山霧―毛利元就の妻 (下) (文春文庫) (文春文庫 な 2-33)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167200336

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻を通して、
    元就の家督相続~第一次月山富田城の戦いの頃までが描かれます。

    元就とおかたの人物像が魅力的です。

    毛利の家臣や国人衆が、どのように毛利と係わっていたのか、
    尼子と大内の二大勢力がどのような影響をもたらしていたのか、
    元就前半生での、郡山城を取り囲む勢力図が、
    元就とおかたのやりなどから、とてもわかりやすく語られ、
    すんなりと頭に入ってきます。
    また、こういった力関係の変化が、この物語の主軸になっています。

    小さな毛利家を元就がどのように保ったのか、
    最も面白くわかりやすく、最適な小説なのではないかと思いました。
    一番初めにこの小説を読んでいたら、
    その後の毛利関係の本を読んだ時に、理解しやすかったなぁ、と、
    手に取るのが遅れたことを反省する思いです。

  • 毛利元就の妻の結婚から亡くなるまでの物語

  • 中国地方は大内氏と尼子氏の二大勢力が根をおろし、そのはざまで元就はたえまなく翻弄されていた。しかし、政略結婚でありながらまれにみるほど愛された妻の天性の明るさに支えられて、元就は次第に実力をつけ、一歩一歩戦国大名への階段を上っていく。乱世を生きぬく武将とその妻を描いた、長篇歴史小説。

  • のし上がる以前の毛利を描いた作品というのは
    なかなかないのでは。
    他の方も書かれてる通り、二大勢力の間で揺れる
    国人衆の様子が非常に分かりやすい。
    元就さんも手紙に残していますが、よく上手い具合にすりぬけたものだなぁと(笑)

    作者の他の作品も気になるところです。

  • (1997.03.22読了)(1997.01.18購入)
    毛利元就の妻
    (「BOOK」データベースより)amazon
    中国地方は大内氏と尼子氏の二大勢力が根をおろし、そのはざまで元就はたえまなく翻弄されていた。しかし、政略結婚でありながらまれにみるほど愛された妻の天性の明るさに支えられて、元就は次第に実力をつけ、一歩一歩戦国大名への階段を上っていく。乱世を生きぬく武将とその妻を描いた、長篇歴史小説。

    ☆関連図書(既読)
    「山霧(上)」永井路子著、文春文庫、1995.11.10
    「毛利元就(上)」内館牧子著、日本放送出版協会、1996.12.07

  • 最後は駆け足すぎた感があり、残念。
    でも、しっかりと電車の中で涙をこらえるクライマックスでした。
    そして毛利元就素敵だなぁ、と早く山陰・山陽旅行したいなぁ、
    とワクワク。

    初めて読んだ作家さんでしたが、総じて読みやすく面白く、
    男性の歴史ばかりを教えられる女性にとって
    当時の女性が強く描かれている小説だと思います。

    他の本も読んでみようと思っています。

  • これは最近の歴史小説の中ではかなりのヒット。いや、これは本当に、よい!!やっぱり女性視点と言うのは大きいかもしれません。女性の好みを判ってるよね。断然読みやすいよね。

    ええと、戦国時代の武将毛利元就の、妻おかたをメインにした小説ですね。おかたの一人称というわけではないんですが、文章全体から漂ってくる柔らかさは女性の感性だと思います。とても読みやすいので、女性にはおすすめ。これ、確か昔、大河ドラマの原作にもなっていた気がします。

    元就の周りに、頼りになる家来いなさすぎてちょっと切なくなりました。なんていうんでしょう、腹心の部下、とでも言えばいいのか。いや、実際はいたんだと思いますけど物語に登場しないのなんのって。
    逆に、いる方が珍しいのか……。確かに、武将自体はフューチャリングされても、その家来ってよっぽどじゃないと出てきませんよね。なんだか、独りでいろんな人の裏切りとかをかわしつつ、っていうのが現代社会に生きる自分からすると悲しい……。信頼できる人は誰もいなかったんですか!!っていう。あ、その信頼ポジションにおかたが入ることによって物語は成り立ってるのね!!判るよ!!でもさぁ!!
    っていう。感じ。
    元就が、それはもう見事に、全ての出来事をくぐりぬけていってくれるので、読んでる方からすると安心感です。お前千里眼か。

    歴史小説、特に戦国時代の物は、まぁ、主人無敵、というか、主人公べた褒めになることが多い。私はそれが好きです。
    誰が好き好んでけなされまくる物語を読みたいと。いや、そういうのも悪かないんだけどね……。一体全体この作者は、何故こんなにこの人物をけなすのか、余程嫌いなのか、嫌いならなんでわざわざ書くのか、まさかこれはけなし愛?ツンデレーション?とか、本編に関係ない部分で悩む羽目になります。

    恋愛小説のカテゴリにいれてもいいんじゃないかとそう思う程度には、これ、かなり切ないです。切ないというか、まぁ、幸せな切なさではあるんですが、最後の20ページが怒涛。私泣いた。泣きそうじゃなくて。

  • 中国地方は大内氏と尼子氏の二大勢力が根をおろし、そのはざまで元就はたえまなく翻弄されていた。しかし、政略結婚でありながらまれにみるほど愛された妻の天性の明るさに支えられて、元就は次第に実力をつけ、一歩一歩戦国大名への階段を上っていく。乱世を生きぬく武将とその妻を描いた、長篇歴史小説。

  • 知らない毛利元就の人となりを感ずることが出来ました。

  • 4167200333 397p 1996・5・20 4刷

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著者プロフィール

(ながい・みちこ)1925~。東京生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。小学館勤務を経て文筆業に入る。1964年、『炎環』で第52回直木賞受賞。1982年、『氷輪』で第21回女流文学賞受賞。1984年、第32回菊池寛賞受賞。1988年、『雲と風と』で第22回吉川英治文学賞受賞。1996年、「永井路子歴史小説全集」が完結。作品は、NHK大河ドラマ「草燃える」、「毛利元就」に原作として使用されている。著書に、『北条政子』、『王者の妻』、『朱なる十字架』、『乱紋』、『流星』、『歴史をさわがせた女たち』、『噂の皇子』、『裸足の皇女』、『異議あり日本史』、『山霧』、『王朝序曲』などがある。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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