空港にて (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2433
レビュー : 290
  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167190064

感想・レビュー・書評

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  • 村上龍に最近はまってて、たまたま手に取った一冊。自分が今まで読んだ他の作品に比べるとえぐい描写はほとんどなく、心情描写に焦点をあてて「時間を凝縮させた技法」で主人公の人生の背景や人間関係が描かれている。
    一遍話が終わったところで時間は大して進んでいないけれど、話の終わりには主人公のことをずいぶん知った気になって、気が付いたら感情移入していた。主人公たちは少し暗い部分を抱えていて、全体的にもやがかかったような雰囲気があり、その感じが個人的に良かった。自分も頭の中でよく考えるタイプなので、この描写の細かさ、面倒くささが気にいったのかもしれない。

  •  長編小説が意外といけることが判明したので、再度、短編集にチャレンジしてみたんですが。

     ダメでした……。

     合わない。とことん、合わない。
     もうちょっとマシだと思ったんだけど、読んでて苦痛で仕方がなかったです。
     苦痛ついでに、どうしてこんなに苦痛なのか、ぼんやり考えてみた←

     その結果、この人の日常描写の小説って、情報過多なんだなあ……って思いました。
     前は「アフターダーク」読んで、「もう二度と読まねえ!!」って思ったんだけど。
     そもそも、誰かの足元で虫が動いていようと何を食べていようと! その虫が1匹だろうと2匹だろうと! そんなことは物語の本筋には関係ないし、そんな細かいことをいちいち知らされても困る……というわけだ。
     そこで行くと長編的なものになると、現代小説+ファンタジー要素の説明が入ってきて、その細かいくらい鬱陶しい説明がファンタジー要素の設定説明で相殺されるようなので、何とか耐えられるレベルになるんだよね。

     あー……本当、苦痛。

     でも、この人もしかして本当に、これだけの情報量をいつも相手にしている世界に生きているのかもしれないなあ……と思ったりしたら大変だなって思います。
     ちょっと昔に「鈍感力」って日本語が流行ったけど、その言葉がこれほど大切だと痛感できる物語ってそんなにないよね……という。
     まあ、私もその神経過敏というか聴覚だったり、触覚だったりが過敏だというのは、感覚的にわからなくもないけど、これだけうるさかったら正直鬱陶しいわ!! と思う。

     作家さんだから、わかってて書いているのだと思うんですけど、それにしてもしんどいっすね。

  • 想像を掻き立てられながら読んでいたのですが、最後のサイトウで急に現実に引き戻されました。

  • 全編通して流れる空気感が好き。ある一場面を切り取ったお話なのに、それぞれの主人公が体験した物語が同時進行で語られて広がっていく。あとがきにもあるけど、境遇はあまり恵まれてないむしろ不幸の範囲に収まってる瞬間から、前向きに前進するであろうひとすじの光明が差している。そんな空気が漂っている。

    長編であるような幻想的な表現は抑えられていて、非常に読みやすい。内省的語り口にはなるけど、破滅要素はほとんどない。心がぽっと軽くなるような小説です。

  • 短編のなかでは「空港にて」が一番すきだが、全体にあまり好みの文体、小説ではなかった。

  • タイトルに惹かれて海外出張用に買った一冊。
    空港のほか、コンビニ、駅前、披露宴会場などごく普通の場所を舞台にした短編集。村上龍的男女のカオスがどの一編にもちゃんと入っている。この本を読みながらワタシの頭に浮かんだのは「砂の嵐」。読み始めるとザーッという音が始まって、だんだんそのボリュームが上がってきて、過去に視点が移るとザー音が高くなって、現実に戻ると低くなる。そしてボリュームが最大になる手前で物語は終わって、ザー音もふっと消える。効果音というか、ノイズというか。

  • 村上龍の本を読むのは初めてだが、主人公が女性の物語の方が活き活きと描かれている気がした。

  • 文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    ひきこまれた ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯




    何年かぶりに、本を手にした。
    リハビリ読書。
    題名を見て、なんとなく選んだ。

    私の今の希望ってなんなんだろう、と考えると戻ってこれなくなる。

  • 初の村上龍。読んでいて空気が淀んでいるような閉塞感を感じたにもかかわらず一気に読んでしまった。「空港にて」は希望を感じさせるラストてよかった。

  •  8編からなる短編集。
     8つの身近な場所があり、8通りの時間経過があり(絶妙な表現方法を用いている)、閉塞感を漂わせる8人の男女が登場する。
     話の流れを追う、というよりも、とある場所のとある時間を切り取った場面を描写している。
     過去は語られるが、未来は語られない。
     つまり、その場所から、その時間から、突き詰めて言えばその人生から、旅立つことが出来るのか、出来ないのか、希望は叶うのか、叶わないのか、それら一切は語られていない(最後の「空港にて」のみは、ホロリとする希望に満ちた作品ではあるが)。
     結果を求める人や、話の流れを読みたい人、突拍子もない出来事を楽しみにしている人にとっては、この本は退屈で仕方ないだろうな、と想像できる。
     僕は読み始めてから、ズルズルと引き寄せられるように、最後まで一気に読み通してしまった。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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