- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167192181
作品紹介・あらすじ
はじめて白髪を見つけたのは、いくつのときだったろう。骨身をけずり、果てにむかえた四十の坂。残された日々は、ただ老い朽ちてゆくばかりなのか。…家は闇のように冷えている。心通じぬ妻と、放蕩息子の跡取りと。紙商・小野屋新兵衛は、やがて、薄幸の人妻丸子屋のおかみおこうに、果せぬ想いをよせてゆく。世話物の名品。
感想・レビュー・書評
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藤沢周平さんの本は初めて読んでいます。映画は見た事はあるのですが。老いを身にしみている主人公。妻との関係、息子の事、苦しい時に初めて心から愛しいと思える女と出会う。主人公の苦悩が痛い。サスペンスの要素もあり、ドキドキしながら読んでます。下巻が楽しみです
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もう「周」がつく作家さんはみんないい作品かくのではないか。
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2018.11.2(金)¥180(-15%引き)+税。
2018.11.27(火)。 -
裸一貫から、中規模の紙問屋を立ち上げた江戸時代の中小企業の社長が主人公。仕事に明け暮れ、そのため家の中はがたがた。放蕩息子に、気難しい妻、家の中に居場所はなく、乾いた日々を送る主人公に、奇跡的な出会いが。このようなシチュエーションの中、主人公はこの出会いにどこまでも溺れてゆく。人生の前半が終わってしまった私以上の世代の、胸の中にあるであろう葛藤を見事に描いた作品である。
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・10/10 読了.不倫や浮気で家庭が崩壊していくのを読むのは幾分辛い.ただでさえ家にいるのは辛いのに、これに商売が絡むとかなりしんどいだろうな.
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11月-2。3.5点。
人情物。紙問屋の主人公。あるきっかけで同業の奥さん
が気になりだし。日々の生活の中、いろんな悩み事が
盛りだくさんに。
江戸の市中の暮らしがよくわかる。 -
★評価は読了後に。
若くはないことを認識した男の、悲しくも苦々しい物語かな?何でこの作家に皆癒しを感じるのか正直分からんな、今のところ。
結構リアルな暗さを本当に上手い文章で描き出していて、逆に悲しくなるような気もしなくはないんだが。ということでちょっと粘着的だなぁ、当方にとっては。もう少しストーリーを流してほしい感あり。 -
世話物。といっても内容はなんてことない。妻子ある紙問屋の主人が、同じ問屋仲間の女将と道ならぬ恋に陥る…という江戸時代の不倫物語。
ただ、書き方が上手いので読ませる力は半端ではない。逆に言えばありふれた内容なだけに時代物に馴染みがない人でも共感や想像はしやすいかも。