よろずや平四郎活人剣 下 (文春文庫 ふ-1-14)

  • 文藝春秋 (1985年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (464ページ) / ISBN・EAN: 9784167192143

みんなの感想まとめ

多彩な人間模様と緻密な描写が魅力のこの作品は、主人公・平四郎がさまざまな依頼を受けながら、時代の波に翻弄される様子を描いています。物語は、仲裁役としての彼の活躍を軸に、中年夫婦の離縁話や駆け落ち娘の探...

感想・レビュー・書評

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  • 何度読んでもいい!藤沢周平の時代小説は、日本文学の金字塔だと思う。例えば…


    ① 彦六は浮かない顔をしている。平四郎が荒療治の中身を話して聞かせると、それしかテはありませんと力強くうなずいたのに、いざ実行にかかるとなると、彦六はやはり心配が先立つらしかった。
    ❷ 橋の下から吹き上げて来る風はいささかつめたいが、水色の空が頭上にひろがり、日はまぶしいほど橋の上に降りそそいで来る。橋の上手にも下手にも、幾艘かの舟が走っていて、船頭が櫓を押すたびに、櫓の先に日の光が砕けるのが見えた。
    ③ 東両国に渡ったところで、二人はそば屋に入って昼食を取った。金は彦六に払わせた。こういう掛かりは依頼人が負担すべきである。… 【下巻 「逆転」より】

    最近の小説だと、❷の様な段落は入らない。いきなり①から③へ跳ぶだろう。しかし、❷を入れて通読すると、主人公が過ごしている季節の様子から周辺の状況に止まらず、依頼人との関係にいたるまで眼前に広がるように頭に入ってくる。

    『類まれなる日本語の使い手』の本領発揮ともいうべき作品です。お薦めです。

  • なんとなく物事の仲裁役の仕事がうまくいき、収まるところに収まるようだ。

  • 世にもめごとの種はつきぬとはいえ、依頼主のもち込む話は多彩をきわめる。中年夫婦の離縁話、勘当息子の連れもどし、駆け落ち娘の探索等々。武家とちがい、万事気儘な裏店にも、悲哀にみちた人生絵図がある。円熟期にあるこの作家の、代表的短篇連作シリーズ。愈々佳境。人の姿、世の姿の哀切な陰影を、端正に写し出す話題作。(親本は、昭和58年刊、1985年文庫化)
    ・消えた娘
    ・嫉妬
    ・過去の男
    ・密通
    ・家出女房
    ・走る男
    ・逆転
    ・襲う蛇
    ・暁の決闘
    ・浮草の女
    ・宿敵
    ・燃える落日

    天保の改革をめぐる鳥居耀蔵との暗闘を縦軸に、目付神名監物の末弟、よろずや平四郎の活躍を描く短篇連作。藤沢は、時代小説に史実をうまく絡める。最後は大団円なのも良い。

  • 連作短編 下巻

    上巻に続き、よろずもめごと仲裁業をこなしつつ、目付の兄に関わる、反改革の動きも佳境に入り、さらに平四郎と早苗の関係も・・・と、面白みを増して読めました。

    ラストは爽やかで心地良い読後感です。

  • 96年21刷本

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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