ヘル (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2007年2月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784167181154

みんなの感想まとめ

死と再生、愛と恨みが交錯する異世界を舞台にした物語が展開されます。主人公たちは、現世での悲劇的な運命を背負い、死後の「ヘル」と呼ばれる世界で再会します。この世界では、彼らの過去の関係や感情が蘇り、混沌...

感想・レビュー・書評

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  • 横尾忠則の装丁に惹かれて買ったやつ。
    途中まで読んでちょっと間あけてまた読んだので誰が誰だかわからんくなっちゃて、そしたら知らん間に七五調に突入してて、おもしろかった。
    本編外の横尾忠則との対談とかQ&Aがかなり良かった。

  • これは地獄か、はたまた夢か、あるいは、人間の狂気を描いた作品

    筒井康隆の同種の作品として、夢ネタとしては「夢の木坂分岐点」、狂気ネタとしては「敵」がお勧め・・・というか、自分は好きである。
    もちろん、筒井康隆には、「時をかける少女」などに代表される一般受けする作品も多いが、本作品の様な独特の作品も多くある。むしろ得意にしているように見える。
    そして、個人的にはこちらのような作品の方が面白く感じることが多い。

    タイトルから分かるように、「ヘル」すなわち地獄の話である。しかし、ヘルは神も仏もいない世界、現在の無宗教化されてしまった日本では神も仏もいないのと同じであるから、この世もヘルも同じである、と断じている。そして、この世-夢-ヘルを縦横無尽にストーリーは展開する。もちろん、ヘルには時間などないわけで、ストーリーも必ずしも順序だっていない。夢の中では、ある話題がいつの間にか別のもにすり替わっているように、ある人物が中心だった出来事が、いつの間にか別の人の回想に入り、さらにその人の友人の、というように展開していく。また、それまで元気だった老人が、痴呆になり、過去にすでに死んでいる友人と再会しているのは、痴呆ならではの妄想か、はたまた、現実と地続きのヘルならでは、現実世界の人間と関わりを持つこともできるのか。

    人間の「精神」と「行動」について表現する「言葉」についていろいろなことを考えることができる。

    (筒井康隆の)初心者には、お勧めしない一冊。

  • ヘルってもっと悲惨な世界なのかと思いきや、
    落ち着きどころのない、のんびりとした世界。

    現世への固執を捨てきれていないにもかかわらず、
    いろいろなことがどうでもよくなって、自分がなにをしたいのかもよくわからないというのは、悲惨といえば悲惨なのかもしれない。

    ただ、悲惨でありながら、コミカルで天国的なのんきさを感じさせてくれるのは、執着を捨てた天国なんてつまらないという作者の考えが反映されているのか・・・

    途中、突然リズミカルな文になって楽しませてくれるあたりは、筒井さんだなぁと思う。
    最後のシーンは、なんだかよくわからないけど、とても印象深い。
    本人が幸せそうだから一応ハッピーエンドだと思った。

  • p.2007/2/22

  • 死後の世界とはこんなものかと思わせてくれる、苦痛や死の無い事の説明が、何ともこれは筒井ワールド以外にない、来世を垣間見たように思え死の恐怖も薄らぐでしょう。

  • たたみかける七五調で、現実に狂気と異世界を乱入させる手腕は見事。
    夢か現か、生か死か、皆混沌と混じり合う。

  • 死んだ先の世界ヘルには現世に未練を残す者、罪を犯した者、過去の記憶を引き摺る者などが集まってくる。様々な人生を終えて集まるヘルを舞台にした群像劇。筒井流のリズムと言葉使いが際立ち、時間軸の行き来がより物語を深く楽しいものにしている。‬

  •  最初は"ヘル"とは何かを掴みたくて慎重に読み進め、途中文章が七五調になる辺りからリズム感をもって狂気的な世界へぐんぐん突き進むようにして読むのがとても楽しかった。現実と夢とヘルが地続きなのは、現代において現実が地獄に近付いているように筒井先生には感じられるから、という巻末のお話にも納得。内容はもちろん、巻末の対談とQ&Aも読み応えばっちりでお得な気分。筒井先生オススメの古典や作家さんの作品も読みたくなった。

  • なんか惜しい気がした。しりあがり寿のヤジキタシリーズを思い出した。

  • 昔は好きでよく読んでた筒井作品。久しぶりに読みました。狂気と正気が交錯する筒井ワールドは相変わらず面白い。

  • 夢うつつ。多次元世界。不思議な感じで、話が進む。途中から五七調になって、ワケわからなくなる。

  • 死んでいるのか夢の中かよくわからないまま物語が進行。結局よくわからないままだったけど、この感じがヘルなのかもしれないと思った。

  • なんじゃこりゃー。
    結局あの世なのか現世なのか。

    筒井流狂気の世界、ってやつですか?

  • 2013.8.30(金)¥100。
    2013.9.2(月)。

  • ありとあらゆるうしろめたさが集合して
    ぞっとするほどの嫌らしさになるかと言えば
    そこは筒井の突き抜けた感じ、逆に笑うしかない。

    ザ フリークショー

  • 夢 を媒介にして
    現実 と 地獄 がヌルリと繋がる
    30人分の「ヘル」の物語。


    表紙は横尾忠則さん。
    合間合間の七五調の文章が
    目出たいほどに気が違っていて
    身をギュッと固くして挑まないと
    とてもじゃないけど読み下せませんでした。

    おもしろかったけれど
    頭がげっそり。
    体力のいる素敵な変態さ。

  • これはもう好みの問題です。
    睡眠中にみる夢のように荒唐無稽。
    出だしは面白かったんだけどね・・・

    あと、文庫の後ろに対談とか質問とかあったけど
    あーゆうのも興ざめだから、やめてほしい。
    まぁ、読まなければいいだけの話なんだけどね。
    もちろん読まないけどね。
    対談をのせるセンスが嫌だって話です。

    ( ・_ゝ・)<珍味本

  • 目くらめっぽうとんとんちき
    筒井さんのナンセンス小説は慣れっこと思っていましたが、ここまでレベルが高いともうついてはいけません。あっちの話がこっちになり、こっちの話があっちになりもうなにが何だか目くらめっぽうとんとんちきでございました。
    でももしかしたら人間があの世にいく間際というのは、一瞬のうちにこの作品のような体験をするのかもしれませんね。

  • 人をくった様な文章、たまりません。

  • ・5/27 読了.

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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