豊臣秀長 上 ある補佐役の生涯 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (1993年4月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784167193140

作品紹介・あらすじ

【NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公】

兄・秀吉があれほどの成功をなし得たのは
「この人」のようなよき弟を持ったせいだという者さえいる。
(堺屋太一「はじめに」より)

豊臣秀吉の3歳違いの弟・秀長は、経歴からいっても実績からいっても、万人が認める天下のナンバー2であった。しかし、自らの働きを誇ることなく、偉ぶることもなく、常に脇役に徹した、まれにみる有能な「補佐役」であったといえる。

秀長は人柄がよく、様々な実務に抜群の才があったばかりではなく、いくさでも負けを知らなかった。

激動の戦国時代にあって、天下人にのし上がる秀吉を支えた男の生涯を描いた、傑作歴史長篇。

「私心のない、じっくりと構え、自ら一流の判断力と軍事能力を持ちつつ、それを二〇〇パーセント兄秀吉の出世と成功に注ぎ込む一人の男、豊臣秀長の姿が、それこそジワリジワリと浮かび上がってくる」
(小林陽太郎「解説」より)

みんなの感想まとめ

豊臣秀長の生涯を描いたこの作品は、戦国時代の激動の中で兄・秀吉を支えた有能な補佐役の姿を浮き彫りにします。彼は自らの功績を誇らず、常に脇役に徹することで、兄の成功に尽力しました。物語を通じて、秀長の決...

感想・レビュー・書評

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  • 兄、猿と呼ばれた木下藤吉郎「俺の家来になってくれや⋯」

    尾張中村の百姓、弟の小竹はふたつの決断をする

    不安と困難に満ちた海に、この馴染み薄い兄と共に船出する覚悟

    この兄の補佐役として労多く、功少ない立場に身を置く決心をする

    生涯、自ら下したこの二つの決断に忠実に生きる

    22歳で百姓を捨て武士になる

    戦国時代、兄秀吉を陰で支えた有能な弟秀長の話

    大河ドラマと並行している部分もあり、イメージしやすい。
    が、説明&解説が所々みられる。

    「現代経済学の用語でいえば、エンゲル係数五八%とという暮らしであり、この時代の日本人の平均からいえばやや余裕がある。」とか、

    「この多忙な苦難の時期に、木下藤吉郎秀吉の側にいたはずの弟、小一郎秀長が何をしていたか、実はそれを伝える記録はまったくない。」とか。

    記録のない部分を面白おかしく物語として創作してほしかった。
    そういう部分は大河ドラマが制作してくれるからまぁいいのかな。
    大河ドラマも楽しみつつ、下巻も読もうと思う。

  • 後半は、浅井・朝倉との攻防、石山合戦など、ほぼ信長の話でした。

    補佐役としての秀長の活躍が、この先どのように秀吉を天下人へと押し上げるのか。

    大河ドラマ「豊臣兄弟!」と見比べながら楽しみたい。

    下巻に続く。

  • 2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟」に背中を押されるようにこの本を選択しました。大阪城が大好きで(日本一の豪邸なので 笑)子供の頃から「秀吉モノ」を読みまくってきたので、信長・秀吉の生涯はよく頭に入ってるけれど、書き手や視点(今回は弟の目)が変わると、また別の人物のように思えますね。
    この小説も秀長を描きながら結局は信長・秀吉を描いてるわけで、またいつもと違う側面を感じられました。
    考えてみれば、昨日、日本で起こった事件でも本当のところはわからないのだから、数百年も前のことは「史実」とはいうものの結局、残ってる文献から皆の想像の集積なのだから、私は作者の想像を「ほう〜こうくるかぁ」と楽しむことにしています。

  • 日本史上最も偉大なNo.2・豊臣秀長。その生涯は意外なほどに謎に包まれており、とくに前半生は兄秀吉と実の兄弟なのか?というほどに接点が少ない。恐らくは生まれ故郷の尾張中村で百姓をしていたのだろうが、いつの間にか兄の補佐役として仕え、その立場は天下人となった際にも変わることはなかった。

    豊臣秀吉が木下藤吉郎として、織田信長配下の中で出世街道を駆け上った時代を描いた上巻は、桶狭間の戦いを経て藤吉郎が組頭という士分に上がったところから始まる。織田家中においては、戦での槍働きよりも情報収集や調略といった戦略的活動こそが評価され、木下藤吉郎が滝川一益とともにその最重要な役割を担った。とくに美濃攻めという京へと上る道の攻略は織田信長の宿願であり、そこでの報奨が木下藤吉郎を一軍団長にまでのし上げていった。

    主君信長への付け届けや各地への情報収集に忙しい藤吉郎に対して、家中をとりまとめ争い事などトラブルを防いでいったのが弟・小一郎である。軍団が大きくなるにしたがって、その内部での利害対立や他の家臣からの妬みといった心情的厄介事も増えていくが、兄・藤吉郎を出世の道に専念させるためにそれらを無風のように平らげていった小一郎の働きぶりはまさに二人三脚といった印象である。

    2026年には大河ドラマ『豊臣兄弟』が放送される。天下人の弟として、豊臣秀長が主役で描かれる見込みである。ある意味、兄よりも現代人にとって親しみやすく参照すべき点の多い補佐役の仕事ぶりがどのように描かれるか、期待しよう。

  • 大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放映を機に手に取った。補佐役という生き方への関心と、堺屋太一の歴史小説をこれまで読んでこなかったというのもあり、試してみたかった。

    信長・秀吉という強烈な個性の陰で、秀長は徹底して目立たない。ところが読み進むうちに、その「目立たなさ」こそが最も印象に残るという逆説に気づく。主人を立て、お金と人繰りが自分の役割とわきまえ、短期の損得より長い時間軸で物事を見る。秀長の行動原理はシンプルだが、一貫している。

    ただ上巻の秀長はまだ「あるべき補佐役」の模索の途上にある。理想の補佐役というより、その入口に立ったばかりの人間として描かれている。その分、下巻でどう成熟していくのかが楽しみだ。

  • 大河が面白いので、小説でも読むことに。兄弟のキャラはかなり近い。
    歴史小説なので、起こる出来事がなんとなくわかっているため、いつもより読む速度が遅くなってしまったけど、内容としては面白い。秀吉の人物像がなんとなくわかった(気にはなった。)
    下では、本能寺の変で、秀長がどういう働きをするか、乞うご期待?!

  • 感想は下巻にて。

  • 再来年の大河ドラマの主人公と言う事で読んでみた。
    なるべく秀長の目線で物語を進めようとはしているが、どうしてもその時代や時々に起こった事が前に出てきてしまう。
    また秀長自身の事に触れようとはしているが、少し物足らない気がする。
    まさに補佐役と言う事なのかもしれない。

  • 史実として非常に興味深い。
    大河ドラマでどのように描かれるのか、期待したい。
    下を読み終えてじっくり感想をまとめたい。

  • キンドルの上下合本で読了 感想は下巻に。

  • かなり前に読んだ気がするが、大河ドラマに触発されて、父の蔵書から取り出して読むことにした。
    秀長の人物像は今一つつかめない。秀長の妻も出てこない。秀吉の個性が目立つ。でも、専門の作家でない視点はさすがで、そのせいか、上巻の後半は信長の事績ばかり。
    秀長の長所はこれから発揮されるのだろうか。

  • 大河も毎週観ながらの上巻読了です。
    サクサク読めて読みやすい文章です。作中で筆者が再三いってますが、研究や書物に主題として扱われていないが、太閤に匹敵する偉人とのこと。確かに読み進める中で、信長や秀吉の話ではないかと思ってしまう瞬間はあるが、三英傑の時代の当人以外を描こうとしても、同様になってしまうのかもと、ある意味筆者の言う現象に納得しました。安土桃山時代を、政治・経済の視点で垣間見ることができるのは新鮮で、下巻も楽しみに読めそうです。

  • 来年の大河ドラマのお勉強ということで購入した一冊
    堺屋太一さんの著書も初めてでしたので、二重で楽しめました。
    上巻下巻の二部構成
    上巻では、秀長の幼少期から秀吉の補佐役として支えて、信長の包囲網で武田上洛までの時期を描きます。
    秀長に関する資料が少ない中で、その資料を膨らませながら、秀長の世界観を描き出しています。
    もちろん、歴史的な動きと照らし合わせながらですが、作中で、秀吉の口を聞いたり、家臣団の統率や不満を聞いたりと大きな働きをすることになります。こう言った、神経を擦り切らすような細やかさが、秀吉を多いな助ける一方で、短い生涯に終わる一端だったのかなと感じました。
    堺屋太一さんの文章も読みやすく、下巻もこの勢いで楽しめそうです。

  • 実家で仕事の話をしたら「持ってけ」と父親に言われ、自分が生まれる前の本…やや疑いつつも読んでみました。
    豊臣家がいかに成長組織だったのか、その秘訣はなんだったのか、ビジネス論点も交えて歴史を学べる1冊。とても面白かったです。
    農夫だった秀長が秀吉に連れ去られて家臣になる場面と、バラバラのチームをまとめて城壁を作らせる場面が特に好きです。

  • 豊臣秀吉の弟にして、まさに万人が認めるナンバー2。戦国時代、秀吉を補佐してある種大成功を収めた人物であるが、目立つ事がなかった。目立たなかった事が、この人の凄さなんだろう。
    本書でも触れているが、秀吉、秀長ともに、教養がなく、ある意味において当時の常識が通用しない面が、専制的な主君の織田信長を支えて、出世していく、原動力となっている事が面白い。

  • 秀長をハイライトする、堺屋太一氏の感性はすばらしいとおもいます。補佐役がいかに重要であるか堺屋太一氏の得意とする組織論でしょうか。

  • 歴史上、時代の先駆者として駆け抜けた人物は沢山いるが、ここまで徹底的に黒子に徹しきっり、生涯「補佐役」としての立場を全う仕切った人物はそうそういないと思う。そして、この人物無くして秀吉の天下統一は絶対にあり得なかったのだとも感じた。

  • ・「大いなる企て」で石田三成を描いた堺屋太一が今度は豊臣秀吉の弟、豊臣秀長の生涯を描く。
    ・目立たない人物を明るみに出す作者の努力が窺える。
    ・豊臣秀長の事績を書こうとすると、どうしても兄の豊臣秀吉と、その兄が仕える織田信長のことを書かざるを得ない。
    ・上巻はその兄と織田信長の事績が中心となっている。
    ・織田信長の考え方や、それを受けた豊臣秀吉・秀長兄弟の動きが眼に浮かぶように描かれている。また、様々な人生訓も各所に散りばめられており、読み応え十分。

  • 豊臣秀長にフォーカスした話。

  • 秀吉の影にこれほど有能な弟がいたとは知りませんでした。
    桶狭間の戦いや姉川の戦い、墨俣の一夜城など有名な出来事も描かれていてすごく楽しい作品ですね。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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