漆の実のみのる国 上 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2000年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167192327

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

貧困にあえぐ米沢藩の財政再建に挑む上杉鷹山の物語が描かれています。若君としての彼は、家老の竹俣当綱と共に、贅沢三昧の前藩主を隠居させ、清廉な姿勢で藩の立て直しに取り組みます。しかし、格式を重んじる重臣...

感想・レビュー・書評

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  • 上巻読了。

    「なせばなる、なさねばならぬ、なにごとも・・・」の名言でお馴染みの、上杉鷹山(治憲)を中心に、貧困に苦しむ米沢藩の財政再建に挑む物語です。
    この巻の中盤までは、治憲はまだ若君なので、家老の竹俣当綱がメインな感じで進みます。
    贅沢三昧の前藩主・重定を隠居させて、秀才で清廉な治憲が藩主になり、自ら倹約をして、財政立て直しに挑みますが、昔からの格式を重んじる(ぶっちゃけ、自分たちの生活のレベルを下げたくない)重臣たちに反発されたり、幕府の普請手伝を命ぜられたりと、前途多難です。
    絶望的な状況の米沢藩、果たして再生は成るのか、下巻に続きます。

  • 米沢藩中興の祖である上杉鷹山公の物語。名君として有名ですが、こんなに上杉家が大変だったなんて、としみじみ。

  • 当時の貧窮ぶりや政治組織の内情が緻密に描かれています。
    膨大な資料と時間を費やして執筆されたんだろうなと思わせる作品でした。

    藩の貧困や支配層の浪費ぶり、各派閥の駆け引きなど物語全体を通して重苦しい雰囲気ではありますが、ユーモラスな場面もあり積読することなく読めました。

  • 上杉米沢藩の困窮、元をたどると吉良上野介(の贅沢)に行きつくのか。なるほど。

  • 印象に残った箇所については、以下のとおり。

    【P17】膝に十月の冷えが這い上がってきた。しかし家老の部屋に暖をとる火が配られるのは、まだ崎になるはずだった。

    【P22】兼続は領民に勤勉を説いたが、搾取はしなかった。年貢もこの時代に言う三ツ七分、三七パーセントほどで、当時としては低い率だったと言わざるを得ないが、兼続の経営策は、目前の困窮を脱するために領民をしぼることを排し、むしろ領民を育て、暮らしむきをよくすることで、領土の潜在的な富をふやして行こうとするものだった。

    【P162】また同じ論達の中で、治憲は座して滅びを待つより、君臣力をあわせて心力の尽きるまで大倹約令を行えば、あるいは国の立ち行くこともあろうかと、このことを屹と思い立った、と述べた。

    【P231】郷村出役の諭告は農の困苦を理解し、少しは酒ものみ、遊びもした上ではげめと言っている。農民に対する藩のこの態度の変化は、単純に時代の差では片づけられないものがあり、こうしたことあるいは藩主みずからの雨乞い祈願などから、庶民は為政者の側から新しい風かま吹いてきたことを鋭く感じ取ったに違いない。

  • 上杉鷹山その人の物語(事績)も然ることながら、ナチュラルで読み易い文体が興味深かった。良い作品だと思うので、多くの人に読んでほしい。

  • 貧窮にあえぐ米沢藩の苦悩。
    幼名直丸から藩主治憲となり、藩の立て直しを図っていきます。
    改革を進めていきますが、その道は困難を極めます。
    強固な反対にもあいますが、藩の立て直しに心血を注ぐ治憲と執政たち。
    ケネディに尊敬する日本人と言わしめた、上杉鷹山の物語です。

  • 2018.2.2(金)¥200(-2割引き)+税。
    2018.4.11(水)。

  • 越後のこだわり命とり

  • 読み始めて、まず詳細な調査、莫大な時間をかけて準備してから書かれていると思った。
    明るい未来が全く見えない貧困のため閉塞感のある米沢藩。
    普通だったら逃げ出したくなるような役割を与えられたのに頑張り続ける姿に感動。
    最初は剣劇小説のようで、中盤は史実に基づくルポタージュのようだった。以降は上杉鷹山が主人公の小説のようになった。
    下巻ではどうなるか楽しみ。

  • 藤沢さんの遺作。後3回の連載を残して、病魔に倒れ、已む無く数ページの追加で終了させた作品とのこと。もっと書きたかったでしょう無念は感じます。

    うーん。嫌いではないが、いまひとつ、感動までは来ない。藤沢さんは私には、少しずれているのか?でも、重ねて言うが、悪くはない。

    下巻の途中までは、童門冬二の「上杉鷹山」の方がいいかと思った。藤沢さんのイメージは、寡黙な男性の心情を細やかに描くという感じだが、政治的状況の説明はお得意でないのか、繰り返しが多く、またわかりにくい。

    ずっと重苦しい雰囲気が立ち込めて、前向き感は低いが、下巻の途中でこれが現実なのかもと思いだして、おとぎ話のような童門さんとどちらがいいのか迷ってきた。でも、私は基本ハッピーエンドが好みなので、☆3つ。

    「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」が彼の言葉だとは知らなかった。

  • H27.1.29-H27.2.7

    (あらすじ)
    貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、木綿を着て、藩政たてなおしに心血を注いだ上杉鷹山と執政たち。政治とは、民を富まし、しあわせな日々の暮らしをあたえることにほかならない。藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長編小説は、無私に殉じたひとびとの、類いなくうつくしい物語である。

    (感想)
    再読。前回読んだのがいつか忘れましたが、内容もすっかり忘れてました。この度「小説・上杉鷹山」を読了したこともあり、藤沢周平は彼をどう描いていたのか?気になっての読み直し。
    結果、「小説・上杉鷹山」は、エンターテイメントで、「漆の実のみのる国」は、ドキュメント、といった感じ。前者は、米沢藩の状況などを物語(ドラマ)に必要なところだけをピックアップして描いてましたが、漆の~は、米沢藩の組織や人事やら、藤沢さんが取材したのであろう内容を細かに説明してくれます。そのせいで、物語の展開としてはちょっと理解しにくいところがあったように思います。
    ふまえて、漆の~は単独だととっつきにくいけど、小説上杉鷹山と合わせて読むと理解しやすい本と言えるような気がします。
    上巻の内容的には、小説・上杉鷹山と同じように、7重臣懲罰まで。

  • 藤沢周平さん晩年の最後の作品。読友由美子.さん7/3のつぶやき「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」上杉鷹山公の名言から、借りてきた本。米沢藩のフィクション、貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、木綿を着て、藩政たてなおしに心血をそそいだ上杉鷹山と執政たち。政治とは、民を富まし、しあわせな日々の暮しをあたえることにほかならない。藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長篇小説。はでさの無い淡々とした作品で落ち着いて読める。

  • 上杉鷹山政権下の米沢藩奉行竹俣に焦点をおいた作品。
    藤沢周平の絶筆とは知らなかった。

  • 賢君として名高い上杉鷹山と家臣の物語。
    藤沢周平の晩年の作品で、自分の中では敷居が高かったのだけど(笑)、いよいよ読む。
    米沢藩のあまりの貧しさにびっくり。
    そして鷹山の覚悟や家臣団の努力も全然と言っていいほど報われず、よくみんながんばれたなぁと尊敬。
    これまで楽しいお江戸の時代小説ばかりを読んでいたので、同じ日本のこととは思われず、ただただ驚く。
    こりゃ、江戸幕府、維新で終わるのも無理ないよ。
    信頼していた家臣が続々と去っていく中、辞めたくても辞められない藩主(後には後見役)の鷹山の孤独が哀れ、そしてその気高い人柄が心に残った。
    最後は藤沢氏の体調不良で物語は突然幕を降ろす。
    鷹山や家臣、苦労し続けの農民達の苦労は報われたのか?、米沢藩は少しは将来に光を見いだせたのか?、残念ながらわからない。
    ハッピーエンドを期待していたので、それが残念。
    誰か教えて!
    しみじみ、ごはんをお腹いっぱい頂けることに感謝。

  • 貧窮の米沢藩。上杉鷹山、政治とは。

  • 上杉鷹山の活躍を期待して読み始めました。とにかく史実をていねいに積み上げて書かれていることに驚きました。

  • 藤沢周平の絶筆の上巻。18世紀後半、財政難に苦しむ米沢藩の話。
    家老竹俣当綱を中心に話が展開されている。竹俣をはじめとする重臣達が、藩主上杉重定の側近で藩の政治を牛耳っている森利真を殺し、重定を隠居させる。そして上杉治憲を藩主として、藩の財政改革に着手する。
    割合、淡々と話が進んでくけれども、最後に反竹俣派が上杉治憲に直訴して、上杉治憲が毅然と裁定するシーンは盛り上がる。

  • 上巻だけ読了。他の藤沢作品と毛色が違うので戸惑っています。

  • 重い。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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