敗戦日記 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167249069

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  • ●民間の者が権力を持たされるようになると、官吏よりもひどい官吏風を吹かせる。
    ●縁故や顔役と知り合いでないと、何も手に入らない世の中。
    ●空襲の悲劇に沈黙を守る新聞、負けている現実に目を伏せる新聞。国民はもはや新聞を信用しなくなった。
    ●文士には、いざというとき頼れる会社も役所もない。
    ●静かな声、意見が通らないで、気違いじみた大声、自分だけが愛国者で、他人はみな売国奴だといわんばかりの馬鹿な意見が天下に横行したので、日本はいまこの状態になったのだ。
    ●敵をだます・・・こういう考え方が日本のすべてに共通する考え方だ。政府は国民をだまし、国民は政府をだます。軍は政府をだまし、政府はまた軍をだます。
    ●婦女子を大至急非難させよとの通告。・・・自分を以って他を推すの例なり。自らの恥ずかしい心を暴露しているのだ。
    ●権力を持つと日本人は残虐になる。権力を持たせられないと、小羊の如く従順、卑屈。なんという卑怯さ。
    ●戦前「尊皇攘夷」を唱えていた右翼結社が、戦後、「日本人入るべからず」の占領軍専用キャバレーを経営した事実。占領軍のために被占領軍の人間がいちはやく婦女子を集めて淫売屋を作った例が世界にあっただろうか。権力への追従、便乗。恥を失った者の姿。

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著者プロフィール

1907年、福井県に生まれ、1965年、千葉県に没する。小説家、詩人。
本名、高間芳雄。
高校時代にダダイズムの影響を受け、東京帝国大学文学部時代にはプロレタリア文学運動に加わる。
1935年、『故旧忘れ得べき』で第1回芥川賞候補。1941年、陸軍報道班員としてビルマに徴用。戦後も、小説、エッセイ、詩とジャンルを問わず活躍した。
主な作品に、『如何なる星の下に』(人民社、1936)、『昭和文学盛衰史』(文藝春秋新社、1958)、『激流』(第一部、岩波書店、1963)をはじめ多数。
ほかに『高見順日記』(正続17巻)、『高見順全集』(全20巻)がある。

「2019年 『いやな感じ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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