひひひ。大岡昇平の解説と筒井の新刊のためのあとがきも面白い。

  • これはちょっとすごい。ザ・筒井康隆といったところか。

  • 筒井康隆にしてはまあまあといったところ。しかし相変わらずとんでもなく風刺と皮肉が効いてる。その切れ味はさすが。

  • 久々に再読。これが文藝春秋に掲載されたのが凄い。いま、書いたらいろいろと外野がうるさそうです。

  •  文壇の裏側や文士気取りのエリートを戯画化して皮肉った痛快な作品。さすがに本当の文壇はこんなのじゃないよね?と思うけど、この何分の一くらいは本当にあったりして、と思ってしまうほど、突拍子のない部分と妙にリアリティーのある部分のバランスがとても良くて面白かった。

  • まだまだ続く筒井康隆のマイブーム。うちに全集があるので再読に不自由しない。
    ということで『大いなる助走』を何十年ぶりかに再読。たしか佐藤浩市主演で映画化もされているはずで、こちらは未見。
    助走で力尽きている「小説家になりたい」老若男女は現代でも多いんだろうな。
    本作発表時にはないインターネットが今はあるので、同人誌なんぞに投稿せんでも、ブログなどで誰もが大勢の第三者に自分の文章を披露することができるが、そのぶんどうしようもないエッセイや小説の体をなしていない小説などを目にする機会も増えたもんな……。
    本作でデフォルメされているような同人誌の愛憎って意外と今、新しかったりして。

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著者プロフィール

1934年大阪市生まれ。同志社大学卒。展示装飾を専門とする会社を経て、デザインスタジオを設立。60年SF同人誌「NULL」を創刊、江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。 81年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、87年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、89年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、92年『朝のガスパール』で日本SF大賞、2010年菊池寛賞、2017年『モナドの領域』で毎日芸術賞を受賞。2002年に紫綬褒章を受章。 他に『時をかける少女』『家族八景』『大いなる助走』『虚航船団』『残像に口紅を』『文学部唯野教授』『聖痕』など著書多数。

「2022年 『馬の首風雲録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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