漆の実のみのる国 下 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2000年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784167192334

みんなの感想まとめ

人間の苦悩と希望が交錯する物語が展開されます。絶望的な藩財政を立て直すため、家老・竹俣当綱が漆や桑、楮を植える殖産計画を試みますが、思うようには進まず、改革に尽力した家臣たちも次々と辞職していきます。...

感想・レビュー・書評

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  • 下巻読了。

    絶望的な藩財政の立て直し策として、家老・竹俣当綱が、漆・桑・楮をそれぞれ百万本づつ植えてそれらが育った際に利益が出るという殖産計画を実施しようとしますが、中々うまくいきません。
    そうこうするうちに、当綱が失脚。さらに治憲と共に改革を頑張ってきた他の家臣たちも次々と辞めていきます。
    人材不足と限界ギリギリの倹約策。ずっとしんどい米沢藩の状況に、“一体いつになったら、漆の実がみのるのだろう・・”という思いで読み進みますが、結局“めでたく再生!ハッピー!”とはなりません。
    というのも、本書は藤沢周平さんの遺作で、本来はもっと長く書く予定だったのに、体調の悪化できちんと終わらせられなかったようです。
    本書は当時の米沢藩の状況が、ルポのように詳細に書かれているのが印象的なのですが、上杉鷹山(治憲)という人が、すごく人間ができた殿様だなという事は伝わってきます。
    今、日本が辛い状況の時に、この本を読んだのも何かの縁かも、と思いました。

  • 努力を続けてもなかなか結果が出ない時の人間の苦しさが伝わります。途中で絶筆となっていますが、味わい深い物語でした。

  • 上杉鷹山を中心に、米沢藩の苦闘を描いた作品。この作品が藤沢周平の最後の作品となった。最後の部分は書ききれなかった。

  • 本書で大国主義と言っている、伝統と格式を重んじて改革を忌避する姿勢。為政者に人材が不足。
    今の日本に似ているよ。

  • 以前、新古書店で購入したまま積読になっていたもの。藤沢周平の最後の作品ということで、時間をかけてゆっくり読みたいと思っていたもの。この新型コロナ禍自粛中に「今でしょ!」ということで読んでみた。前半はなかなか重厚な歴史小説。後半は創作部分と歴史叙述部分がちょっとかみ合っていないというか創作部分が少々端折った感。最後もやや尻切れトンボ。著者の体調の問題だろうが、もう少し長生きしてもらっていればさらに完成度の高い歴史小説になったと思われる。とはいえ、現状でも十分読み応えのある作品になってはいる。
    歴史的に見ても徳川吉宗の政治の限界とか田沼意次の再評価など、新しい歴史学的流れを把握しているところはさすが。司馬史観などを振り回す小説よりはるかに基礎的知識がしっかりしている。
    あと10年活躍してもらいたかった人である。

  • さらなる藩政改革を初め、これからの展開が気になるところで本作は終了。著者の絶筆なのが大変惜しまれる。

  • 藤沢周平の最後の小説。上杉治憲(鷹山)を中心に、藩の立て直しに苦闘する米沢藩の姿が描かれている。
    上杉鷹山といえば名君として後世にも名を遺す。しかしその道のりは、まぁ、壮絶。先代からの借金、なかなか結果の出ない改革、人不足で適材適所ができず、外部環境(飢饉や、幕府からの工事依頼等)で財政はひっ迫。そんな中で、硬軟いろいろやりながら、あるべき姿を示し続ける姿は、すばらしい。

  • 為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり。
    改革はなかなか進みません。
    治憲は隠居し、政務を離れ、客観的な目で改革をみていきます。
    「天よ、いつまでわれらをくるしめるつもりですか。」
    鷹山は孤独と哀しみに耐え、新たな改革を進めるべく、陰ながら支援していきます。
    著者未完の大作。
    鷹山の名君ぶりが描かれます。

  • 2018.2.2(金)¥200(-2割引き)+税。
    2018.4.14(土)。

  • 港があれば

  • 停滞した暗い話しのまま、著者の寿命により完となっていた。
    これから明るい結果の話しになると思ったのに非常に残念だった。
    読んでいるうちに藩の武士たちは殆どが体面と役職のみだけ保とうとしながら行動しない人間ばかりで、まるで大企業の動かないサラリーマン達と同じだと思って暗澹たる気持ちになった。
    これを動かすのは本当に難しい。
    なので余計に続きを読みたかった。
    著者最後の作品とはいえ、上下巻で煮え切らないまま終わってしまい、動かない人々を思い至るだけの作品になってしまったので、作品単体の評価としては星3つ。著者に対しては敬意と感謝を込めて星5つ。

  • H27.2.7~H27.2.27

  • 感動

  • 物語と言うより、史実を描くということに重点が置かれてるような…。
    江戸時代の困窮した米沢藩がそこから立ち直ろうと苦労するさまが描かれてる。困窮から抜け出せない藩の苦渋がありありと描かれてる。
    資料的な記述が多く、読むのに時間がかかった。

  • 完結させて欲しかった。悔やまれる。

  • 藤沢周平さん晩年の最後の作品。米沢藩のフィクション、貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。天よ、いつまでわれらをくるしめるつもりですか。改革はままならない。鷹山の孤独と哀しみを明澄な筆でえがきだす下巻。けれど漆は生長し熟しはじめていた。その実は触れあって枝先でからからと音をたてるだろう。政治とは、民を富まし、しあわせな日々の暮しをあたえることにほかならない。藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長篇小説。はでさの無い淡々とした作品で落ち着いて読める。

  • ラストはせつない。

  • 絶筆なんですね。苦難につぐ苦難が押し寄せてもしたたかに生きていくというあたりに作者の思いを感じました。

  • 著者が亡くなる寸前に執筆された本と言う事です。
    最後のページはもっと長く、と考えていらしたらしく、そう思うと残念です。

  • 重い。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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