隅田川暮色 (文春文庫 229-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167229023

感想・レビュー・書評

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  • 時代ものという程古くはない時代の話でも、明らかに現代とは違う世界を感じ取れるひと昔もふた昔も前に書かれたこのような本は、魅かれる。なんとも味わいがあり、まだ女性もつつましやかで、情緒が大事な時代の話。

    読んでから半年ほど経ってしまったので細かい事は忘れてしまったが、家庭的に幸せになれない女性の孤独、諦観、後悔などがとても丁寧に、静かに描かれている。こういう人は時に意図的に、時には意図せず、周囲の人との関係にさざ波を立ててしまうもので、その描写もまた良かった。

    意思は強いながらも控えめで、どこまでも日陰の身である事を自覚している主人公が、最後はなんだか開き直って力強さを感じるようなエンディングだったと記憶。戦後の復興期と重なり、女性が自立していく時代が来る事と重ねたのか。組紐について少し知る事ができた。

  • 呉服問屋の娘だった冴子。組紐作りの家の息子悠と駆け落ち同然に東京を後にする。戦争で父を亡くし、東京に戻って来てから、悠の実家に出入りし、自分でも組紐の世界に魅せられていく。悠と幸せに暮らしているかと言えば、そうでもなく、悠には妻子がありずっと別居しており、先方は離婚に応じてくれないまま15年の月日が。昔からの知り合い、紺屋の俊男は優しくしてくれる。平家が厳島神社に奉納した納経の組紐を復元しようという話が持ち上がる・・・

    1984年に書かれた、1960年の話。乙川優三郎の小説で紹介されていた。

    世間的には言えば日陰の身。悠の祖母にはよく嫌味を言われる。悠は自分のこと優先で必ずしも優しくない。むしろ俊男の方が優しい。そんな揺れる女心が絶妙なタッチで描かれる。

    本当に本当に絶妙なタッチで。

    こんな小説が楽しめるほど、あたしはおばさんになったのだと実感する。ビバ、おばさんズ・ライフ。

  • 2016/10/12完讀

    文體非常優美雅致,故事本身也寫得還不錯,只是因為步調太慢的關係還是數度中斷閱讀,實在太像乙川了。主角冴子與父親的回憶和與職人的相處、挑戰平家納経組紐(看到經卷本體和盒子、袋子之後,可想其精緻,很想親眼一見!),恬淡但很有韻味。但當俊男和冴子之間開始有些特別的氣氛,響一感到忌妒之後,故事步調也開始緊湊有趣起來。不過個人對於悠有點感冒,離家出走的冴子再度回到秩序之中(雖然故事安排讓她挑戰平泉組紐的復原,似乎仍頗有意義),看起來也好像因為要出國被香月認可,結尾讓我消化不良。整體作品美歸美,也很精緻有味道,但是結局只能說很不合個人口味,留下一些如收不完的線團般的焦躁感。

  • これもまだ読めていない。

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著者プロフィール

芝木好子(しばき・よしこ):1914-91年。戦後を代表する小説家の一人。生まれ育った東京下町への哀惜を託した文章で知られ、芸術と恋愛の相克に苦しむ女性の生き方を描いた小説に独自の境地を拓いた。芸術院会員。文化功労者。主な著書に、『青果の市』(1941年、芥川賞)、『湯葉』(1960年、女流文学者賞)、『夜の鶴』(1964年、小説新潮賞)、『青磁砧』(1972年、女流文学賞)、『隅田川暮色』(1984年、日本文学大賞)、『雪舞い』(1987年、毎日芸術賞)がある。

「2023年 『洲崎パラダイス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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