新装版 乱紋 (下) (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167200473

感想・レビュー・書評

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  • 結局、ごうの侍女目線のお話でした(笑

    戦国時代、、時代に翻弄されて今の私達に置き換えて考えられないような人生を送った江、、、
    自分を捨てずに生き抜くために自然と身にまとった性格(って言うんでしょうか?)
    長年傍にいる侍女おちかの平凡な目線がおもしろかったですね。

    でも、、、一体ちくぜんって何者だったんでしょう?(笑

  •  乱紋下巻です。1日で一気に読み終わりました。上巻で感じた時と同様,今まで私が見てきたお江の方のイメージとは違った描かれ方をしていました。特に家光の乳母春日局の見方に納得がいった感じです。言い伝えとしてはお江の方が国松を寵愛したとされていますが,本書では春日局が勝手に利発な(家光は口数が少なかった)国松に敵対心を燃やす自分が悲劇のヒロインを演じることによって生きがいを得るタイプだったというように描かれています。
     今まで見聞きしてきた国松は直接お江の方が育てた,というのも違うと,著者はきっぱり否定しています。歴史小説やドラマ等は史実を元に描いているフィクションであり,見方が変わればその人も変わるというのを実感した1冊です。それが楽しみでもあるのですが。今回は面白い描かれ方をしていて,非常に楽しく読めました。来年の大河ドラマではどんな描かれ方をするのか楽しみです。

  • 下巻から面白くなってきた。ただ、どうしてもおごうがどんな人物だったのかがはっきりつかめないまま最後まで読み終わってしまった。登場人物全員がどこか一癖あり、特に春日局については永井さんこんなとらえ方をしてたんだなぁと面白かった。

  • 【読了メモ)

  • (2016.10.11読了)(2010.10.23購入)(1985.08.30・第11刷)
    岐阜の城主(秀勝)が亡くなったので、おごうは、京都のどこかの屋敷に住んで、女の子を生みます。
    岐阜城の後釜は、織田秀信(信長の長男、信忠の息子、三法師)でした。
    おごうの三度目の嫁ぎ先は、徳川秀忠でした。女の子(おきい)は、姉のお茶々と秀吉に託して江戸へと旅立ちます。このときおごうは、23歳、秀忠は17歳です。
    おごうは、秀忠との間に女の子を4人産みます。いちばん上が、後の千姫です。
    千姫と秀頼が結婚するときにおごうは、伏見までついていっています。その時身ごもっていた子供は、伏見で生み、二番目の姉のお初に養子としてあげています。
    おごうはそのあと二人の男の子を生みます。上の子が、後の家光です。養育係としてお福が登場します。後の春日局です。作者は、お福を非常に自己顕示欲の強い女性として描いています。大河ドラマの「春日局」とはだいぶ印象が違うような気がします。末っ子は、女子で、和子と呼ばれ、後に、後水尾天皇の中宮になっています。
    お江は、大坂の陣では、姉の茶々と敵味方になってしまいます。お江は、特に動かなかったのでしょうが、お初が、徳川の使者として豊臣説得に向かっていますが、うまくいかなかったようです。
    茶々と秀頼は、自刃してしまいますが、千姫は助かっています。
    大坂の陣が終わったところで、物語も終わっています。
    現在放送中の『真田丸』関連では、関ヶ原の戦いでも大坂の陣でも、真田の出番はほとんどありませんでした。秀忠や茶々の関連で、登場の機械があることを期待していたのですが、残念なことでした。
    娯楽小説として、面白く読める本だと思います。

    【目次】
    十字路

    伏見月彩
    名残り桜
    関ケ原周辺
    東西往来

    夏の炎

    ●戦場心理(54頁)
    (秀吉が)秀次やその妻妾たちを殺したことに、心の痛みは感じていない。むしろ相手を殺すことによって、奇妙なよろこびにひたっていた。
    これは一種の戦場心理であるらしい。こんな時、人間は相手を倒すことによって死を免れたと思い、ひどく陽気になるのである。
    ●秀吉の明との和平条件(180頁)
    一、明の皇帝の娘を、天皇の後宮に入れること。
    一、勘合貿易を復活すること。
    一、朝鮮南部を日本へ割譲すること。
    ●秀吉の遺言(218頁)
    (秀忠)「太閤の遺言があってな。お千はいずれ秀頼どのとめあわせることになった」
    ●第二子、第三子(220頁)
    翌年彼女はもう一人の女児を産んだ。お珠と呼ばれたその子は、後に三歳で加賀の前田家にもらわれることになる。
    次の年さらに第三女お勝が生れた。
    ●真田ごとき(222頁)
    (家康)「関ヶ原の一戦にさえ勝てば、真田ごときは何のことはないのに、それがわからないのか」
    ●関ケ原後の毛利輝元(227頁)
    このあと輝元は出家して、息子の秀就に家を譲り、謹慎の意を表するが、彼に対する徳川家の処分は厳重で、安芸、備中、因幡、伯耆、出雲、隠岐、石見の八国を削り、わずかに周防、長門の二国のみを保つことを許した。
    ●食べ物で(241頁)
    食べものの好みで子種が殖えもし、消えもする
    ●おごうと秀勝の娘(266頁)
    おきいは翌年、関白九条兼孝の子、中納言忠栄の許に、輿入れすることになっている。

    ☆永井路子さんの本(既読)
    「乱紋(上)」永井路子著、文春文庫、1979.08.25
    「炎環」永井路子著、文春文庫、1978.10.25
    「流星 お市の方(上)」永井路子著、文春文庫、1982.09.25
    「流星 お市の方(下)」永井路子著、文春文庫、1982.10.25
    「銀の館 上」永井路子著、文春文庫、1983.12.25
    「銀の館 下」永井路子著、文春文庫、1983.12.25
    「一豊の妻」永井路子著、文春文庫、1984.04.25
    「姫の戦国」永井路子著、日本経済新聞、1993.11.13
    「山霧 上」永井路子著、文春文庫、1995.11.10
    「山霧 下」永井路子著、文春文庫、1995.11.10
    「絵巻」永井路子著、角川文庫、2000.08.25
    「岩倉具視-言葉の皮を剥きながら-」永井路子著、文藝春秋、2008.03.01
    ☆関連図書(既読)
    「江-姫たちの戦国-上」田渕久美子著、日本放送出版協会、2009.10.30
    「江-姫たちの戦国-下」田渕久美子著、日本放送出版協会、2010.01.30
    「江の生涯-徳川将軍家御台所の役割-」福田千鶴著、中公新書、2010.11.25
    「江史跡紀行」小和田哲男監修、新人物往来社、2010.11.25
    「淀どの日記」井上靖著、角川文庫、1964.05.30
    「徳川秀忠」百瀬明治著、PHP文庫、1999.10.15
    「千姫様」平岩弓枝著、角川文庫、1992.12.10
    「春日局」童門冬ニ著、知的生きかた文庫、1988.06.10
    (2016年10月14日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    天がめぐろうとしている。権力をほしいままにした秀吉の立場に影がさしはじめた。そんな折、おごうは三度目の花嫁となった。嫁ぎ先は、徳川家康の嫡子、二代将軍となる秀忠―。秀吉の死、関ケ原の戦いと歴史の大きな転換期に到達した時、お茶々とおごうは、姉妹で日本を真っ二つに分けて対決する両陣営の頂点にいた。

  • 9784167200473 460p 2010・8・10 新装版1刷

  • 大河ドラマとはかなり違う。

  • 上巻に記載

  • お江の人生後半。
    途中から、劇の脚本を読んでいるような気分に。独特の世界観があった。

  • おごうの時代に身をゆだねた生き方こそが
    唯一の乱世を生き抜く秘訣だったのかもしれない。

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著者プロフィール

(ながい・みちこ)1925~。東京生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。小学館勤務を経て文筆業に入る。1964年、『炎環』で第52回直木賞受賞。1982年、『氷輪』で第21回女流文学賞受賞。1984年、第32回菊池寛賞受賞。1988年、『雲と風と』で第22回吉川英治文学賞受賞。1996年、「永井路子歴史小説全集」が完結。作品は、NHK大河ドラマ「草燃える」、「毛利元就」に原作として使用されている。著書に、『北条政子』、『王者の妻』、『朱なる十字架』、『乱紋』、『流星』、『歴史をさわがせた女たち』、『噂の皇子』、『裸足の皇女』、『異議あり日本史』、『山霧』、『王朝序曲』などがある。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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