団塊の世代 〈新版〉 (文春文庫 さ 1-20)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167193201

感想・レビュー・書評

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  • 著者、堺屋太一さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    堺屋 太一(さかいや たいち、1935年(昭和10年)7月13日 - 2019年(平成31年)2月8日)は、日本の元通産官僚、小説家、評論家。位階は従三位。勲等は旭日大綬章。

    83歳にて亡くなられています。

    私が30代の頃、それなりに著者の本を読んだものです。
    今回手にした、『団塊の世代』も読んだ記憶があります。ただ、通読はしなかったと思います。

    が、今回は、通読しました。

    まあ、60歳になった私には、興味を持てる内容ではなくなっていますね。
    例えば、「第四話 民族の秋」の主人公は、、団塊の世代で52歳。
    私よりもずっと若いです。
    興味が持てない内容でも、仕方がないでしょうね。

    で、この本の内容は、次のとおり。(コピペです)

    「団塊の世代」が日本の経済社会になにをもたらすのかを予言した名著。今後の大量定年、老齢化問題への対策を新たに加えた新装版

    • seiyan36さん
      ダイちゃんさん、コメントありがとうございます。
      堺屋太一さん、懐かしいですね。
      若い頃、多くの著書を読み、納得していたはずですが、どうい...
      ダイちゃんさん、コメントありがとうございます。
      堺屋太一さん、懐かしいですね。
      若い頃、多くの著書を読み、納得していたはずですが、どういう所に納得していたのか思い出せません。(苦笑)
      今となっては、良き思い出です。
      2021/11/28
    • ダイちゃんさん
      返信コメント頂き、ありがとうございました。
      返信コメント頂き、ありがとうございました。
      2021/11/28
    • seiyan36さん
      こちらこそ、どうもありがとうございます。
      こちらこそ、どうもありがとうございます。
      2021/11/29
  • マルコフ過程の手法で書かれた予測小説。堺屋太一は日本の元通産官僚で、本著はこうした未来予測に定評のある小説。どんな本なのか、読んでみたかった。ちなみに、マルコフ過程とは、マルコフ性をもつ確率過程のことをいう。 マルコフ性??マルコフ性とは、未来予測は現在の状態のみに依存し、それより過去の状態には依存しないという性質のこと。よく分からないが、何かしらの根拠に基づき、シミュレーションした物語。主に団塊の世代という年齢、時代を象徴する構成因子の就労事情について、だ。

    自分には、団塊ジュニアとバブル世代の違いもよく分からないし、ゆとり世代とさとり世代だって何の事か分かっていない。しかし、肌感覚や世代間格差、更に具体的に言えば、就職や受験難易度、税率、介護人口、家族構成、社会民度によって、ある世代に傾向的に見られる特徴がある事はよく分かる。パワハラが存在していた世代と、パワハラを恐れる世代、パワハラを知らない世代では、上下関係の捉え方は異なる。

    短編集というのは意外だったが、どれもリアルで面白い話。今読んでも新しい。

  • 本書は、1947年から49年に生まれた「団塊の世代」の4人を主人公にして、80年代前半、80年代後半、90年代中葉、2000年の4つの時代を描いた予測小説である。
    この予測小説というのは、精密な事実分析の中に「ありうるべき事件 ― テーマ・マター」を挿入した場合、どんな状態が起るかを可能な限り正確に予測し、具体的な人間ドラマ(つまり小説)で表現したものです。


    第1話(80年代前半)は、コンビニ経営に乗り出した会社の社長室企画課長が主人公で、最終的にコンビニの店長となって不貞腐れる会社人間の悲哀というものを感じる話。
    第2話(80年代後半)は、若干落ち目の自動車会社の総務課付課長が主人公で、工場移転に伴い団塊の世代が集団心理的に動くものの社内政治に翻弄される話。
    第3話(90年代)は、大手銀行に務める銀行員が主人公で、団塊の世代の過剰に伴いデパートの営業に短期出向を命じられる。そういう不安から家が買えないという状況が描かれている話。
    第4話(2000年)は、総理府参事官が主人公で、経済状況の悪化に伴う年金問題の発現をテーマにしている話。

    実際これらの年代を過ぎ去った今見てみると、社会情勢の大まなか流れとして予測通りの部分が多いという点に驚く。

  • 新刊に寄せての部分が今読むと面白い。

    TVで情報格差がなくなった時代に限られたパイを取り合う人口異常の問題として、細かい差異に対する競争が受験戦争や持ち家貯蓄を促して長時間労働やバブル経済を産む。

    人口トレンドのブレ幅が大きい世代なので、自分で長く働いて他の世代に負担をかけなければ悲観することはないという論調。

    そうなると、長時間労働是正や定年延長は今となっては主に団塊ジュニアに対する問題であり、体力やモチベーションがある若手にとって、残業は無くそうとか長く働こうという風潮は余計なお世話ということになる。

    そんなことを感じました。

  • すっかり定着した「団塊」の元ネタ。

  • 本の存在はもちろん知っていたが読んだことはなかった。お気に入りの古本屋さんで見つけ購入100円。まさしく我らが世代、団塊の世代。35年前に書かれたという事に驚く。
    35年前に読んでたら今ほどの感慨は無かっただろう。毎日が日曜日のわが身だからこそつくづく思う。「その通り!」

  • いま読んでも全く違和感がない。これを1975年に著したというのは驚き。団塊の世代という人口の塊の加齢が、時々の経済動向に大きな影響を与えるという主張は、「デフレの正体」にも影響したか?「デフレの正体」も再読したい。

  • 【読書その53】「団塊の世代」という言葉の生みの親である、堺屋太一氏の著書。。物語は4話で、80年代前半、80代後半、90年代中葉、2000年で、主人公は全て団塊世代。1つの世代の各年代における未来を予測した小説。1975年の夏から翌76年春にかけての1年間に書かれたものであるが、信じられないほど、将来を当てており、衝撃。

  • たしか中学生の頃に読んだ。

  • 著者:堺屋太一 は予言者なのではないか!
    80ページ余りの一章を読み終わった段階でそう感じた。
    これは一風変わった小説で、予測小説という形式をとっている。
    SFとは何が違うか?「科学っぽい空想」ではなく、「データに基づいた予測」なのだ。

    著者はある1点を除いては、見事に現在の日本の状況を言い当てている。1976年(36年前)に著された本とはとても思えなかったのはその為だ。

    ・終身雇用/年功序列の崩壊
    ・これまでのキャリアとは全く異なる仕事に従事させられ、
     最後には転籍させられることになる中間管理職の悲哀
    ・管理職ポストが詰まることにより、部下なし管理職の爆発的増加
    ・恵まれているはずの大企業の中間管理職なのに、
     否、それだからこそ感じてしまうような会社に対する閉塞感
    ・社会の「中年化」による消費トレンドの変化
    ・「老人」対策が政策の中心に据えられる社会

    上記の全ての事柄は、バブル崩壊以降の日本企業社会の実像である。
    人口ボリュームの推移を中心に研究するだけで、ここまでの予測をした
    著者の才能には驚くしかない。


    だが、ただひとつ予測できなかったものがある。それがデフレだ。
    1976年当時は「デフレーション」という概念自体存在していなかったはずなので仕方ない。物価は上がるものという前提で書かれているため、最終章だけは現在の日本社会とはややズレたパラレルワールドが描かれている。

    <引用>
    ”今の年金の水準は低すぎる。年とった父母、この国を築き育てるために働いてきた 先輩たちを養うのは民族として、国民の義務なんだから、苦しくても貧しいものを分け合っていくことが必要だよ。物価が上がり給与が上がるんなら、せめて同じくらいは年金を引き上げるべきだよ。”

    →言うまでもなく、今の日本は正反対の状況。
      物価・給与は下がるのに、政府は年金を減額しない(できない?)


    しかしながら、デフレ社会が想定されていないにもかかわらず、最終章は見事に締めくくられている。

    "…今の老人が功労者ですかねえ…" "僕らはむしろ(団塊の世代は)責任者だと思いますよ。 あの高度成長時代、いやそれに続く70年代・80年代の、まだ日本に活力のあった頃を無為無策に過ごしてきた事の…"

    →年金や世代間格差が問題にされたのはここ7・8年ほど前のこと。
     世代間の軋轢にまで想像力を働かせた著者の構想力には脱帽せざるをえない。


    私はこれまで著者の本を読んだことがなかったが、この本で一気に堺屋ワールドに引き込まれてしまった。続編的位置づけ(?)の「平成三十年」を手始めに他の本も読んでいこうと思う。

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著者プロフィール

堺屋太一

一九三五年、大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業。通商産業省(現経済産業省)に入省し、日本万国博覧会を企画、開催したほか、沖縄海洋博覧会や「サンシャイン計画」を推進した。在職中の七五年、『油断!』で作家デビュー。七八年に退官し、執筆、講演、イベントプロデュースを行う。予測小説の分野を拓き、経済、文明評論、歴史小説など多くの作品を発表。「団塊の世代」という言葉を生んだ同名作をはじめ、『峠の群像』『知価革命』など多くの作品がベストセラーとなった。一九九八年から二〇〇〇年まで小渕恵三、森喜朗内閣で経済企画庁長官、二〇一三年から安倍晋三内閣の内閣官房参与を務めた。一九年、没。

「2022年 『組織の盛衰 決定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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