本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784167215170
感想・レビュー・書評
-
高度成長期の日本を震撼させた。連続殺人鬼、榎津巌。78日間の逃亡劇から、逮捕、裁判、死刑執行までの一人の殺人犯のノンフィクションノベル。
モデルは、西口彰事件。(昭和38、39年)
こちらは改訂版で、当時30年ぶりに全面改訂され出版されたもの。
最初の殺人事件から、全国を転々とし、その間、大学教授や弁護士などと偽り、各地で詐欺を働きながら逃亡生活を切り抜ける。
かなりの取材をされているのでしょう。詐欺の手法から、被害に遭った人達の人柄から生活まで、丁寧に時間を追いながら書かれている。
あくまで、事件そのものを追う。ノンフィクションということに重点を置いたためか、犯人の心情や行動動機などは、よくわからない。
犯人は、キリスト教カトリック信者であった。タイトルも新訳聖書ローマ人への手紙から取られている。
長い間、このタイトルからハードボイルド系の何かだと思っていたことがある。神のみぞ罪に審判を下せる的な意味だと思うけど、犯罪は法律で裁いて良いのではと思う。文章は読みやすいし流れもよくわかる。でも、直木賞はノンフィクションでない方が良いなあとも思った。詳細をみるコメント2件をすべて表示-
みんみんさんこれは緒方拳の映画が子供心に強烈な印象だったわこれは緒方拳の映画が子供心に強烈な印象だったわ2023/11/01 -
おびのりさんそれそれそれそれ2023/11/01
-
-
5年ぐらい前に読んだので勘違いしてるかも。
あちこち流れながら、ひたすら人を殺しまくる。映画版は何も考えずに見れてエンタメ色が強いが、こちらはノンフィクションぽさが全開で陰惨で読ませる。だけどなぜ彼という根本的な疑問が残った。 -
池上冬樹編・ミステリ201から。これ、名前は変えてあるけど、実際の事件を元にしたいわゆるノンフ作品なんですよね。時系列を追っているだけと言ってしまえばそれまでだけど、次に何が起こるか分からない不穏さとか、小説さながら。不謹慎ながら、普通の娯楽作品としても十分楽しませてもらいました。
-
事実だけが積み重なられていく構成になっている。
殺害場面もなく、もちろん犯人・榎津が心情を吐露する場面もない。
犯行後の現場の描写はあるものの、第一発見者をはじめとする証言などが語られていく。
これはノンフィクションなのだろうか。
確かに登場人物の名前は違うし、一応小説として発表されてはいるけれど、限りなくノンフィクションに近いもの・・・と言っていいと思う。
映画化の企画が榎津の家族から抗議を受け断念するエピソードが描かれている。
「家族まで罰するのは赦してほしい」という嘆願書だったという。
結局、映画化は残された家族の人権を侵害するとの理由で断念された。
犯人の人権、被害者の人権、そして残された加害者家族・被害者家族の人権。
そんなことを考えながら読み終えた。
逮捕され、裁判が進む中で徐々に変わっていく榎津が興味深かった。
変われるのなら、どうしてもっと前に変わることが出来なかったのか。
現実に起きた事件に基づいているからこその怖さが伝わってきた。
この世で本当に怖いのは、人間が人であることを止めてしまったときなのかもしれない。
すんなりと入ってこない部分もあったけれど、最後まで一気に読んでしまった。
犯罪小説とでも呼んだほうがいいこの手の作品は神経が逆なでされるような気がする。
それをどこかで感じながら、それでも読まずにはいられない。
いつも不思議な感覚に陥ってしまう。
※実際にあった「西口彰事件」を題材にしている -
新装版となり、地名が実名になって読みやすくなりました。
実在の事件の詳細は知りませんが、まるでノンフィクションを読んでいるかのようなリアリティーがあります。
ここまで、人間って悪人になれるのかという印象を受けました。 -
フィクションとノンフィクションの境目が分かりにくかった。(明確な部分も少なくないけれど)やはり小説としての作品なのだろう。読んでいて最後の方は犯人に肩入れしてゆくのが不思議だったがこれは作者が意図してることなのだろうか。誰に、何に復讐するのわからないまま、己に対してなのかなと思うことにした。
-
創作部分もあるドキュメンタリー。この世の中に榎津のような人間は多く居るのだろうけど、それを実行に移す者が出てこないだけなのだろう。新約のローマの信徒への手紙にある一節「復習するは我にあり」を題名とした著者のセンスは、榎津が犯した犯罪や、それを詳細に綴った本作の内容にも増して凄いと感じた。
-
日本中を横断しながら詐欺、強盗殺人を繰り返し5人を殺害した榎津巌の78日間に及ぶ逃走を記録したノンフィクションノベル。なぜ榎津がこれだけの極悪非道な人間になったのか、その背景に今一つ迫りきれてない部分は感じるが読み応えあり!
-
-
犯罪小説として、またノンフィクションとしても傑作。普通のノベルならここまでは突っ込まないだろうね。
-
映画を視聴したのちに購入。
映画版よりもこちらの方が深みがあるというか、映画版の「行間」の意味が分かったともいうか。とはいえ、映画版との展開と違うところも多いが。 -
面白かった
どこまでフィクションなのだろう...
鼻唄... -
たまたまTVでドラマ版見て(柳葉敏郎)実話ベースということに驚き、その後 映画版見てからの読書。
復讐するは我にあり(新約聖書 ローマ人への手紙12.19) 。というフレーズにある「我」は神でなく自分自身のことだとこの犯人は思い込んでいた。という一説をどこかで目にしたような記憶があったけど、これは私の思い違いであろう。犯人はカトリック信者だったので、いくら信仰から離れた生活をしていたといっても、幼いころにどこかでこれは耳にしていると思うし、一連の犯行は復讐とは関係ないものであるから。
(余談ですが、「ローマ人への手紙」の「人」は「ひと」ではなく「びと」)
大人は誰も気が付かなかったのに(それどころかすっかり騙されている)小学生の女の子に気づかれた、なんて犯人は信じられなかったでしょう。初めてドラマで見たときは、この子も、、、、とサスペンスドラマの流れで最悪のパターンを想像してしまった。
別の書籍で犯人が死刑になるまでの様子について記述されたものを読んだことがあったが、これも佐木隆三だったかな -
まあまあ
-
実際にあった事件を題材としたノンフィクション的作品。淡々と経過が書かれており、読みにくい部分もあった。
-
綿密な記録調の文面に最初は「うへぇ…」となりますが徐々にクセになり、やがて著者の気迫に圧倒されます。何も知らず読んだだけにチャクラ全開になりました。そして私はこれ以上にかっこいいタイトルを持つ本を知りません。奇しくも先日著者の訃報が流れ、驚きました。。素晴らしい本でした。
-
P472
著者プロフィール
佐木隆三の作品
本棚登録 :
感想 :
