大いなる助走 新装版 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2005年10月7日発売)
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  • 本 ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167181147

感想・レビュー・書評

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  • 村山由佳の「PRIZE」を読まなきゃと思った時、1982年発行の本書を知り先に取りかかった。筒井康隆は若い頃に好きだった作家だがこの文壇ものは知らなかった。
    いやいや面白かった。各文学賞はよく宣伝され作品に箔をつけているが、これは?
    あるんだろうなあ。
    彼は2007年に「巨船ベラス・レトラス」で本書に続くものを著しているようなので村山由佳さんにはしばらく待っていただく。
    さて佐藤浩市主演の映画「大いなる助走」の続きを観なきゃ。

  • 選考委員を務める老大家作家先生たちのクセのある名前が、文壇の得体の知れなさやグロテスクを表しているようだ。不意打ちに加賀まりこ。ラスコーリニコフもかくやというような自己瞞着の犯罪論理。

  • いつか自分が、自分の作品が、自分何かが絶対的に世間に選ばれる日が来る。
    そう信じて、他を蹴落とし誇りを無くし自分をも無くした結果が殺人、自殺、破産。
    自分を抉り続けて何かを作り出すことに何の意味があるのか。
    だけど、それでも何かを作り上げたいと願ってしまう。
    何かを作ることはそのくらいの覚悟が必要で、
    そして選ばれることはほとんどない。
    永遠に終わりのない、先の見えない助走をいつまで続けるのか。
    この小説を選ばれた存在である筒井康隆が書いているのが面白い。

  • 2019年第1回新歓ビブリオバトル

  • おもしろい。ブンガク人間たちの嫌な感じをいい加減煮詰めたのち、259ページを皮切りに賞の結果が分かってからの加速度がすごい。
    最後の1ページあたりが結局いろいろな物事に当てはめられて読んでてドキッとした。

  • 怨念の籠り方のレベルが違う。

  • 天晴れ、筒井康隆。自分の会社の恥部をさらけ出して、最後は絶命する主人公をして、作者が住む世界の恥部をさらけ出す。度を超えた下品な表現が舞台喜劇を思わせて楽しい。ぐへへへひひひ。大岡昇平の解説と筒井の新刊のためのあとがきも面白い。

  • これはちょっとすごい。ザ・筒井康隆といったところか。

  • 筒井康隆にしてはまあまあといったところ。しかし相変わらずとんでもなく風刺と皮肉が効いてる。その切れ味はさすが。

  • 久々に再読。これが文藝春秋に掲載されたのが凄い。いま、書いたらいろいろと外野がうるさそうです。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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