山河寂寥 下 ある女官の生涯 (文春文庫 す-1-28)

  • 文藝春秋 (2002年10月10日発売)
3.71
  • (3)
  • (11)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 79
感想 : 8
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784167224295

みんなの感想まとめ

平安時代を舞台に、藤原淑子という女性の成長と彼女を取り巻く権力のドラマが描かれています。彼女は天皇の養母としての立場を持ちながら、周囲との関係を巧みに操り、自らの利を追求する姿が印象的です。物語は、彼...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 藤原淑子、生ききった感がいっぱい。
    基経と協力しつつ、しっかり自分の利になるよう立ち回っていたり。
    やっぱり、藤原の娘なのだなぁ。

  • 平安初期、偏見ではありますがどうも埋もれがちなこの時代だけど見事に埋められた杉本先生、やっぱり素晴らしいなと…読んでいて本当に飽きない。
    藤原淑子という1人の女性を「天皇の養母」の肩書きを持つまでにしたのは、彼女を取り巻く宮廷や権力はもちろんのこと、彼女に流れる藤原の血が疼くからなのだと。初心な女童が「女官 藤原淑子」に覚醒する瞬間が印象的でした。読み応えがすごい。

  • 下巻では陽成帝〜醍醐帝時代の人生の終わりまでを描いています。陽成帝や周りの人物設定など、今まで読んだ中でこのお話が一番しっくりきました。いきなり高齢の光孝帝に遡ったのには、主人公の関わりがあった解釈があったのですね。上巻に比べ下巻はドラマチックさがなく、歴史書的な感じではありましたが、政変の移り変わりがとてもわかりやすかった。主人公は概ね幸せな人生を送ったと思いますが、悔いはないと言いつつ最後は何を思ったのか気になりました。上下巻の長編でとても読み応えはありました。

  • 藤原淑子は藤原冬嗣の長男長良の妾腹の子、藤原良房も人格を認める親に愛される淑子は、聡明に育ち道康皇太子の妃である明子に仕える。異腹の兄基経と二人三脚で藤原北家のかじ取りをするが、文徳帝の毒殺で目的を達成する。基経は良房死後に「少し良い人」になりかけるが、現実の厳しさに挫折(?)して再び権力を行使する事にまい進する。
    班子内親王を妻として一親王としてひっそり暮らす時康親王が皇統を得ると、基経の次の候補に遠慮して皇子たちを臣籍降下させる下りも面白い。
    応天門の変における伴大納言の思惑と期待はずれが、歴史の謎になっていたんですね
    中だるみはあるものの、平安時代・・・知っているようで知らない時代の「穴」が少し埋まりました
    勉強していてよかった、さもないとこの小説の人間関係は複雑すぎます!

  • 基経の時代。奥山景布子「時平の桜、道真の梅」と前半部分は被るが、あの劇的なオープニングは虚構だったと判明。それにあっちは淑子が登場せず、かつ時平目線だから読み比べが面白い。宇多帝の道真や政局への傾倒具合も温度差があるし(「昌泰の変」時の対応とか)、時平の距離感も違う。更に基経の次男で時平の弟の仲平の扱いが全然違う。

    ところで、「筑波嶺の」を贈られた宇多帝の妹・綏子内親王、なぜに作中では「簡子(ふみこ)」とされているんでしょうかね?

  • 上巻に記載

  • 女官の淑子さんが養子の定省を天皇に仕立てるあたりはやり手さがうかがえる。
    仕事のできる人だったんだな。

全7件中 1 - 7件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

杉本 苑子(すぎもと・そのこ):1925年東京都生まれ。52年「燐の譜」で『サンデー毎日』大衆文芸賞入選。62年『孤愁の岸』で直木賞を受賞、77年『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞、86年『穢土荘厳』で女流文学賞受賞。87年紫綬褒章、2002年菊池寛賞・文化勲章。著書に『春日局』『冬の蝉』『冥府回廊』『女人古寺巡礼』など。17年逝去。


「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉本苑子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×