てのひらのメモ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2012年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167184315

みんなの感想まとめ

裁判員制度をテーマにしたこの作品は、判断を下す責任の重さや他人の意見に振り回される心情を描いています。複雑な人間関係や心理を背景に、補充裁判員の視点を通じて展開されるストーリーは、予想以上にスリリング...

感想・レビュー・書評

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  • 裁判員かぁ、責任重大だなぁ。
    これ、どう判断すればいいのか迷いそう。
    他人の意見や見た目や雰囲気などに振り回されそうだ。
    人の心の中なんて、他人からわかるわけないのにね。子供の行動や母親の行動から判断するしかないのか。

  • 犯人性や、主たる行動内容に争いはなく、あとから少し新事実が加わるものの、大きな変化はない
    普通に考えたら小説としての面白味など無さそうなのに、補充裁判員という視点を加えることでスリリングな展開に。
    失礼ながら一昔前の作家さんのイメージだったのだが、裁判員導入でこんな本を書けるとは。本当に凄い。

  • 裁判員制度。
    人を裁くのは難しい。

  • 利用者さんからいただいた本。
    予想以上におもしろかった。
    何より文章が丁寧で分かりやすいから助かります。
    裁判員裁判がよく分かりました。

  • たんたんとした小説の中に、主人公の人間性がちらちらと見える。もう少し深く個人に入っていってもよかったのかなとは思います。

  • 裁判員を交えた裁判の進め方が日時を追って進められており、わかり易い。喘息の息子を放置して死に至らせた被告の状況が証人の証言等が進むについてれ明らかになってゆく。被告、証人たち、登場人物たち、特に亡くなった息子の思いあるいは立場が伝わってきた。、物語としても面白かった。検事側の論告を項目ごとに整理して、個々の論告内容が弁護側の弁論によって崩れるか否かを判断してゆく。その判断は多数決できまり、1票の差で有罪と無罪に分かれる。被告にとって厳しい現実を感じた。その場の雰囲気が変わったり、与えられた情報が異なれば、裁判員の心証が変化して、判決そのものが変わってしまうという恐ろしさも感じた。

  • 考えることは多い。
    帯で煽っているほどの衝撃はない…
    淡々と知識を得た感じ。

  • 小さい子どもがいて働いているので(しかもクリエイティブ職)ということで被告に少しだけ親近感が湧いたり、ドキっとしたりしながら読んだ。
    考えさせられることはあるのだけれど、裁判員になった人が主人公だったからかサラッとした印象のみが残った。もっと被告に踏み込んだらちょっとは変わったのかなぁなんて。
    個人的にキャリアウーマンの被告がなぜ浮気されて出来た子供を育てようと決意したのかの理由に腑が落ちない・・・

  • 裁判員制度の本。するする読めるし、面白かった。帯ではドラマチックな話のように書かれているけど、思ったより淡々としていて逆にそれが良かったと思う。

  • 答え出ず。

  • 裁判員制度が始まっていますが、自分もいつどんな時に裁判員としてなるかは分からないのでこの作品は裁判員制度の流れを事細かく描かれているので、こんな風に裁判員というのはするのかという見本になりました。

    私も時々テレビなどの報道で裁判での被告人のスケッチなどで、
    今までは地味な服装などだった記憶があったのですが、
    最近はある事件の女性の被告人は綺麗な身なりで、
    裁判を何回も開かれるごとに服装を変えていたということに違和感が
    あったのですが、それは裁判員制度施行の前から変わったということが分かりました。
    これは裁判員制度が行われるから、あまりにも身なりが悪いと印象も悪くなるのでそうなったのかなと推測してしまいました。
    それとも拘置所の服で市民の裁判員には少し抵抗感があるかもしれないので、そうゆう配慮があるかもしれないかと。

    この裁判の内容はストーリーの通り、シングルマザーの千晶が
    喘息で苦しむ保育園児の息子を大切な会議に出席するために
    子供を家に置いて出社し、死なせてしまう。
    検察は保護責任者遺棄致死罪で起訴、有罪になれば
    三年以上二重年以下の懲役刑となる。
    この刑を裁判員達がどう裁いていくかが描かれていますが、
    裁判中の検事と弁護士との熱弁にはとても迫力があり、
    まるで目の前でやり取りを見ているかのようでした。

    自分がもしこの案件の裁判員となったらとても難しいなと思いました。
    千晶はシングルマザーで女手ひとつで生活を支えていかなくては
    いけない立場であるのはよく分かります。
    決して息子を故意的に死なせてしまったわけでもなく、
    喘息の症状を今まので経験から安心して出社してしまって
    このような事態になってしまったのだから有罪に持っていくかどうかは微妙な思いです。

    けれど親である限り喘息というのは中程度であっても、
    子供の場合は急変する場合があり、ましてこの日は風邪をひいていたので、忙しい中でも見守る義務もあったのではないかと思います。

    それに加え仕事だけでなく、男性問題が関わり、
    この息子との間にも秘密な事があるので、内部の関係者でない限りは
    想像でしか千晶の行動や心理なども判断しないといけないので
    とても難しい判決だと思いました。

    ただ難しい判決ですが、常に他の裁判員の人達と評議を何度もして
    それに裁判官数名が一緒になって分からないところは何でも聞き、
    話し合い、自分の結論が人の意見で色々と変わっても良いのだなと
    いうのを知ることができたので少し安心しました。

    市民が裁判員となり難しい問題に当たっても、
    例え家族であっても相談することなく守秘義務を守り結論を出すのは
    なかなか難しいなとも思いました。

    裁判員制度は他の国でも導入されていますが、
    こう急に人の量刑、まして重い刑などを出す場合の裁判は
    とても難しいとつくづく思いました。
    せめてその前の段階から徐々に慣れてからその段階に移行されれば
    良かったなと制度自体に不満が残ります。

    けれどいつか裁判員になるかもしれないので、
    その時には古代ギリシャの裁判官に必要な
    『親切に聞き、抜け目なく答え、冷静に判断し、公平に裁判することなり』
    という言葉を思い出して挑みたいと思います。

  • 裁判員に興味があったので本屋で目にとまり購入。
    シングルマザーが、社会人として、女性として、そして母親としてどうするべきだったのか?
    被告人の揺れ動く気持ちはもちろん、裁判員の気持ちの動きをドキドキしながら(自分も仲間入りした気分で)あっという間に読みました。
    人を裁くのは人というのを改めて実感させられました。

  • 取材に取材を重ねたというだけあり、臨場感あふれる作品となっている。

    だがどこか物足りないのは、「法律に明るくなく、まさか裁判員なんかに選ばれるなどとは夢にも思っておらず、平凡な、だけど少しの秘密を抱えた専業主婦」というありがちな人物を芝居回しに選んだところだと思う。

    裁判員ものの常連、主婦。
    あとは端役として、世間知らずの若者、固定観念に囚われた爺さん、検察側弁護側それぞれの意見を聞くたびに主張をころころ変えるおばさん、多忙なおっさん、寡黙ながらたまの発言が鋭い青年。こんな感じの作品が多すぎる。


    一方で好感を持った部分は、事件そのものに、隠された秘密やら、判決間際で明かされる驚きの真実なんかが特になかったこと。
    そういうものが登場することで話は面白くなるものの、どう裁くかという本質からずれていきがちだと思うので。


    裁判員制度についてレポートやら試験で聞かれれば「被害者の立場に立てば~」とか「開かれた裁判とはうんぬん」とか書くしかないけど、賛成とか反対とかじゃなく、とりあえず、私が加害者だったら大迷惑だと思うだけ。

    真実なんか何も知らずに、むしろ知ろうともせず、親なら子育て、社会人なら会社の掟、そんな自分の経験と勝手に結びつけて、憎んだり哀れんだりされるなんて超恐ろしい。超主観的。本のレビュー並。

    偉い人数人に判断されるならまだしも、ただのそこらへんの人に動機や性格まで推論で話されるなんて腹立たしさでぞっとする。


    この本は、そのあたりの普通の人の感性、ものの見方の違い、そこからくる判断の相違を上手に書いてある作品ではある。淡々としてるところも夏樹静子さんらしいと思います。勝手な主観で三点。

  • 裁判の様子を追う内容なので、難しい&退屈かと思ったが、とんでもなかった。裁判員の一人の目を通して描かれているので、自分も裁判員の一人になって審理に参加している気分で引き込まれた。私もここで質問したい!と何度も思いつつ読み進めた。内容的には非常に重く、短時日で判決を導きだす裁判員裁判の責任の重さを感じた。夏樹静子さんだけあり、裁判小説というだけでなく、ミステリーとしてもぐいぐい引き込む展開はさすが。

  • 肝心じゃなくあえて肝腎の方を使う意図はなんなんだろうか?一般的な感じではない方をチョイスしていると意図的なものを感じる。本編にマッチしていないと尚更違和感だけが残る。

  • 裁判員制度がこういうものかと思うことができた。真実が気になるが現実問題、証拠や証言で判決をしなければいけないのと同じだ。

  • キャリアウーマンが息子を亡くしてしまったことから、裁判でその責任を問われる中で進む物語。

    裁判員裁判がとても丁寧に描写されていて、自分も裁判を体験してるかのような気持ちにさせてくれる本。

    一筋縄ではいかないところや、いろんなケースを想定してあって、盛り込みすぎなところが多少違和感があるけれど、疑問を投げかけてくれる題材としてはとてもいい本だと思った。

    最後までスッキリ解決というようなサスペンスとは違うけれど、現実はわからないことだらけ。それをこうやって形作っていくのだと裁判を知れたのは読んでよかったこと。

  • 広告代理店で働くシングルマザーの千晶は、会議出席のため、喘息の発作が起きた子供を家に残して出社、死なせてしまう。検察は千晶を起訴。市民から選ばれた裁判員は彼女をどう裁くのか?法曹関係者を徹底取材して裁判員制度をリアルに描いたリーガルサスペンス。NHKドラマ化でも評判となった話題作。

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著者プロフィール

一九三八(昭和一三)年東京都生まれ。慶応大学在学中に長編『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補に選ばれる。七〇年『天使が消えていく』が再び同賞の候補になり、単行本化され作家デビューを果たす。七三年『蒸発』で日本推理作家協会賞、八九年に仏訳『第三の女』でフランス犯罪小説大賞、二〇〇七年日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『Wの悲劇』『』や「検事 霞夕子」シリーズなどがある。二〇一六年没。

「2018年 『77便に何が起きたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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