- 文藝春秋 (2004年6月10日発売)
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感想 : 122件
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784167192396
感想・レビュー・書評
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武士物9編。
毒見役の職分を果たしたがために失明した男の失望、その夫と家を守るために夫の上司に身体を任せた妻の愛を描いた「盲目剣谺返し」は映画「武士の一分」の原作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
裏表紙の説明欄によると、"隠し剣"シリーズ第二弾との事ですが、続きモノではなく、一話一話が独立した短編集です。
共通しているのは、各話の主人公が隠された剣術の奥義・“秘剣”を遣うという事。そして、この剣の遣い手の男たちは大概不遇で、武士社会ヒエラルキーの下の方でくすぶっています。そんな不遇な男たちが“秘剣”を振るうことに至る様々な事情が、藤沢さんの端正な文章で綴られています。
個人的には、第九話「盲目剣谺返し」が明るめの終わり方で好きでした。
"隠し剣"シリーズ第一弾の「隠し剣孤影抄」は未読なので、今度読んでみようと思います。 -
どのお話も読み終わった時の感激は大きいのだけれど、最後の盲目剣谺返しはことさら良かった。加世を再び迎え入れる新之氶、なんともかっこいいではないですか!
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面白かった。本当に鮮やか。
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苦悩する藩士が多い本でした。
めでたしめでたしで終わる話が殆ど無く、読みたかった『盲目剣谺返し』が一応明るい終わり方だったのでほっとしました。 -
「隠し剣孤影抄」の姉妹編だそうな。9編の短編がそれぞれ独立した形で「剣の話」を描いているのは孤影抄と同じ。「孤影抄」より明るめなイメージ。明るい話ばっかり!ということではないけれど。
藩の政争の影で振るわれる秘剣の話が今回は多かったように思うが、権力を握って表舞台に立つ者達ではなく、剣を握ってごく普通に生きる者達の人生、その中で一度振るわれる剣が描かれている。エンディングですべて一件落着!となる話ではなく、ああこれからも人生は続き、日々は過ぎていくのだな…と感じるものばかり。この場合、続いていく人生というのはそれぞれの主人公だけではなく、関わった者達すべてのものを感じてしまう―――気がする。
実は、私は主人公が報われない話が苦手だ。かと言って、物語はハッピーエンドであるべきだ!というわけでもない。不幸のどん底に落ちようが人殺しを重ねようが破滅がすぐそこに迫っていようが何もかも失おうが(以下、お好きなバッドエンディングを思い浮かべて下さい)ストーリーとして面白ければ読むのは好きだ。むしろそういう話は好きだ。
じゃあ何なんだ、と言うと、「誤解」や「裏切り」が駄目なのだ。しっかりそういう話を読むくせに、心情としてどうも苦手で、物悲しくなってしまう。寂寥感まで行かなくとも、似たような勝手極まりない思いに浸ってしまったりする。ド派手な転落ならまだしも(何だそれ)、淡々と生きていた結果として報われないと―――寂しい。
ことにそれを感じるのは時代物、しかも藤沢さんのストーリーに多い気がしてしまうのだった。それだけそういう何気ない破滅や寂しさ、静かな奈落を描くのが上手いんだろうなあ。
これもそういう、広義で「報われてなかった」「報われないであろう」話が多い。でももちろんすべてが悪いわけではなく、救いが見える話もある。その中で地味なんだけど最後の奥方が忘れられない、「孤立剣残月」を個人ベストとして挙げておこうかな。ストーリーとして素晴らしいのはラストの1本だと思うのだけれど。 -
生きることの大変さが伝わります。その中で見せる一瞬の輝きが,あまりにも美しく感じました。
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先日、映画「武士の一分」を観た。その時、「原作読んだ事あったかなぁ」と思い本を探したらあった。だけど読んだ記憶はあまりないので読んでみた。
あの短い話で映画作るのって凄いな。 -
藤沢周平はいつ読んでも面白い。長編にできる話も多いし、できれば2時間ドラマでもみたい。短編集だが、かなりクオリティは高い。満足。
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隠し剣シリーズ、第2作です。前作「隠し剣孤影抄」と比べると、暗めの話が多くて読み進むのに時間がかかりました。
それでも最後の「盲目剣谺返し」が、明るさがある内容だったのに救われました。 -
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孤影抄と違って映像化に向いた作品は少なめ。個人的には盲目剣谺返しが武士の一分と被って、映像でみたいと思ったら原作だった。九篇収録というボリュームも有り難い。また前作と合わせて読み直したい。
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ときどき、時代小説、読みたくなります。
映画「武士の一分」の原作を含むこの一冊。面白かったです! -
人生が凝縮されているという書評を読んで手に取る。世間は不条理にあふれている。しかし、人生を描かない小説というのはほぼないわけで、ただこれは、いってみれば暇つぶし的に読む本の類で、読んだから何かのためになるという類ではない。
でも、残月剣で、高江さんが、襷と懐剣で走り寄るシーンや、谺返し剣で、「今夜は蕨たたきか」というシーンは、泣いた。 -
剣を使うことによって生死が近くに感じられる。
生死が近くに感じられる時、人間の本性が姿を現す。 -
涙ぐむ様な作品もあれば、かなり後味の悪い作品もあるけれどどれも夢中でひきこまれてしまう。素晴らしいです。
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先日読んだ隠し剣孤影抄に続き「隠し剣」シリーズの第2巻。
已むに已まれぬ様々な事情から、最後に主人公が秘剣を振るうというパターンの娯楽色の強い短編集です。
もっとも藤沢さんですから、どの短編も見事な情景描写と情緒あるストーリーで読み応えが有ります。
この本が発表された1981年は藤沢さんの出版数が一番多かった時期なのですが、あとがきを読むと「三ケ月に一作という、ほどよい間隔で書けたこととも無関係では無く、そういうのんびりした小説が・・・」とあり、締め切りに追われること無く書いていたようです。そういう余裕のせいでしょうか、これまでより軽く、しかも上手く捻って余韻のあるエンディングが見られ、特に最終話「盲目剣谺返し」(映画『武士の一分』の原作)は素晴らしい。。 -
一話完結で、色恋を入れつつ秘剣を表現しており面白かった。
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2019/11/14読了。
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酒乱剣石割り
汚名剣双燕
女難剣雷切り
陽狂剣かげろう
偏屈剣蟇ノ舌
好色剣流水
暗黒剣千鳥
孤立剣残月
盲目剣谺返し
著者:藤沢周平(1927-1997、鶴岡市、小説家)
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藤沢周平の作品
