- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167224233
感想・レビュー・書評
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意外と日本書紀に忠実に書いているが、虚構でもいいからドラマをもっと盛り込んでほしいなあ
間人皇后が一時天皇だったというのもなんだかなあ
ハラタワケをして神=天皇になれなかった中大兄皇子
(同父同母の妹、間人皇女と通じた)
それは有名だけど、中天皇=間人皇后で、九州で廃人になったのを情緒的理由で天皇にしてあげる兄心かあ
国家の危機にそんなことするわけがないだろ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今ちょうどやる夫大海人皇子を読んでいるのでそのキャラに脳内置換されてしまうので、いまいちこの本とはまらないでいる。特に魔王さららたんに対して冷たいじゃないかと理不尽なことを思ってしまっている。
キャラはともかく、この小説の中の説明的なセリフと現代的な思考が目についてしまうところはある。これは決してこの小説が稚拙なわけではないし、むしろ逆なのだが、小説とやる夫の表現形式の違いだ。表現そのものの改革者としてのやる夫はもっと注目されるべきだと思うなあ。やる夫そのものは下火だけど、最近のやつのレベルはすごいよ。 -
大化の改新から壬申の乱前夜までを、関係者7人の視点で綴った連作。蘇我鞍作(入鹿)を倒したあと即位できなかったのは、実の妹、間人皇女との関係(いわゆる畜生道)による穢れにあったこと、宝大王(皇極天皇)に建築狂の性癖があったこと、中大兄が大海人から額田を奪ったのは「弟の妻と婚いて、日嗣ぎの御子の身の穢れを攘い清めよ」との神託によったこと、廃人となった間人皇女が中天皇として即位していたこと、鵜野皇女(のちの持統天皇)が「口かずが極端なまでに少なく、陰気で、強情で、女らしい柔軟さ温かさに乏しい」人物であることなど、これまで読んだ小説にはなかった点。いろんな見方、解釈の仕方があるんだなあ。
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世界の伝記 藤原鎌足と前後してしまったけれど…書く人が違うと同じ歴史も多方面から見られておもしろいです。
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その人生において何らかの形で天智帝と関わりを持った人物を主役にした七つの短編集。主役である天智帝をあえて影の立場において描くことで、より実態を伴った「人間天智」が垣間見えてきます。
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歴史には、それを紐解く人間がいるだけの解釈があると思います。
数年前、某ニホン放送で放映された古代ドラマのような解釈:大王家こそすべて正義で蘇我宗家が諸悪の根源、みたいな解釈もさもありなん、です。
つい半世紀ほど前の戦前まで、日本には天皇に関する厳しい言論統制があり、違反は不敬罪で取り締まられてたし、楯突いた勢力は文字通り賊軍だったし、猫もしゃくしも天皇バンザイなのが普通だったんですよね。
でも、それでは面白くないなと思う人間がここに一人。
前置きが長くなりました。
ここからはあくまで個人的思想です。
反感を恐れずに書きますが、私にとって葛城皇子とは、腹黒い・陰湿・ドS・残忍…と、かなりダークであってほしいお方なのです。
小栗旬が演じるような、爽やかで正義感あふれる葛城皇子もたまにはいいでしょう。
でも、ダークであればダークであるがこそ、秘めたるポテンシャルがハンパない。そんな皇子に圧倒されたいんです。
闇を背負って、目を光らせ、仰々しく登場して欲しい。
そして稀に「意外!」ともとれる優しさを見せて欲しい。
失礼な書き方ですが、これ全部褒め言葉です。
心にMっ気を秘めた方には解っていただけるかな…。
この本は、そんな私の願いを叶えてくれる素晴らしい歴史小説の中の一冊です。
入鹿=大郎鞍作(この表記もイイ!)や他の皇子たち、皇女たちの性格もかなり好みです。
女性ならではとも言える、さらさらと軽やかなセリフまわしややわらかく繊細な筆致も読みやすいです。
なんだか今回はいつにもまして妄想全開なレビューで失礼いたしました。 -
黒岩重吾「中大兄皇子伝」でもそうでしたが、やっぱり天智帝は狡猾な頭脳派で、弟の大海人皇子(天武帝)は武芸の得意な肉体派(?)でした。三人称で主人公が別の人物であるからか、中大兄皇子は黒岩版よりもより余裕綽綽でイヤらしく見えました。女性の名前が覚えにくいのは時代柄しかたがありません。
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図書館にて貸出。