壊れかた指南 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2012年4月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167181161

みんなの感想まとめ

多様な短編が織りなす独特の世界観が魅力的な作品で、現実と夢の狭間を描いたエッセイ風の創作が特徴です。老境に差し掛かった作家の余裕を感じさせる淡々とした筆致は、読者に新たな風景を提供します。各短編は、ホ...

感想・レビュー・書評

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  • 熱狂的筒井党員だったのだが、近著にはあまり共感できるものが無い・・・
    私が変わったのか、筒井氏が変わったのか、そのどちらもなのか・・・不明。

  • なかなか読んだことが無い「壊れっぷり」は新鮮で、好き嫌いはあるでしょうが個人的には楽しめた方だと思います。

  • こんな酷いものに久しぶり出合った。

    元来私がショートショートを好まないというのもあるのかもしれない。
    だがしかし、それを踏まえたとて酷い。

    「かくてスマ子さんはウンコによって天空高く昇り、それは際限なき高みへと彼女を導いたのであった」

    みたいなオチの短編やショートショートが20~30編。
    勘弁してほしい。
    読んでいて壊れそうだ。
    なるほどだから「壊れかた指南」か、ってやかましいわ。

  • 深く意味を考えたら頭がどうにかなりそうな
    短編&ショートショート集。

    前衛的というのか実験的というのか。
    今読んでも、やっぱりよくわからない筒井節(笑)

  • 一番良かったのは「可奈志耶奈」。
    次に「遠蘇魯志耶」。これは『パプリカ』が想起された。他、ショートショートは「便秘を催す顔」が良かった。どれも筒井康隆らしい作品だったけど、一番筒井康隆らしかったのは「空中喫煙者」かな。


  • 漫画の行方
    TANUKI
    瞑想録
    大人になれない
    犬の沈黙
    空中喫煙者
    鬼仏交替
    便秘の夢
    土兎
    耽読者の家
    店じまい
    逃げ道

  • ‪2006年刊。実験とエンターテイメントを追求した短編とショートショート全30篇。既存の小説のスタイルを壊す様々な手法を大胆に取り入れている。多くの前衛的作品を生み出した筒井ならではのユーモア的挑戦だろう。‬

  • ヤマなし、オチなし、意味ナシと、三拍子そろった短編集が機関銃のように乱射されるナンセンス短編集。個人的には嫌いじゃないが、胸を張って人に薦められるような本でもない。小説の核をなすなにか一つのアイディアからそのまま直感的に描きはじめられたような物語ばかりで、書き始めたはいいものの、どう終わらせればいいか著者自身がよくわからなくなって投げっぱなしジャーマン状態になってしまったような作品、といえばいいだろうか。興味があって、暇なら読んでみるのも悪くはない。

  •  チタンの義歯を入れたので何でも噛めるようになり、何でも噛めるどころか歯の先端をすべて犬歯のように尖らせてもらったので天下無敵となり、喧嘩となればすぐ相手の喉笛に噛みついて致命傷を負わせることが簡単にできるため、おれはやたら喧嘩するようになった。

     という「御厨木工作業所」の書き出しには痺れたね。

     『壊れかた指南』は目下のところ2番目に新しい筒井康隆の短編集である。ショートショート10編を含む30編が収録されている。「壊れかた指南」とは、ボケゆく老人を描いた短編かと早とちりしたが、実はそういう題名の短編は収録されておらず、短編集そのもののタイトルなのである。つまり壊れてしまったツツイの短編作法を見よ、ということらしい。
     ではどのように壊れているのか。

     実は先日も、作中にお名前を出した京極夏彦氏との対談で、「それ以上書いたら面白くなくなるという場合は擱筆すべきである.面白い部分を発表すればよい。小説に結末がなければいけないという法律はないのだ」という互いの結論を確認しあったばかりなのである。

     といって話の途中でやめてしまう「稲荷の紋次郎」に示されるような作法をいっているのではないか。
     お話の作り方として昔からいわれているのが起承転結であるが、ここに収録された短編の多くが、「起」で終わっていたり、「起承」で終わっているのである。尤も続きがない以上それが「起」までなのか「起承」まで行っているのかわからないのだけれども。

     さて、評者がもっとも気に入ったのが「御厨木工作業所」。やたら喧嘩するようになったおれは武闘派ヤクザを倒し、その仲間の復讐から逃れるために御厨木工作業所に行くのである。そこでビアスつまりアンブロウズ・ビアスが来る準備にP軸の7/8をnのIVと並べていたり、時間的変化を量子化単位の整数倍として測定していたりする職人たちと、中胚葉の中に列体腔を持った軟体動物で、軌道運動を変更して歴表時をあさっての方向に逃げてしまった女の話をしたりする、そういう短編である。評者の脳裏にはつげ義春の挿画が思い浮かんできた。もちろん挿画付きではありません。

  • 20150929 タイトルと内容が結びつかない。筒井ワールドにはパスポートが必要なのか。今更ながら理解するには他の小説も読んでみないといけないのだと思う。が、そこまでして得られるものは?と考えると動けなくなってしまう。

  • 筒井康隆ほんとうに年とっちゃったんだなぁ。正直、若いときのものとは比ぶべくもない。

  • 実験的な物語?が多くて,意味不明もあるが,面白い物語もある。

  • 断筆以前の作品は買い漁って読んでいましたが、断筆以降の作品は今回初めて読みました。
    筒井作品に期待するドタバタな展開は確かにあるのですが、何となく最後がボンヤリするような感じの終わり方で、断筆以前の作品の爽快感を求めて読むとちょっと物足りなさを感じてしまうかもしれません。
    しかしながら、相変わらず難しい内容の話もスラスラと読めてしまう文章はさすが筒井作品だなぁ、と思いました。

  • 昔からの「ツツイスト」向け短編集。

  • 最後の三篇の終わり方が逆に恐怖すら感じる。解説の通り、いつものパターンだと有り得ない。これが成り立つのも筒井康隆ならでは。

  • いろんな意味で「振り切れている」短編小説集。筒井康隆くらいの大家になると、こういう実験的な小説を書くのは、かなりの覚悟と勇気が必要だと想像するが、そんなことを顧慮した形跡はなく、それがとても清々しい。「耽読者の家」がいい。著者の読書遍歴を垣間見る思いで読んだ。やっぱりこのひたぁ天才だ。

  • 総じてこれが近年の作風らしい(元よりツツイ御大、エログロやハチャメチャな結末は飽き飽きしているんだとか)のだが……前半の作品もドタバタが起りつつ、あるいは起きそうな雰囲気なのに、それが次第にあさっての方向へ向けて妙な展開を見せ、オチも付かずよくわからないまま終わってしまう。

    実験作とはいうけども……ねぇ。どうも今一つ。
    初期ツツイ作品の猛毒に当てられ過ぎて未だに抜けてないから、そう感じてしまうんだろうか。


    詳しくはこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2012-06-27

  • 筒井康隆ワールド独特の、結末が…どうなるの?

    短編とショートショートに、散りばめられた
    壊れかた指南に、筒井ワールドを堪能。

    現実に人それぞれに、どこかしら壊れているような
    社会に、痛烈な皮肉を…感じるが?

  • 筒井康隆の著作を読むのが0〜3冊の方には全くお勧めできない本。いくつか読んでいてもそれが「時をかける少女」「わたしのグランパ」といったジュブナイルだけの方にもお勧めしません。

    そもそも筒井康隆作品を刊行と共にいそいそと買う人というのは筒井康隆ファンであり、ファンという事はどんな作品であっても有難く作品を拝読するものだと思う。そういう人種には筒井康隆作品は通常5つ星、ダメで3つ星という評価しかないので、本作の感想がどうのこうの、というのは一切必要のない情報。誰が何言おうと読むったら読むんだい、と。

    本作の内容を一応言うと、オチが読めているけどそこまでいかない、とか暗喩のような違うような結末とも言えない結末を迎える、とかなんだか特殊な本。文中でも語られているけど、はちゃめちゃな暴力、エログロによる結末には御大がとっくに飽き飽きしているらしい。

  • 学生時代から読み続けている筒井。断筆騒動やらいろいろありました。筒井の本質、それは「騒動」ではないか、と今更ながら思いました。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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