炎熱商人(下) (文春文庫 ふ 2-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167219062

感想・レビュー・書評

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  • 天然林伐採の環境面での問題点は全く出て来なかったが、資源の搾取に繋がっているのではないか、という問題意識は通底にあったように思う。
    それが伏線となって、衝撃のラストに繋がる。
    重たい結末であるが、読後感は爽やかである。
    それはヒロインが日本を尊重してくれたからなのではあるが。

  • 複数巻の長編を平行に読破しよう月間。厚い本ばかりで難儀中。

    折り返しの下巻。順風満帆から嫌な奴出現。どう見ても危ない商談相手に、嫌な奴が組んで嫌な予感しかしないという、「起承転結」の見本のような展開で、安定感が感じられるストーリーである。

    が、上巻からのもっとも重要な課題が1つ残されている。それは「これ、オチってどう落とすの?」。

    下巻も後半になってくると、きな臭い感じになっていくのでようやくわかった。あとがきにも有るが「フィリピン邦人襲撃事件」の長い長い前フリだったわけだ。

    普通の人は、裏表紙の要約を読んで理解して読むのだろうが、まったく読まないのがこちらの読書コーナーなので、オチないオチないと思っていたら、最後にようやく納得できた。また、登場人物は架空ということだが、本当に架空なんだろうと思う。全体に都合が良すぎる。

    嫌な奴とろくでも無い相手、しがらみの強い人物に良い人。ストーリーの作りはかなり上質な作品であり、ストーリー展開のお手本のような話である。

    ちょっと長いけど。

  • 昭和40年代、反日感情が色濃く残るフィリピンでの日本の商社の物語。25年前に一気読みした覚えがあり、ふと思い出し古本を探して再読。面白かった。実話がベースで某商社ではバイブルになっていたとか。

  • 昔の直木賞作品らしいけれども、ここまで読み応えある直木賞作品をかつて読んだことがない!
    人間は崇高な理想を持ちたい、でも持てない、立派にいたい、でもおろかな事をしていしまう。そんな理想と現実に揺れ動く登場人物たちが懸命に仕事して、生きている。
    随時にちらばる、エピソードの対比と繰り返し、強い作者の想いが伝わってくるようだ。

  • フィリピン、マニラなどを舞台とした作品です。

  • 親父に勧められて新幹線で読む。経済小説としては並。事実だということに驚愕。同時期に親父はフィリピン勤務していたので、人生の衝撃事件として忘れられないという

  • 2010 12 31
    やはりラストは号泣。

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