冬の蝉 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2006年1月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784167224301

みんなの感想まとめ

人間の内面を深く描いた短編集は、江戸時代の町に生きる人々の多様な表情や心情を繊細に捉えています。作品は時代考証がしっかりしており、特に「ゆずり葉の井戸」では江戸の水事情がリアルに描かれ、歴史的背景に興...

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の町に生きる人々の表情をとらえた短編集8編。
    細かな心情の変化・生き方よりも、現実の無情さや筋中心で進められているため、どんどん次の展開へ進む感じや読者の心の用意ができていないのに急にラストを迎えるものもあり、入りきれない感じもある。短編だからだろうか?

    「ゆずり葉の井戸」などは歴史小説では余り描かれない江戸の実際の水事情がリアルに描かれており、時代考証がしっかりしている作家なんだろうと思う。

  • 杉本苑子さんの本は読んだ事がなかったのですが、カバーのきもの姿の女性に惹かれて手に取りました。
    着物が日常着であった頃の空気を感じる小説が読みたいな、と思ったからですが、その興味は十分満たされました。
    時代物なので、今は使わない言葉や固有名詞も沢山出てきますが、話の流れから大体分かりますし、むしろ、知らない言葉が出て来るのも面白く、難なく読めました。
    なにより、念の凄まじさや、迸る感情、業の深さ、美しい心がけ・・・人間の内面を深く、するどく描かれていて、流れるような美しい文章とはうらはらに、ずしりと重く心に碇をおろすような感覚にとらわれました。

  • 時々、しっとりした良質の時代小説、特に人情物の短編集を読みたくなります。最近、時代小説そのものは多く出版されていても、ガチャガチャした捕り物帳だったりチャンバラだったりのエンターテインメント系ばかりで、藤沢周平亡きあと乙川さんは筆が遅く、なかなか良い本には巡りあえず。
    そんな訳で手を出した杉本さん。昔から名前は良く知っていますが、これまでほとんど読んだことはありません。
    まずまずなのです。一つ一つのテーマも面白いし、それなりの雰囲気もあります。でも何か一つ足らない。グッと来るものが無い。それが正直な感想。もっともその"何か”が自分にも良く判らないのですが。

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著者プロフィール

杉本 苑子(すぎもと・そのこ):1925年東京都生まれ。52年「燐の譜」で『サンデー毎日』大衆文芸賞入選。62年『孤愁の岸』で直木賞を受賞、77年『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞、86年『穢土荘厳』で女流文学賞受賞。87年紫綬褒章、2002年菊池寛賞・文化勲章。著書に『春日局』『冬の蝉』『冥府回廊』『女人古寺巡礼』など。17年逝去。


「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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