69 sixty nine (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.78
  • (252)
  • (291)
  • (321)
  • (43)
  • (17)
本棚登録 : 2483
レビュー : 209
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167190071

作品紹介・あらすじ

1969年。安田講堂事件が起き、東大は入試中止。アポロが月に行き、ビートルズが「アビーロード」を、ローリング・ストーンズは「ホンキー・トンク・ウイメン」をリリースした。ベトナム反戦運動が高まり、基地の町・佐世保で、僕は高校をバリケード封鎖した-。明るく楽しく生きる青春のエネルギーに満ちた日々を描いた永遠の古典。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 前半は抱腹絶倒でした。すんげー好き。後半はフェスティバルも終わり、しみじみとしてしまった。青春ってアホくさい時期だけど、あの時期しかない感覚がたくさんあるのだなぁ…。


    私は村上龍氏の本が好きで、色々読みたいと思っている。が、一番最初に買った龍本で倒れそうになった。①きれいなタイトル、②女性の美しい横顔、③芥川賞という、全てに魅かれてしまったのだ⇒「限りなく透明に近いブルー」。読了後、芥川賞って一体何なの~。と、不信感とショックから、しばらく読書から離れて立ち直れなかった時期がある。今は新装版を一度読んでみたいと思う。(きっと今なら大丈夫♪)


    69年。私はまだ生まれていなかった。でも、母から聞いた大学紛争や革命のような運動は、本当におそろしく、夜は外を歩けないくらい物々しかったらしい。


    69年から46年も経っている。読んでいると日本丸ごと、日本人も、ソフトに骨抜きされつつも、状況は悪化しているような気がするし、これからもっと悪化して、ますます生きにくい世の中になっていくような気がするし、実際になってきていると感じた。69年の方がまだ真っ直ぐだったような気さえする。海軍にいた祖父曰く「体たらく」な世の中だそうだ。


    私が高校1年だった頃、先輩たちは暴れ、先生は竹刀を持ち校内を巡回し、竹の棒や指輪で生徒の頭を殴ったり、殴られて鼻を骨折する生徒とかがいた。「説教」「指導!」「正座」「一時間立ってろ」とか、ざらだった。私もマラソンの時、走らずに歩いてビンタされたことがある。今はそれは体罰なのだけど、何だかちょっぴり懐かしくもある。


    一番笑ったのがアマダがランボーの詩を声を出して読んだところ。ケンよりもアマダがいい味出していて笑った。私の親世代が読んだら、きっと「まぁ、懐かしいわねー」と言うと思う。


    「コインロッカー・ベイビーズ」、「五分後の世界」シリーズや「イン ザ・ミソスープ」が読みたくなる。

  • この本を勧めてくれた人にそっくりそのままな矢崎が眩しい。
    「ケンのごたる人間は、逆に、わがままじゃなくなったらオシマイになるとかも知れんね」
    本当にそれ。
    「退屈な連中に自分の笑い声を聞かせてやるための戦いは死ぬまで終わることがないだろう。」
    わたしも、いつか戦って、勝てる日が来るのだろうか。

  • 高校生の時に読みたかった!
    本編は娯楽作品。とても面白かったし、すごく共感できた。
    ウンコで笑うシーンなんか、情景がありありと想像できる。自分ももしあの場にいたらあんな風に苦しくなるだろう。
    そんな時間を、かけがえのない友人とともに、濃密に過ごしたのはうらやましい。

    また、本編とはうってかわってあとがきが刺激的だった。あとがきを読んで、高校生の時に読みたかった!と強く思った。

    まだ自分も若者の領域だと思って日々サバイバルしていきたい。

  • 実話だったことにびっくり。
    あんなに面白い学生生活羨ましい。
    若さが溢れ出して眩しかった。

  • H30.01.14 読了。

    ストレートな青春モノ。
    村上龍さんの実体験を元にしているだけあって、話の広がりか現実的。

    いかんせん、村上氏と世代が全然違うので、その時代の学生運動?が浮かばないので、感情移入できないのが難点。

    半フィクションだからか、主人公の親友、岩瀬の存在の微妙さ。
    完全なフィクションなら、特に必要性も無いようなキャラクターだな、と思った。
    その中途半端さから現実味を感じた。

    ちょっとおバカな青春。
    本当にちょっと、なんだよなぁ。
    もっとハジけても良かったかなぁ。

    台詞に方言が多いものの、文章自体はとても読みやすいし、ストーリーも簡潔。
    なのに、面白さは普通。

    ジャンルは違うけど、学園・青春モノだと、去年読んだ恩田陸さんの『六番目の小夜子』の方が好みな話だった。

  • 佐世保出身の作者が、自分の高校生時代を振り返って書き下ろした自伝的小説。1969年という時代背景を大切にしつつ、当時の仲間たちと楽しく過ごしていた様子を書き、青春時代を楽しんで生きることの大切さを描く。

  • 個人的に思うところが多くて中々感想を書きづらい。僕が幼少期から、主人公の言う『家畜』側の人間だからだろう。だからと言って、主人公の感性には殆ど共感できないが、この『共感できない感情』すら誰かから強制された感覚なのではないかと疑ってしまいたくなる。ただ少なくとも、主人公こと筆者の言を信じるならば、白髪の生徒会書記長は赤軍に入った挙句シンガポールで逮捕された。自分勝手だとしても自ら考えることができる人間より、思考停止で何かを妄信する人間の方が危ういのかもしれない。
    著者はあとがきに、「楽しんで生ないのは、罪なことだ」p242と書いた。より詳しく書くなら「楽しもうと努力しないことは、罪なことだ」とも言えるのではないか。苦痛を我慢し適応しようとする僕とは根っから正反対なんだろう。羨ましいとは思わない、ただただ感心する。羨ましいと思わないのは、そうして得られた結果には必ず苦痛がつきものだからだ。今作の主人公についても、彼の行動でどれほどの苦痛を主人公自身や周囲に及ぼしたか知れない。結果だけ見れば勿論羨ましいが、そうした苦労と天秤にかけてどちらが傾くがと言う点で、主人公と僕は正反対なんだろう。
    ただ、このあとがきが1987度版で、この冊子には更に2007年度版のあとがきが追加されているのも面白い。いや、面白いと言うより、「あんなに息巻いていたのに寂しいこと言うなよ…」となる。何が時代を超えて普遍的な事象であるかは、注意深く見なくてはならない。
    「90年代初頭バブルが崩壊し経済は縮小して、冷たい水を浴びせかけられたように人々は多幸感から醒め、現実と向かい合うことになる。そして今、若い人に向かって『楽しんで生きないのは、罪なことだ』とアドバイスする余裕は、わたしにも日本社会にももうない。」p244
    「現在必要なのは『どう楽しんで生きるか』ではなく、更に基本的で切実な『どうやって生きるか』という問いだからだ。」p245

  • あまり村上龍らしくないと思っている作品。でも好き。できたら、他のえぐい村上龍作品を読みまくってから本作品に取り掛かってほしい。こういう作品も書けるのだなぁとびっくりした。
    また、文中いきなり大きいフォントが挿入されるなど視覚的に実験的なことをしているのも特徴。

  • 昔大好きでよく読んでいた“ぼくらシリーズ”を思い出した。
    今大学生である自分と、この小説の高校生と比較すると、自分は圧倒的に世の中のことを考えていないことに少し危機感を感じた。果たして、どれくらいの人が純粋な気持ちで政治活動をしていたのかは謎だが。でも、この小説が言いたいことはそういうことではないですよね。
    実は半年前くらいに一度途中で諦めていたので、今回も最後まで読めるか不安だったがちゃんと読めた。

  • 高校以来に読み返した。
    やっぱ面白い。

全209件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

69 sixty nine (文春文庫)のその他の作品

69(Sixty nine) 単行本 69(Sixty nine) 村上龍
新装版 69 Sixty nine 単行本 新装版 69 Sixty nine 村上龍

村上龍の作品

69 sixty nine (文春文庫)に関連する談話室の質問

69 sixty nine (文春文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする