回天の門 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1986年10月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784167192167

作品紹介・あらすじ

山師、策士と呼ばれ、いまなお誤解のなかにある清川八郎。しかし八郎は官途へ一片の野心さえ持たぬ草莽の志士でありつづけた。維新回天の夢を一途に追うて生きた清冽な男の生涯。

みんなの感想まとめ

草莽の志士として生きた清川八郎の生涯を描いた作品は、幕末の動乱の中での彼の苦悩と理想を浮き彫りにします。八郎は、他の志士たちと異なり、強力なバックボーンを持たず、自らの力で部隊を結成しようと奮闘しまし...

感想・レビュー・書評

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  • 20241211

  • 新選組を作った清河八郎新庄藩主を産んだ戸沢の大地主の息子が時代を切り開いていく。何とも悲しい時代小説千葉道場の師範代を務めた剣客でも有り暗殺される前には大崎市鳴子温泉の尿前の関所まで来たのが印象的。

  • 1986年第1刷、文藝春秋の文春文庫。悲劇は草莽の志士であったことにあるという、あとがきの文のとおりだと思う。他の志士は藩や幕府の力がバックボーンにあるのに対して、(出身が北国であることも含んで)バックボーンがなかったことから、自分の部隊を作って実力を持とうとせざるおえなかったところが、悲劇のもとなのだろう。当然かもしれないがこの人の歴史小説は、時代小説と変わらない文章の調子である。

    あとがき:(昭和54年9月)、他:単行本は昭和54年11月文藝春秋刊、

  • 幕末の尊王攘夷志士である清河八郎の一代記。浪士組を結成して、幕末の動乱の火種を作った人物ですが、あまり有名ではないのが残念です。
    早すぎた志士としての一生涯はあまりにも呆気なく幕を閉じたと思います。

  • 2017.10.2(月)¥250(-2割引き)+税。
    2017.12.8(金)。

  • 清川八郎という人は作者藤沢周平の出身地鶴岡に近いところの出らしい。そのせいか、ものすごく力が入っていることを感じる。
    内容はもう持ち重りするくらい文字がたっぷり。良書。
    八郎が倒幕の意思を固めるあたりから、この本は俄然おもしろくなる。司馬遼太郎の本でもなんどか清河八郎は登場する。あまりよい印象はなかったが、これほど強烈な意思を持っていたとは..。この時代の人の持っていた熱量はすごかったと思う。幕末が迫ったこの地代の幕府の動き、朝廷のうごき、司馬遼太郎では分からなかった部分が少し見えた。

  • 時代の為に、討幕を説いて回った志士『清河八郎』
    読む前はあまりよいイメージはなかったが、高い志を持っていたが故に、誤解されていたのか?

    あまりに時代の先を行き過ぎると、人々からは理解されにくい。

  • 清河 八郎が主役。嫌なヤツってイメージしかなかったけどこの本によるとまじめなやつ。 電子書籍

  • 読書期間:4/2-4/20(19日間)

    あらすじ:変節漢・山師・策士とひとは呼ぶ。清河八郎は今なお悪評のさなかにある。八郎は仕官の途さえ望まぬ、一個の”草莽の士”であった。さらにその時代は、倒幕の機いまだ熟さず、彼は早すぎた志士として生きねばならなかった。郷里出奔から、麻布一ノ橋で凶刃に倒れるまで、この悲劇の孤士の生涯を余すところなく辿る力作一千枚(裏表紙より)

    感想:清河八郎には、大いに興味があった。新撰組関連の書籍を乱読する中で知っている知識といえば、「幕府を守護し、京都に跋扈する”尊攘志士”を取り締まるため、浪士を集めて任につかせる・・・と見せかけ、京都で尊攘倒反幕の団体にしようとして新撰組にのっとられた大博打に失敗した男」である。
    その博打たるやあまりに大胆で、どえらいことをしようとしているものの、結局成就しなかったこと、その後の新撰組の活躍が目だってしまったため、余り語られることがない。(と思う)。
    本作は、非常に珍しい清河八郎もので、大好きな藤沢周平さんだったので、莫大の期待と共に読みました。

    感想としては、悪く言えば退屈、よくいえば非常に丁寧に描写してあります。作品としての評価について、個人的にはじっくり丁寧でよかったと思いますが、一般的には高評価は難しそう。

    清河は、羽州田川郡清川村の素封家 斉藤家の長男で、お金持ちで将来を約束されたボンボンです。ですが、環境に倦んでしまい、両親の反対を押し切って江戸にでます。江戸では文武に頭角を発揮、私塾を開き剣と学問を教えるのですが、尊攘の志に目覚め、反幕感情から地下活動を行うようになり・・・といった人生。

    作者の想いとして、「変節漢・山師・策士」といった世間の印象を払拭し、一個の”草莽の士”であった、と再評価させたいという狙いがあるようです。
    が、読了後も、やはり詐欺師的な、扇動家という印象でした。最後の賭けがあまりに博打的であることが問題なのですが、ただ、一千枚を読後、同情するところはありました。

    じっくり丁寧に清河八郎を知りたい人にはお勧めの一冊です。幕末の動乱にドキドキを求めたりカタルシスを感じたいなら、あまりお勧めできない一冊です。

  • 特に幕末に強い興味を持っているというわけではない私にとっては、登場人物が多く、関係性もなかなか複雑なので、大局を掴むのに少し苦心した。
    清河八郎という人物に対する著者の愛情のようなものはよく伝わってきた。

    今を生きる我々にとっては俄かに想像し難いが、日本でもちょっと前までは、嫡子が後を継がずに家を出るとか、身分を問わずに好む人と結婚するとかいうことが非現実的な望みで、それを実行するためにはとてつもない艱難辛苦が伴ったんだなあ、という思いを新たにする。

  • まっっったく予備知識を持たずに、ゼミの教授の本棚から適当に一冊引っ張って読んだのがこちら。

    前半部分なんて、誰のことを書いている小説なのかさっぱりわかりませんでした。

    読み進めていくうちに、少しずつ主人公に同情して、
    可愛い人だな、なんて思っていたら
    まさかあの清河八郎だったとは…!

    視点を変えて読むだけで、今まで腹黒策士だと思っていた人物が、一気に人間味溢れる田舎侍に変わるから面白いですね。

  • 幕末の草莽の志士。良かった

  • 藤沢には珍しい真っ当な歴史小説。司馬遼みたい。 うーん、僕が期待する藤沢はこーいうんじゃないなぁ。 清河八郎って、才気あふれる快男児で魅力はあるんだけど、 結局「腹芸やって自爆した男」という印象に終わってしまう。

  •  何か藤沢周平を読まねばならない、という強迫観念から手に取った一冊。数ある藤沢本から選んだ、具体的な理由は思い出せないが、幕末草莽の志士関連で引いたと思う。

     清河八郎はこれまたよく知らなかったが、カリスマ性を持った棟梁格として成長、世界を広げ、最後は散っていく。大政奉還や明治維新まで辿りついておらず、超有名な幕末志士に与しない、独特の立ち位置。しかし新撰組の前々身である浪士組など、よく見ていけばかなりの活躍であったことを知り、まだまだ知らないことが多いことに改めて気付く。当然ですが。

     藤沢周平は淡々と記載が進み、盛り上がりに欠ける感じがしたが、最後に進むにつれ、静かに激しさとスピード感が増し、最後は乗り切った。次はナニを読むか。

  • 山形、鶴岡などを舞台とした作品です。

  • 全1巻。
    幕末のペテン師、清河八郎のおはなし。

    このひと、
    ほぼ自分の田舎っていっていいくらい近所の
    おとなり山形は庄内の産なのです。
    まず。

    田舎モンが、なんとか世に出ようとして、
    田舎モンコンプレックス自覚しながらがんばるのが、
    ものすごく分かるかんじだった。
    田舎だと、浮くのよね。異端児。
    でも都会でると、所詮田舎モンって意識が
    ふとした時に浮かび上がる。
    田舎でも、都会でも、なかなか居場所を認められない。

    まあ。
    自分ごとなんておこがましくて言えないけど、
    自分なりにすごく共感できた。

    誤った評価を受けた人らしいけど、
    悪評にせよ、名を残してるってのは
    やっぱ凄いことなんだと思った。

  • 異国に旅に出るときはなぜか時代ものを読みたくなる。
    北欧の地で読んだこの本は、江戸時代の末期、
    幕府の国政がどうしようもなくなりはじめたときに
    日本を変えるために現れた先駆者の話。
    外国船が日本の海岸に押し寄せ、開国を迫る中、
    答えをうやむやにして引き伸ばすなど
    様々な幕府の政策は後手後手に回る。
    そんな閉塞感に満ちた時代に、ジワジワと湧き上がってきた尊皇攘夷。
    そして倒幕の流れ。

    ん?この背景って今の日本政府に似てない?

    現代の清河八郎は現れるのか。

  • 幕末期に活躍した荘内藩の浪士清河八郎を描いた小説。

    清河は様々な物語においては策士や煽動家といった悪役のイメージが強いが、そのイメージを改めさせられる一冊。

    まさに幕末維新は彼が種をまいたことにより始まった。

  • 藤沢周平氏の幕末史実を舞台にした長編。幕末の志士、清河八郎の人生を描く。文庫表紙カバー挿画は蓬田やすひろ氏。内容の深厚さを思うとカバーがちょっと物足りない感じ。
    幕末の様子が身に迫ってくるような内容です。山師、ペテン師とも評された主人公の「回天」を藤沢氏が成し遂げようとする渾身が伝わってくるようです。

  • 幕末,草莽の志士 清河八郎の物語。
    著者があとがきに書かれているように,私も清河に対しては,策士で少し鼻持ちならない人間のような感じを抱いており,かといって,清河自身のことをあまり深くは知らなかったが,この本を読んで,その考えが変わった。著者は,清河のそういった負のイメージを少しでも改めさせ,本当の清河を知ってもらいたいといって書いた本ということだった。
    清河は出羽庄内藩では最大の醸造石数を誇る酒造家で裕福な出の郷士であり,才に恵まれ,武も北辰一刀流の免許皆伝で,俗に言う文武両道であったため,人に疎まれることが多かった。清河は自分を潰しにかかって来る人間に対しては,徹底的にやりこめるたちであったから,これまでの私のような者にはその部分のみがフューチャーされ,毛嫌いしていたかにおもわれるが,その反面,自分を頼ってくる者や弱い人間に対してはとことん面倒を見るような人間であった。
    維新回天の最終仕上げをした,西郷,桂,坂本などは,藩主と一心同体で倒幕に向かったのではなく,本人たちが知らないうちに,バックに薩長土藩がいることを草莽の志士達はちゃんと認識していた。反面,清河はバックに何もなく,故に,人のふんどしで相撲をとるようなまねをすることが必要であり,奇策に奔ることも多かったのである。
    ただ,よく考えてみると,龍馬も薩長を利用したり,ギリギリになって大政奉還を献策したりと他人のふんどしの利用や奇策とも言い得なくはない。
    小説で言うに,清河は,自分がここで倒れてもよい。その後に誰かが続き,やがては倒幕が成ると,倒幕の魁になろうとしていたようであり,事実,倒幕の時期も今一歩煮詰まっていなかったように感じる。
    天地人の考えから見ると,天の時は未だで,地の利も清河の背景に強藩がいなかったことからここも成っておらず,唯一,清河自身の才知や周りが清河を盛り立てようとすることも考えると人の部分が成っていたように思われる。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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