海鳴り (上) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1987年10月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167192181

作品紹介・あらすじ

身を粉にしてむかえた四十代半ば、放蕩息子と疲れた妻、懸命に支えた家庭にしのびこむ隙間風。老いを自覚する日々、紙屋新兵衛の心の翳りを軸に、人生の陰影を描く長篇。(丸元淑生)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

老いを自覚し、苦悩する主人公の心の葛藤を描いた物語は、家庭の不和や商売の苦しみを背景に、主人公が新たな愛を見出す過程を追います。藤沢周平の作品は、時代小説の枠を超え、サスペンス要素も含まれており、読者...

感想・レビュー・書評

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  • 老いを感じる身に、切ない物語。下巻を手に取る。

  • もう「周」がつく作家さんはみんないい作品かくのではないか。

  • 藤沢周平さんの本は初めて読んでいます。映画は見た事はあるのですが。老いを身にしみている主人公。妻との関係、息子の事、苦しい時に初めて心から愛しいと思える女と出会う。主人公の苦悩が痛い。サスペンスの要素もあり、ドキドキしながら読んでます。下巻が楽しみです

  • これも依然読んだはずだが全く覚えていない。藤沢周平の時代小説でありながら剣術物以外を読むのは初めてのような気がした。商売と家庭不和とやっと心が通じ合う人図間との出会い、のめりこんで読んでいる。

  •  藤沢周平 著「海鳴り(上)」、1987.10発行。紙商人小野屋新兵衛46歳と老舗の紙問屋丸子屋の美人おかみ・おこうとの逢瀬、それぞれ家庭のあるストイックな中年の男女の秘めた恋心を綴った上巻。しのび寄る老いを感じつつ、おこうへの思いが生きていく糧になるのか・・・、下巻にまいります。
     紙問屋、小野屋新兵衛、心通じぬ妻おたきと放蕩息子幸助19歳、その妹おいと14歳。しのび寄る老いを感じ始める46歳。ある晩、酒に悪酔いして路上で悪漢に絡まれてる老舗紙問屋、丸子屋のおかみおこうを近くの連れ込み宿で介抱。これを嗅ぎつけた塙屋彦助にどう対応するかの会合が、やがて二人の逢瀬にと。 藤沢周平「海鳴り(上)」、1987.10発行、再読。

  • 2018.11.2(金)¥180(-15%引き)+税。
    2018.11.27(火)。

  • 裸一貫から、中規模の紙問屋を立ち上げた江戸時代の中小企業の社長が主人公。仕事に明け暮れ、そのため家の中はがたがた。放蕩息子に、気難しい妻、家の中に居場所はなく、乾いた日々を送る主人公に、奇跡的な出会いが。このようなシチュエーションの中、主人公はこの出会いにどこまでも溺れてゆく。人生の前半が終わってしまった私以上の世代の、胸の中にあるであろう葛藤を見事に描いた作品である。

  • ・10/10 読了.不倫や浮気で家庭が崩壊していくのを読むのは幾分辛い.ただでさえ家にいるのは辛いのに、これに商売が絡むとかなりしんどいだろうな.

  • 11月-2。3.5点。
    人情物。紙問屋の主人公。あるきっかけで同業の奥さん
    が気になりだし。日々の生活の中、いろんな悩み事が
    盛りだくさんに。
    江戸の市中の暮らしがよくわかる。

  • ★評価は読了後に。
    若くはないことを認識した男の、悲しくも苦々しい物語かな?何でこの作家に皆癒しを感じるのか正直分からんな、今のところ。
    結構リアルな暗さを本当に上手い文章で描き出していて、逆に悲しくなるような気もしなくはないんだが。ということでちょっと粘着的だなぁ、当方にとっては。もう少しストーリーを流してほしい感あり。

  • 2014年の42冊目です。
    老いを感じ始めた主人公 新兵衛が、ちょっとしたことから薄幸の人妻おこうに想いを寄せていく。主人公の日常は、ままならぬことに満たされている。それの一つ一つに向き合って生きていく。仕事を覚えようとしない放蕩息子、冷え切った夫婦関係、隙を見せず侮られないように振る舞う”商”。主人公は47歳だが、人生の老いに向かって進む入口が大きく開いていることを感じつつ日々を、現実を”諦観”の何も感じながら生きていた。そこに巡り合った人妻”おこう”と想いを通わせる仲になっていく。人生において、初めて出会い手にした”安息を与え”と”理解をしてくれる”同伴者だと確信するようになる。その二人の”愛”を物語の軸にして、様々な人間の心模様が、精緻な描写でありながら、現代人である我々の心にそっと寄り添うような言葉で描かれています。

    この本は、会社のセミナーでよく一緒になる顔見知りの参加者の方から「読んでみて」とお借りしたもので。その時、もっと早く読んでおけばよかったと言われていました。

    その言葉の意味を今読了後に考えているところです。
    主人公のように、老いの入り口にさしかかるところで、何とか踏みとどまり、自分にとっての”宝”と巡り合い、新しい人生を歩むには、遅すぎたということだろうか?そうであれば私も同様だろう。では、”老いも捨てたもんじゃない”ともっと早く気付けば、生きてきた意味がもっと深まったのにということか?主人公の新兵衛は、仕事人として親として父としての役割を思慮深く、あるいは功利主義的にこなしていきます。そういった日常を失う瞬前に、実はその問題のたくさんある日常が、それなりに価値があり愛おしいものだと気がつきます。それは、老いることでしか気付け得ないことなのかもしれません。

  • 世話物。といっても内容はなんてことない。妻子ある紙問屋の主人が、同じ問屋仲間の女将と道ならぬ恋に陥る…という江戸時代の不倫物語。
    ただ、書き方が上手いので読ませる力は半端ではない。逆に言えばありふれた内容なだけに時代物に馴染みがない人でも共感や想像はしやすいかも。

  • 読んだきっかけ:奥さんが古本屋で105円で買ってきた。

    かかった時間:12/13-12/15(3日くらい)

    あらすじ: はじめて白髪を見つけたのは、いくつのときだったろう。骨身をけずり、果てにむかえた四十の坂。残された日々は、ただ老い朽ちてゆくばかりなのか。……家は闇のように冷えている。心通じぬ妻と、放蕩息子の跡取り。紙商・小野屋新兵衛は、やがて、薄幸の人妻丸子屋のおかみおこうに、果たせぬ想いを寄せてゆく。世話物の名品。(裏表紙解説より)

    感想: 市井物。単純な話だけどなかなか面白い。やっぱり藤沢周平は文章がうまいですね。

  • 時代小説、上下2巻。一代で築いた紙卸問屋の主人、新兵衛と人妻おこうとの恋の行方。商人としての生き様、中年を過ぎ老いを感じ始めた一人の男の揺らぎを描いた作品です。
    現代風に言うと「不倫」の話となってしまうのですが、そこへ行き着くまでの過程、心情が丁寧に描かれていると思います。

    作者の作品は剣にまつわるものを中心に読んできたので、この作品は自分の中で期待していたものと違うというか、ちょっとした違和感を感じてしまいました。
    これは他の著書を読んでから再読するとまた印象が変わると思います。

    いつものように一気に読み耽るというのではなく、少しずつゆっくり読みました。
    スカッと爽快!ではなく、ちょっとジメジメしているかもしれません。
    しかし自分の頭髪に白いものを見つけたときにふと気づくこれまでの人生の虚しさというくだりには共感を覚えました。

  • 今読んでるんだけど、もう読みたくない(T_T) 弱みにつけ込まれて脅迫されるとか、めっちゃ苦手。結末が良ければ頑張って読むけど。読んだ方、最後まで読んだ方が良かですか?

  • 40歳を過ぎた紙問屋の主人の話。まだ上巻のみ読んだだけだが、全体的に暗い話。妻と息子の愚痴をこぼして家に帰るのをためらったり、徐々に老いを実感し始めた男の切なさが描かれている。

  • てっきり、武士とはどんなもんじゃっていう内容かと思ったのだが、
    そして、人情ものというふれこみを見て、お涙頂戴の内容なのかと思っていたのだが、なんともびっくり、内容は江戸商人の不倫だという。
    これぞたぶん、時代がどうだからではなく、今も昔もたぶん変らない人間の姿なのだろう。
    不倫のお話ですが。

  • いや~この話は・・・(--;
    重くて暗い、「男女駆け落ち物語」(ズバリw)。
    酔って具合が悪くなった知り合いの人妻を助けたことがきっかけで、それがどんどん罠にはめられ追い詰められ、深みに堕ちてゆく話だ。

    最初は本当に、酔った彼女を介抱しただけだったのに、それをたちの悪い男に目撃され、強請られて、果てはトラブルの相談のため彼女と会っているうちに互いに惚れ合って本当にデキてしまう二人。
    男は働くことに疲れを覚え始めた年齢で、一代で築いた商いに不吉な影が忍び寄るのを感じている。
    家庭においては夫婦仲は冷え切っており、子供は女郎通いで跡取りとしての自覚がほとんどない。

    ・・・とまぁこんな風に、男の身辺は味気ないものだった。
    だから、胸の隙間を埋めるように、彼女に惹かれていったのもわかる気はするけれど・・・
    でも。如何に追い詰められていたとはいえ、彼女と駆け落ちを決めたときの男の様子には、あまりにもちょっとあっさりしすぎじゃないか??と思った。
    男としては、今まで自分はこんだけ家族のために頑張って。
    気の合わない女房ともなんとか我慢してやってきて。
    跡取りであるはずの長男が家を出たいというのも、許してやった。
    だから今度は。
    自分がなにもかも捨てて、好きな道に走ったっていいだろ?と言いたいように見えなくも、ない。
    勿論それは、最後の最後にどうしようもなくなってする決断であり、それまで主人公の男は心臓が冷えるような思いを繰り返し、トラブルを乗り切って、その中で一筋の光のような、彼女との関係を持ってきた。
    同情はするけど・・・、最後に見せた彼の妙な「すがすがしさ」は、私にはちと憎らしく映った。(笑)

    如何なる理由があったとしても、結局主人公の男は、自分の犯した罪と過ちから逃げたのだ。
    まんまと逃げおおせ、これから先、細々と暖かく明るい第二の人生をやり直せたとしても・・・
    決して彼の犯した罪は消えないし、それによって置き去りにされた彼の家族もまた、犠牲者なのだ。
    それを忘れず、死ぬまで苦しんでほしい、家族には顔を出さないでほしい。
    「逃げおおせても、主人公はきっと長生きはできないだろうな。」
    読み終わった後、私はぽつりとそう思った。

  • ごく端的に言うと、ダブル不倫の恋愛時代小説。

  • 藤沢さんと言えば代表作は数あれど地味に構えていたのがこの海鳴

    り。元々どの本を読んでもつつましい色気が漂って、藤沢作品の魅

    力はそこにも有るのだと私は思っていましたが、この海鳴り読んで

    見ると、こんな藤沢周平も好きに成りました。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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