小袖日記 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 799
レビュー : 127
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167203153

感想・レビュー・書評

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  • 源氏物語を題材にした、軽いタッチの小説です。
    不倫相手に振られた、30前のごく普通のOLが主人公。

    本気であるようなないような感じで自殺を考えていたら~落雷に遭い、なぜか平安時代にタイムスリップ!
    気づいたら小柄なおかめの集団に囲まれ、異様な香りにびっくりという。お風呂には入らないし、そこに色々な香を焚き染めているから。
    源氏物語を執筆中の香子(紫式部)に出会います。
    小間使いの侍女・小袖として、ネタを提供する役割をするのでした。

    正確には過去に戻ったというより~パラレルワールドに来たのかも?という設定になっていて、まあ細かいことはいいじゃないっていうことですかね。

    源氏物語のもとになったという想定の、当時の恋愛事情を幾つか語る趣向。
    末摘花のモデルが実は美人で、わざとブスに見せた理由があったりと、金持ちの男性の哀れみを受けるだけじゃないのよっという面白いひねりを効かせています。
    食欲のない姫にアイスクリームのような物を作ってあげたり、ちょこっとずつタイムスリップ物の楽しさも入れてあります。
    紫式部は賢いので、タイムスリップのことも理解するわけです。

    源氏物語に最初は不満を感じるようなポイントを、うまく突っ込んでいるところもなかなか。
    縁のあった女達を自分の屋敷にみんな引き取るのは、慈悲深いようだが、所詮ハーレムじゃないのか、とか…
    これは、敷地が想像以上に広大なので、一ヵ所に集めた感じはしないということに。
    源氏の評価としてはどうかと思う点もないではないですが、元気でとっつきやすく、読みやすい。
    楽しめました☆

  • ひょんなことから、平成時代から平安時代の『源氏物語』の世界へトリップしちゃった"小袖"の物語。
    "小袖"が羨ましい。
    『あさきゆめみし』ファンとしては是非とも"小袖"に成り変わって紫式部、こと香子さまの右腕にも左腕にもなって『源氏物語』に纏わる女性達を取材したい。

    平安時代は、何か不可解な出来事が起こると、怨霊や物の怪・生き霊の類いに祟られている、と直ぐに加持祈祷を行い悪い霊を追い払う…という展開が普通。
    今回のように論理的に謎の真相を突き詰めるとスッキリ納得できた。
    何事も、あるかないかの正体不明のものを原因にしてしまうからモヤモヤしてしまうのだ。
    案外、実際のところもこんな明確で単純な原因だったのかも…と考えるととても楽しい。
    『末摘花』『葵』が特に好き。

    しかしいつの時代も、生身の人間の嫉妬は恐ろしいことよ。
    そしていつの時代の女性達もまた、理不尽な荒波に揉まれがらも懸命に生きている。

    "小袖"には今一度トリップしてもらって、他の『源氏物語』モデルの裏話を探ってきてほしい。
    いや、今度は私が!

  • 源氏物語が大好きなので、とりあえず読むことに。

    荒唐無稽で、残念な感じかな~と
    ちょっと心配していましたが、
    意外と悪くない。

    源氏本編とのつなぎもちゃんとできているし、
    つじつまの合わない部分が少ない。

    紫式部と主人公が心通わせるあたりは、
    結構癒された。

    もう少しだけ設定や描写方法を変えれば
    (雷に打たれてタイムスリップ、
    主人公は不倫して自棄になっている、など
    チープさが目立つ)
    かなりいい小説になりそう。

  • 設定は面白いし、テンポよく進むので読みやすかったのだがそのオチはないだろ…という感想。最終章があまりに駆け足すぎる。他作品を読む限り、この作者ならもっとうまく纏められたのではと思うからこそ残念。
    また突然現れるジェンダーの主張がすべてを台無しにされた気分だった。

  • 源氏物語はかじっただけなので、昔のドラマ(ヒガシ主演)と映画(天海さん主演)を思い出しながら読みました。これが結構楽しかった。千年の時を超えて視点を変えてこんなに楽しめるんだなぁ。でもってラストはバックトゥザフューチャー?みたいな。平安時代の暮らしを疑似体験しちゃったような気分になれるオススメの1冊です。

  • 再読。不倫の末失恋したOLが、平安時代にタイムスリップして小袖という女官の身体に入ってしまう。お仕えする香子さまが執筆する「源氏物語」のネタ集めをする物語。
    始めは主人公が源氏物語から連想する平安時代の女性観に共感しつつ、しだいにその時代の境遇に置かれた女性たちの悲しみや優しさ、たくましさに感情移入しながら読みました。特に病気などに関しては何とも切なく、涙する主人公が好きです。
    香子さまの矜持も天晴だと思います。
    洋子さんのその後が気になりますね。

  • 平安時代にタイムスリップした主人公と、源氏物語の世界を描く作品。
    ちょっと軽いが、読み物として楽しめました。

  • 源氏物語の時代にタイムスリップした主人公のお話。ちょっとコメディーちっくでもありサクッと読める。
    最後の謎の現代から来た人必要だったかなぁ?と思うが無事に現代に帰れてめでたしめでたし。

  • 突然、平安の時代に自分がタイムスリップしたら?女性の気持ちをよくわかってるなぁ。面白い話だった。源氏物語を読んだ人はいっそう楽しめそう。そうじゃない人も源氏物語に興味がでるかも。

  • 絶対にあり得ないことなので割り切って楽しめた。
    この作者の描く女性はいつも元気で気持ちがいい。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。青山学院大学卒。1995年『RIKO――女神の永遠』で第15回横溝正史賞を受賞しデビュー。本格ミステリー、サスペンス、伝奇小説、ファンタジーなど多彩な作風と旺盛な執筆力には定評がある。2013年『激流』(徳間文庫)がベストセラーとなり、NHK「ドラマ10」にてドラマ化された。

「2018年 『象牙色の眠り 京都洛東連続死の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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