新装版 歴史をさわがせた女たち 日本篇 (文春文庫) (文春文庫 な 2-40)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167200404

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  • 北条政子、淀君、天璋院・・・歴史上にいる魅力あふれる日本の女性たちに関する人物評伝。
    永井路子さんの軽妙で痛快な語り口が、「歴史」という言葉の重みをすっかり和らげています。多様性が認められにくい当時において、慣習に囚われない33通りの多彩な生き方が紹介されています。

    激しい嫉妬と怒りを執筆のエネルギーに変え私生活を暴露した道綱の母、次々と降りかかる火の粉をはらりと躱しながら涼やかに賢く長寿を全うした北政所、数多の非難を浴びながらも道楽者の夫のせいで逞しくならざるを得なかった日野富子など。血筋や財力や肩書では彼女たちは測れません。一人一人は普通の女性です。
    最後まで読んだとき、時代も生き方も異なる彼女たちの共通点に気付きます。それは自身のなかにぶれない芯が一本通っていること。目まぐるしく変化する環境のなか、歩む道を自ら考え、選び、進もうと見据える女性たちに、気付けば背中を押されます。
    数十年数百年の時を経て、現代を生きる私たちに「各々が心のままに」生きる勇気を与えてくれるような一冊でした。

  • 歴史をさわがせた女たち

    飛鳥奈良平安という私の好きな時代の歴史小説を普通の本屋で見つけるのは難しく、古本屋さんの方が魅かれるものが売ってたりします。
    なので古本屋さんを見かけるとついつい店内に入ってしまうのですが、そこで必ずと言っていいほど見かけるのが本書。
    なぜこの本だけこんなに世の中に出回っているの?しかも古本市場だけに。

    とはいえ、初心者用っぽく感じたし、古い本だから読まずにいたけど、これだけいつも見かけると気になるのでとうとう購入してしまいました。。

    歴史小説家永井路子さんの歴史エッセイです。
    どの章もさらりと読めて楽しめましたが、その中で静御前と神功皇后の章が印象に残りました。

    静御前といえば義経の恋人として有名で、鶴岡八幡宮の舞事件から貞女の悲恋物語ふうに受け止めているむきが多いけど、それは違うんだそうです。
    彼女の職業である白拍子は、ドライで積極的で、芸を武器にチャンスがあれば有名人の愛人にでもなってしまう、というのが当時の姿で、そんな中、義経が失脚したあとも行動を共にするのは異例なんですって。しかも、最終的に捉われた後の尋問でも義経の行方はこたえなかったという、筋金入りの男らしさ。
    そういう強い彼女が頼朝の前で恋歌をうたったのは、なにも義経が恋しくてついつい前後を忘れて歌ったのではなく、権力者の言いなりにはならないわよ、とイキのいいタンカを切ったものなんですって。そういう目で彼女を見たことがなかったから、とても新鮮でした。

    また、神功皇后の章については、戦争前後で政府が、神功皇后について改ざんがあったことを著者が怒っていたことが印象的でした。
    たしかに、ウソの教育はいけませんよね。。

  • 日本の歴史に名を残す女性たちについて述べたもの。1人10頁にも満たないので非常に簡潔。
    私があまり興味の無かった時代の話が多く、勉強になる部分もあれば、深く読まずにすっ飛ばした部分も。
    1970年代のチョイスと論述だが(今ならば大河の主役を張った井伊直虎あたりは男性説をふまえつつ入るはず)、広く浅く歴史を学ぶことができたのはよかった

  • 普通に面白かった。歴史に残る女性偉人たちも、実はただの人間臭いおばさんだったりする。

  • 歴史上の女性達が等身大に見える…

  • 短篇ではちょっと物足りないな。。。
    でも「枕草子」「源氏物語」は覗いてみないなと思った。
    思っただけで終わるかもしれないが^^;

  • 史実にのっとっていて、しかもそこらへんのワイドショーよりおもしろい。大正生まれの著者とは思えないぐらい、文章もすっきりしていて読みやすい。

  • 浅井家の三姉妹についての見解が、特に興味深い。

  • 5ページくらいで、あの有名な女性の一生が分かります。

  • 淀、一豊の妻、など

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著者プロフィール

(ながい・みちこ)1925~。東京生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。小学館勤務を経て文筆業に入る。1964年、『炎環』で第52回直木賞受賞。1982年、『氷輪』で第21回女流文学賞受賞。1984年、第32回菊池寛賞受賞。1988年、『雲と風と』で第22回吉川英治文学賞受賞。1996年、「永井路子歴史小説全集」が完結。作品は、NHK大河ドラマ「草燃える」、「毛利元就」に原作として使用されている。著書に、『北条政子』、『王者の妻』、『朱なる十字架』、『乱紋』、『流星』、『歴史をさわがせた女たち』、『噂の皇子』、『裸足の皇女』、『異議あり日本史』、『山霧』、『王朝序曲』などがある。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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