- 文藝春秋 (1994年3月10日発売)
本棚登録 : 774人
感想 : 75件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (592ページ) / ISBN・EAN: 9784167254049
作品紹介・あらすじ
漆黒の髪に黒ずくめのドレス、人呼んで“ブラック・ダリア”の殺害事件究明に情熱を燃やす刑事の執念。ハードボイルドの暗い血を引く傑作。〈暗黒のLA四部作〉のその一。
みんなの感想まとめ
人間の弱さや狂気を鮮烈に描いた作品で、単なる警察捜査小説を超えた深いテーマが魅力です。1947年の実際の未解決事件を背景に、主人公たちの情念や破滅を追い続ける姿は圧倒的な迫力を持ち、読者を引き込む力が...
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ううむ、凄い小説。こんな凄い小説を今まで放置して読まずにいた自分がとっても愚かに思えるくらいの、凄い小説。単細胞さんからぜひ読んでみて下さいと言われて、なんだか楽しみに取っておいた気分もあるんだけど、その期待全然裏切られませんでした。本当に圧倒されました。ヴァクスに圧倒されて以来、久々に圧倒されました。
ただの警察捜査小説っていうのではないな、と感じたのは、まず事件に至るプロローグの長さ、ストーリー展開の奔放なまでの自由さ……。ロス暗黒史4部作の1作目とあって、史実に基づいた事件に現存した有名人たちの顔や名前が出てくるというのも驚いたけれど、多くの人間たちの情念や破滅をこれほどまでに追い続ける主人公の狂気にもくらくらと来てしまった。
物語の残酷さにも、エピソードの多さ、伏線の複雑さにも、本当にいろいろな意味で圧倒されました。こんな作家は他にいない! -
原題 BLACK DAHLIA
人の持つ弱さのありのままが、
残酷なまでにさらけだされて、
人の持つ病的なまでの信念が、
信じられない強さを発揮して、
ノワールは綺麗事を許さない。
でも誰もがわかり得る、怖さ。
人の営みは実はこうなんだと。
倫理はあっても絶対じゃなく、
堕ちるしかないんですよね…。
咲くはずのない、黒いダリア。
-
『ホワイト・ジャズ』読書会にむけて再読。暗黒のLA4部作の第1弾。1947年、若い女があまりにも哀れな遺体となって発見された。この〝ブラック・ダリア事件〟の捜査にあたるのは、いずれもボクサーあがりで、対抗心と奇妙な敬意を抱きあうバッキー・ブライチャードとリー・ブランチャード。事件はふたりの私生活までも蝕んでいく。三角関係、裏切り、癒着、汚職、横溝正史に通じる暗黒。次々と明かされる新事実に翻弄され、それは幕切れまで続く。密度が濃いので一見とっつきにくそうなエルロイだが、物語が動きだすときに読み手を引きこむパワーが桁外れに大きい。ブラック・ダリア事件は実在の未解決事件。似たような状況で母親を殺害された過去をもつエルロイがモチーフとしてとりあげた。ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ミア・カーシュナーらの出演で映画化されている。
-
《ブラック・ダリア》とは、ロサンゼルスで惨殺されたひとりの女に献じられた呼び名である。
猟奇的な殺人事件とその核心に迫ろうとする警官が主人公という点で、これはれっきとした犯罪小説であるが、と同時にこのフィクションの肝はもっと別のところに、《ブラック・ダリア》という女の存在によってはからずも自身が抱える心の闇に向かい合わざるをえなくなった人々の孤独な葛藤とその悲劇的結末を容赦なく描き出すところにあるようだ。ひとつの事件をきっかけに、平和な日常がアリ地獄のようにグズグズと崩落してゆくことの恐ろしさ。息をのむようなスピード感とは無縁。物語は、からまった糸を忍耐強くほどいてゆくようにジリジリした歩みで進んでゆく。
全編を貫く生々しさ、不吉さは、ロサンゼルスの暗部を身をもって知りつくした著者ゆえだろうか? 読者にもそれ相応のタフさが要求される。 -
これからは簡単に感想を書いていこうと思う。「ダリア」によって人生が狂ってしまった人々の話。勝者はいないが、ラストに救いがあるのがいい。初期作品だからか、文体はエルロイにしては大人しい。
-
2009/08/28読了。
おもしろかった〜〜!
「アメリカ文学界の狂犬」とか呼ばれてるエルロイだから、どうなるんだろうと構えていたのだけど、純粋にミステリーとして面白い。
たたみかけるようなプロット、数十頁前の気にもとめないような雑談、電話での会話が、一つの謎が解き明かされることで凄まじく重要な意味を帯びてくる。
「ブラック・ダリア」と名付けられた一人の娼婦の惨殺死体。センセーショナルだがしかし連続殺人が普通のミステリ小説では「たった一人」の殺人である。
しかし、その事件の余波はLAPD(ロサンゼルス市警)の全てを洗う。
そして、次々と違う「事件」として人々の人生に甚大な影響を与えてしまうのだ。
何度でも読み返したくなるほど、素晴らしい構成。
結末は「風の影」っぽくて、意外とクラシカル。そこも良い。
エルロイ、文学とか小難しく考えなくて、本当に面白いミステリ。
こんな織物を紡ぐようなカオス的プロットをよく組み立てられるなあと思う。
シリーズの続きも読みます。 -
-
私は以前から、堕ちてゆく男の物語が大好物なのだが、なかでも堕ちゆく警官ってのがたまらなく好きだ。この、壊れて壊れて壊れてゆくときに見える景色にぞくぞくする。清廉潔白な人物にはなかなか共感はできないが、病みつつある人間には自分でも驚くほど共感できるよ!(・・・・・・)
暴力もグロテスクな描写も、圧倒的な筆致でもってぐいぐい迫ってくる。猟奇的な殺人事件に端を発する男たちの鮮烈な生き様にしびれること請け合い。 -
LA4部作を読み直し。
先ずは1冊目のコチラから。やっぱり映画よりも原作の方が断然良いな。
ちっともダレることなく、一気に読み進められる小説としての面白さは本当にすごい。実際の事件をもとに書かれているとしても、これほど読者を惹きつけたままラストに持ち込めるのは普通にできることでは絶対ない。エルロイすごい。
次作やそれ以降につながる単語や人物がワンサカ出てくるし。
意外な人が犯人だったけど、後半の怒涛の伏線回収もさすが。あ、これ何か暗示してるな、、ってのは逐一気付くのは気付くんだけれども、ココに来るのか!という驚きもあった。
次も早速読みたいな -
当時のこのミス3位。1位がウンベルトエーコの薔薇の名前、2位がアンドリューバクスのブルーベル。
芳醇な年だったのだと思います。
最近はエルロイを知らないという方も増えたかと思いますが、この本は読んでほしい。次作のビッグノーウェアと、その以前の血まみれの月も読んでいただけたらと思います。伏線あり、生き方を考えさせてくれるところありの読まずに死ねるか本です。 -
渾身の一冊。
少し主人公のひらめきだよりの箇所が何ヶ所あるが(記憶力が良いとしよう)時代を思い存分使った秀作だ。
人名なのか地名なのかこんがらがるのが難点だった。 -
ジェイムズ・エルロイによる暗黒のL.A.(ロス・アンジェルス)四部作の第1作にあたる。第二次大戦後まもないロスを舞台に、実際に起きた事件を題材にしたミステリー。
語り手はロス市警の巡査で元ボクサーのバッキー・ブライチャート。 バッキーはやはり市警に勤める元ボクサーのリー・ブランチャードと、ボクシングの試合を通して知り合い、やがて仕事のパートナーとなった。 バッキーとリー、リーのガールフレンドのケイの三人には、奇妙な友情が育まれていった。しかし、1947年1月に起きたブラック・ダリア事件が三人の運命を狂わせてゆく。胴体を二つに切断された惨殺死体で発見された、ブラック・ダリアことエリザベス・ショート。女優志望の彼女に何が起きたのか。リーは事件に執念を燃やし、バッキーも次第に引きこまれてゆくが、捜査は暗礁に乗り上げる。 -
(86)
-
なかなか進まない・・・。人物が多くてね・・。
-
一冊ものとは思えないボリューム。そのボリュームにものをいわした重厚さが特徴かな。2時間ドラマのようでもあるし。これいったい映画でどうまとめられているのかちょっと観たくなった。
ジェイムズ・エルロイの作品
