勉強はそれからだ (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2000年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784167209124

感想・レビュー・書評

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  • 2020.12.11

  • この巻の主題は、書くことの方法論だと思った。「ルポライターとして、巨大な網からこぼれ落ちてしまう微細なものをすくいあげること」「簡単に結論を出してしまうのではなく、曖昧に揺らいでいることのほうが自然ではないのか」「私が変わったのだ。私は、文章の中で生き生きとした「私」の獲得に全力を注いだあげく、やがてその「私」に中毒するようになり、今度はいかにこの「私」から脱していくかに腐心せざるをえなくなった。私はまた別の、私だけの教科書を必要としていた」「わかっていることは、わからないということだけ。」「そのあいだに学んだことのひとつは、割り当てられたスペースを埋めるために、苦しむべきことなどなにもしていない人間をわざわざ苦しめる価値など、ごく限られたケースを覗いては、ない、ということだ」といったあたりから感じた。◆また、タイトルは、ガルシア=マルケスが言ったという、「たとえば、象が空を飛んでいるといっても、ひとは信じてくれないだろう。しかし、四千二百五十七頭の象が空を飛んでいるといえば、信じてもらえるかもしれない。」から採られたとのこと。個人的には、大好きな三善晃の音楽詩劇「オンディーヌ」の冒頭で、岸田衿子が「どんな珍しい出来事も、どんな不思議な物語も、昔々と語りはじめれば、人は信じることができるからなのです」と語るのを思い出した◆読み終えて、ひどく沢木耕太郎「バーボンストリート」「敗れざる者たち」を読み返したくなった。

  • やっぱこれが一番すこ

  • 文章力で読ませるけど、話題がバラバラ過ぎで、読んだあと何も残らない......(>_<)。
    三冊通して、ずっとそう......(>_<)。
    やはり、書評なら書評、世相評なら世相評、ジャンルごとにまとめた方がよかった(>_<)。
    誰ぞ聞いたことない人の「解説」まで、本編にならったつもりか、散漫そのもの(>_<)。ただ「いまどきVHSテープなど3本1000円で買える」の一文には、強く心を揺さぶられたけど! そんな時代もあったね!、と......。
    まあ、サワコー初心者には読むのを出来るだけ後に回して欲しい作品集。まずは「人の砂漠」「一瞬の夏」「深夜特急」あたりから入るのをお勧めしたいです......( ´ ▽ ` )ノ。
    2015/09/15

  • ジャーナリスト、ルポルタージュという職業から、どのような人物を想像するだろうか。
    「おもしろいこと」「珍しいこと」に顔を突っ込んでいくアクティブな人間をイメージするが、これが沢木耕太郎流に物事を観ていくと、驚くほど「静か」で「素朴」な面が浮かび上がってくる。
    その「装飾」を極端に排して見つめて綴る文章には、まるで水や空気のように読者の体にすんなりしみこんでいく。
    彼のように人生を歩んでいければ・・・そう思わせる数少ない尊敬する作家のひとりだ。

  •  この本を読んで、中で紹介されている本をまた読みたくなりました。

  • この本を100%楽しむにはインテリジェンスと沢木歴が短すぎる。もっとかしこくなったらもう一度読みたい。

  • 080412(n 080418)
    080914(n 081102)
    090924(a 091129)

  • 1982年から10年間の間に書かれたエッセイや書評をまとめた本。『路上の視野』の続編という位置づけです。やはり僕にとって一番興味深く読めるのは、「第1部 夕陽が眼にしみる:歩く」。中でも「異国への視線」で展開されている小田実『何でも見てやろう』論、吉行淳之介『湿った空乾いた空』論は秀逸です。第3部に収録されている「彼の視線:近藤紘一」も、何だか泣けるなあ。

    文庫本は、『路上の視野』同様3冊に分けてまとめられています。

  • ノンフィクション作家のエッセイ。
    自分の昔を振り返り、恥をかいたことでも書けることに
    真摯さを感じた。
    次回はテロルの決算あたりを読んでみようか。

  • いい話がたくさん載ってる。タイトルどおり勉強はそれからだ。ある日老婆が死んだ。餓死だった。まもなくたってその床下から800万円が出てきた。このエピソードをどう考える?800万円も残して死ぬのだったらそれを全部使い切って豪快に遊んで死ぬ。という意見。老婆は貯蓄があったけどその800万円があることによって支えられてきた。そう考える意見。双方それぞれの考え方があってもちろん問題はない。だが問題はこの餓死が老婆にとってほんとうに哀れな死だったかをどの視点で考えてるかどうかだ。勉強っていうのは本来そういうもんであってほしい。と。


  •  自分のエッセイが大学の試験問題にでることになり試しに解いてみたという内容で、「≪次の分を読んで、あとの問いに答えよ≫というかたちで自分の文章が問題になったものに眼を通してみると、まるで答えがわからない。≪右の文中の傍線Bで、筆者はどのようなことを言おうとしているのか≫と訊かれても選択肢にある五つの文章のどれも違う気がする。…」

    という件(くだり)がありました。

    つまり答えなんてないんです。 解釈は極めて自由。 なんの束縛もないからこそ生まれるものってすごく大事。 

    大事なのは自由に解釈することなんだよね。 社会に出て色んなものや人を見て思う。 人生色々、決まった道なんてない。 だからこそ尊重して、寛容にならなきゃいけない。

  • 沢木氏の本。2000年。情報に対する考え方に賛成。今のネットの時代だと、無駄な情報が8割、9割くらいだろう。浅い多くの情報も良いが、深い少しの情報を身に着けることが大切。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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