聖徳太子 1: 日と影の王子 (文春文庫 く 1-23)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167182236

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  • 日本の国の成り立ちを知ることができる入門書ともよぶべき物語。

  • 20年以上前の本を再読。

    物語は聡明で奔放な厩戸皇子が物部合戦に従軍した少年の時代から始まる。
    当時の大王(天皇)とそれを取り巻く大臣・大連らの豪族らの勢力争いの中で、蘇我氏の頂点に立つ馬子との関係を強く意識しながら成長する厩戸。
    馬子の娘である刀自古郎女との婚姻など世俗的な一面が興味深い。

    ストーリーがゆっくりゆっくり進むおかげで人間関係がよく頭に入る。

  • 物部との戦いから始まる厩戸の王子の物語。後世聖人として崇められる人はきっとこんな人だったんたろうな。 

  • 厩戸の王子がじつに人間らしく生き生きと書かれている。1巻では15歳から17歳まで。蘇我馬子の権力が増大してゆく中、大王の威厳は失墜してゆく。だが馬子の政治家としての魅力に厩戸王子は惹きつけられる。
    農民の娘に一目惚れしたり、母の再婚に悩んだりと、聖徳太子の少年時代がありふれた一人の少年の姿として描かれながらも、その才覚を徐々に発揮してゆく…

    人間・厩戸王子の今後に目が離せない。

  • 「聖徳太子(1)」黒岩重吾著、文春文庫、1990.04.10
    406p ¥520 C0193 (2021.09.12読了)(2001.12.07購入)(1994.04.25/5刷)
    副題「日と影の王子」

    【目次】
    物部合戦
    夜明けの前
    春雷

    ☆関連図書(既読)
    「日出処の天子(1)」山岸涼子著、白泉社、1980.08.25
    「日出処の天子(2)」山岸涼子著、白泉社、1980.12.25
    「日出処の天子(3)」山岸涼子著、白泉社、1981.04.25
    「日出処の天子(4)」山岸涼子著、白泉社、1981.11.25
    「日出処の天子(5)」山岸涼子著、白泉社、1982.04.25
    「日出処の天子(6)」山岸涼子著、白泉社、1982.09.25
    「日出処の天子(7)」山岸涼子著、白泉社、1983.03.25
    「日出処の天子(8)」山岸涼子著、白泉社、1983.08.24
    「日出処の天子(9)」山岸涼子著、白泉社、1984.02.23
    「日出処の天子(10)」山岸涼子著、白泉社、1984.07.24
    「日出処の天子(11)」山岸涼子著、白泉社、1984.12.25
    「聖徳太子(1)」池田理代子著、創隆社、1991.11.08
    「聖徳太子(2)」池田理代子著、創隆社、1992.02.20
    「聖徳太子(3)」池田理代子著、創隆社、1992.06.15
    「聖徳太子(4)」池田理代子著、創隆社、1993.03.31
    「聖徳太子(5)」池田理代子著、創隆社、1993.07.24
    「聖徳太子(6)」池田理代子著、創隆社、1993.10.29
    「聖徳太子(7)」池田理代子著、創隆社、1994.11.10
    (アマゾンより)
    性に憧れ、政争を忌みながらも、着々と理想国家建設に励む聖徳太子。その赤裸の実像を豊かな知識と雄渾なスケールで描いた話題作

  • 聖徳太子は聖人としか知識がなかったので、子どもの頃の人間らしさと感情豊かで皇子らしくない、そして皇子らしい考え方と頭の回転の良さに聖徳太子の人間像に引き込まれ時間を忘れて読みふける。

  • 登場人物の名前が漢字ばかりで読む速度がグンと落ちました^^; 後に聖徳太子と呼ばれる厩戸皇子。まだ1巻で17歳の若者(当時は立派な成人かもしれませんが…)。これから彼がどのように馬子とわたりあっていくのか楽しみです。

  • 初・黒岩重吾。
    名前だけは知っていたけど、古代日本・飛鳥時代を舞台に歴史小説を描く第一人者。
    この分野は、文献も少ないため、考古学的・民俗学的知識がはずせない。
    そういった意味では、彼の幅広い知識には感服です。
    これからますます読み進めたくなった。

    篠崎紘一氏の「悪行の聖者 聖徳太子」と併読していたため、内容が重複してしまうが、内容的には前者と同じく、聖徳太子も結局は人の子で、最初から聖人ではない、という趣旨で始まる。

    この時代はとにかく、名前が読みづらいので、常にルビを振ってくれているこっちの小説のほうが、読みやすい感じがあった(篠崎氏のほうは、一度しか振らないので、あとあとどうやって読むのかわからなくなる)。

    馬子を畏怖していたこと、炊屋(推古天皇)と間人は仲がよろしくないこと、竹田皇子と厩戸も仲がよくないこと、このあたりは、山岸涼子の「日出処の天子」や篠崎氏の「悪行の聖者」ともだいたい同じ。感受性が鋭く、繊細だったというところも、一緒。

    ・とにかく秦河勝との主従関係・親友関係が強い
    ・刀自古とは最初は仲睦まじい感じ
    ・泊瀬部(崇峻)と馬子の軋轢についての経緯がよくわかる
    ・物部守屋との争いで蘇我が天下をとっていくところの経緯も詳しい(最初の章はこれではじまる)
    ・父・用明天皇(橘豊日大王)を溺愛していた。ここは「悪行の聖者」と一緒。
    ・母・穴穂部間人皇女と、甥にあたる田目皇子との再婚について、毛嫌いするところで一巻は終わる。
    ・狩りや戦の臨場感がすごい。
    ・地理やその時代の背景などについても、黒岩氏自ら途中で解説をいれていくので、わかりやすい

    ざっと第一巻の感想でした。
    ふー、二巻目が楽しみ♪

  • 性に憧れ、政争を忌みながらも、着々と理想国家建設に励む聖徳太子。その赤裸の実像を豊かな知識と雄渾なスケールで描いた話題作

  • 飛鳥旅行後、父に借りた。

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著者プロフィール

1924-2003年。大阪市生まれ。同志社大学法学部卒。在学中に学徒動員で満洲に出征、ソ満国境で敗戦を迎える。日本へ帰国後、様々な職業を転々としたあと、59年に「近代説話」の同人となる。60年に『背徳のメス』で直木賞を受賞、金や権力に捉われた人間を描く社会派作家として活躍する。また古代史への関心も深く、80年には歴史小説の『天の川の太陽』で吉川英治文学賞を受賞する。84年からは直木賞の選考委員も務めた。91年紫綬褒章受章、92年菊池寛賞受賞。他の著書に『飛田ホテル』(ちくま文庫)。

「2018年 『西成山王ホテル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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