- 文藝春秋 (1997年9月10日発売)
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感想 : 112件
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784167254230
作品紹介・あらすじ
アイオワの小さな村を訪れ、橋を撮っていた写真家と、ふとしたことで知り合った村の人妻。束の間の恋が、別離ののちも二人の人生を支配する。静かな感動の輪が広がり、ベストセラーに。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
切なくも美しい恋物語が展開されるこの作品は、1960年代のアイオワ州を舞台に、偶然出会った写真家と主婦の束の間の恋を描いています。二人の心のつながりや、出会うことの必然性が繊細に表現され、読者は人生の...
感想・レビュー・書評
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クリント・イーストウッドとメリル・ストリープ主演で映画化されている原作。1960年代のアイオワ州を舞台に、たった四日間だけ燃え上がった切なく感動的な恋物語。情景が思い浮かぶ細やかな描写と心の内を綴った美しい文章を読み終えて、人生における選択とは何だろうと深く考えさせられました。
あらすじ:
ナショナル・ジオグラフィック誌の写真家ロバート・キンケイドは、屋根付きの橋を撮影するため、アイオワ州マディソン郡を訪れます。そこで道に迷った彼は、フランチェスカ・ジョンソンというイタリア出身の主婦と偶然出会い、橋まで助手席に乗せて道案内をしてもらいます。彼女は、たまたま夫と子どもたちが州外の農業見本市に出かけていて、一人で自宅に残っていたところでした。そんな二人が話し合ううちに、都会的で自由な気風のロバートに、フランチェスカは次第に惹かれていき、ロバートの方でも、フランチェスカの内に秘めた情熱や知性に心奪わて、二人は恋に落ちます……。
起きてしまったことに対する落とし所としては、この物語の結末を考えると、この着地点しかないだろうと思いました。そうでなければ、こんなに美しい物語にはならず、ドロドロの愛憎劇になってしまったでしょうから、これで良かったと思います。とても悲しい結末でしたが、いい作品を読んだなと思いました。
なお、著者がカメラの撮影が趣味なのか、自身で撮影した写真が章の扉裏に掲載されています。どれも構図が良くて、写真を撮るのが好きなんだろなと思わせる撮り方。空を入れるときは、雲を入れて動きを出したり、そうでなければ、川面の映り込みを利用したり、また縦位置で大胆な構図を狙ったり、クローズアップした橋の入口では花(Blossom)を手前に配置して変化を狙っています。作中のロバートの撮影時のこだわりも、そんな著者自身の撮影時の苦労した経験が活かされた文章だということが写真からも伝わってきて、とても好感がもてました。なお、撮影機材は、Nikon Fやジッツォの三脚などが出てきました。おそらく、カメラ好きな人が読むと、本作をより気にいるだろうなと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小説の良いところは共感力がつくこと!ってどこかで見た気がするけど、今回はそこまで共感できなかった笑
それでも読み進めたくなるような空気がそこにはあって、ずっと話に身を委ねていた。(後から思えばまえがきで感じた疑問が後からどんどん明らかになるスタイルがそうさせていたのかも)
遠い昔の世界観、カッコつけた言い方になると「フォークロア」になるのかな?加えて、2人の詩的で浮世離れしたものの見方。それには共感できそうだけど何者も寄せ付けないバリアーが貼られている気がして、ただ外から眺めることしかできないイメージ。
こういうテーマって破滅に向かいがちだけど、それだけは一切予感しなかったし、的中もしなかった。燃えるような恋なんだろうけど、終わる時は静かに終わるのかな?と思わせる。
映画化や最近はミュージカル化(!)もしたみたいだけど、しばらくそれらは見ずに原作で見て聴いた詩的世界をしばし心に留めておきたい。 -
最後のカーボーイ、ロバートと、アイオワの農場に住むイタリア出身のフランチェスカ。対極の人生を歩む二人が、マディソン郡の橋を介して出会います。
まるで足りないピースを探し当てたかのように、二つの魂が一瞬にして一心同体となり、死が訪れるまで紐帯に結び付けられます。二人はまさにベターハーフだったのでしょう。
「長いあいだ、私はあなたに向かって、あなたは私に向かって歩いてきたのです」
出会うことの必然性を、ロバートがこうフランチェスカに言います。
自分の魂の片割れに出会うのは、自身のことを良く知ってからかもしれませんね。その時こそ、希求するものが良く見えるのではないでしょうか。
この小説は、1995年にクリントイーストウッドとメリルストリープの共演で、映画化されました。映画も小説の世界が良く再現されていて、とても楽しめると思います。
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舞台化記念に読了。性描写もある大人の恋愛話ですがこの物語の肝はそこではなく、僅か4日で生まれた運命の相手との魂の絆の深さと強さにあると思います。
知らず知らず心を抑圧してきた女性の魂の解放の物語でもありますが、この辺りの描写は舞台版(ミュージカル版)の方が顕著ですね。
あと人は運命の人が永遠に心に棲まうだけで生涯の孤独に耐えられる。というか誰かが心にいればそれは孤独ではない。ロバートの生涯を見てそんなことを考えました。 -
この小説が、繊細で素敵な恋愛小説だと感じるかどうか、何を大切に生きていきたいかにも繋がる分かれ目だと思う。
どちらかというと、私自身はこの小説を心から受け入れて楽しむ感受性は持ち合わせていないと思った。
ただ、ロバートキンケイドのような人って、いる。本当に。それに途中まで身を委ねたフランチェスカのやり方と、子供に理解して欲しいと望むことが身勝手だと感じるのは私だけかしら。 -
何が良いかと問われたら、即答できませんと即答してしまうような本。読んでいて、おもしろいなーとは思うのだが、その正体が全く分からない。不思議な作品。恋に落ちた熟年同士の初々しい仕草と駆け引きのギャップが良かったのか?はたまたローズマンブリッジを始め、情景描写が美しく端的だったことに惹かれたのだろうか?キンケイドの猪突猛進、自由奔放な性格が、実に人間くさい。フランチェスカの一途のような一途でないような矛盾だって、人間くさくて好きだ。多分、キレイな不倫の物語に類する。世俗的なんだと思う。
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最近、映画の「風と共に去りぬ」を鑑賞したばかりだったので、今作の主人公の一人・ロバート・キンケイドと、風と〜のスカーレット・オハラが、同じアイルランド系という偶然の一致が、何だかすごく嬉しかった作品ですo(^▽^)o←長い
で、そんな同郷の2人なんだけど、一方は自分の生まれ育った土地を愛し、もう一方は風のように世界を放浪するっていう人物像の対比にすぐに気付けたのも、間を置かずに2つの名作に触れたからだよね〜と思えたのも嬉しかったのですo(^▽^)o←二回目
ロボートが引用したナバホ族の詩に触れた時も、これまた最近DVDで見たウインド・トーカーズのキーとなるナバホ族を思い出して、o(^▽^)oo(^▽^)oo(^▽^)oとなったのでした(笑)。ナバホと同じように、いつかリルケにも会えるかしら。
映画だけじゃなく、こういうシンクロニシティが増えると、もっともっと嬉しくなれるのかなあ。と思うと、いろいろアンテナ張っていたいなあとも思うんですが、うーん。毎度のことながら、実行力が伴わないんだぜ…(´・_・`)
前置きが長すぎたので、ざっくり本編感想を〜(・ω・)ノ
暖かい家庭を持っているにも関わらず、埋められない孤独を抱えたフランチェスカ。
幼い頃から人との縁が薄く、世界の風景の中に自分を移ろわせ、それらの一部を写真で切り取ることを生業とするロバート。
そんな2人が、マディソン郡にかかる橋がきっかけで、運命的に出会い、濃密な交歓の時を過ごす4日間が描かれます。
そして、フランチェスカの子供達が、彼女の死後、その事実に気付く…という物語。
要約すると、
「夫と子供達が不在の間に、突然現れた魅力的な男と不倫する女の話」
っていうだけのストーリーなんですね。うーん、身も蓋もない(笑)。
私、こういうジャンル、全然好みじゃない、筈だったのですが(前知識も全然なかった〜幸せ!)。
時間の都合で読むのを中断するのが惜しくて、貪るように字面を追ったの久しぶりぃ\(^o^)/し…至福〜!笑
各章を締めくくる印象的なセンテンス、スピリチュアルな愛とその表現、主人公2人のキャラクタや思い出をつづる言葉に、すごく惹かれました。訳がいいのかな!←浅い
久しぶりに、文章に恋をしました。前はどの作品だったかなあ。忘れた〜←浮気性
例えば、フランチェスカがちょっとした秘め事になれている女性だったら。
ロバートが家庭を持っていたり、女好きするような男性だったら。
こんなに魅力溢れる作品にはなってないんじゃないかなあ。
絶妙な人物描写と、美しい邦訳が生んだ名作です。名作です(二回目)。
なんか、めちゃくちゃ長くなってしまったわ〜(・ω・) -
映画にもなりましたが
唯一涙が溢れた本でありました。 -
一言でいえばとアメリカの片田舎に住む女性の4日間の不倫の思い出なんだけど、官能的でも切ないでも感動的でも扇情的でもない、なんていうのかな、ただ感情の燃え上がる夜明けの陽の光のような美しさという印象。母親が読んでただか感動したと聞いて読んでみたんだけど、その親と同じくらいの年齢で読んで正解だなと思った。
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帯に惹かれて購入。
んー
今の時代の日本という状況を考えると敬遠される小説なのかなと。 -
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なんて美しい恋愛なんだろう
たった4日間の短く深く一生の愛
彼が彼女の名を刻んだペンダントを身につけていたシーンでぶぁぁぁぁと泣いた
彼女が走り書きした1枚のメモが彼にとっての唯一彼女がこの世に存在した証であるなんて悲しすぎる
亡くなってから灰になりやっと一緒になれた(号泣) -
2000/05/10
衝撃からなかなか立ち直れず。
この衝撃は何に対してなんだろう。
最近、女として自分をヤバいと思うことが多いので、いろいろ考えた。 -
人生の半分以上を終えた2人の恋愛の機微は、まだ若く結婚もしていない自分には捉えきれていないと思った。もちろん感動もしたし、切なさも感じたけれど、この小説を理解するには人生経験も読書経験もまだまだ足りてないのかもしれない。
自分が彼らの年齢になったときにもう一度読んでみたいと思った。 -
出会っちゃったんだから好きになるのはもうしゃーない。ロバートにも、家族にも、全方位への愛を欠かさないフランチェスカは本当に偉い。
永遠の愛のための別離。 -
なぜ、この小説がベストセラーになり、映画化されヒットしたか疑問です。生活に疲れた主婦としがないカメラマンの短期間の逢瀬に感動はありませんでした。唯一ラストだけですかね。
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映画しか見ていませんが、僕も同感かな。ヒット・評価されているのは国民性の違いなのかな?映画しか見ていませんが、僕も同感かな。ヒット・評価されているのは国民性の違いなのかな?2021/08/01 -
2022/12/29
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意外とメロドラマだったんだなと思いきや、恋人たちがどうも宇宙や異次元にかけて愛を語りがちなのが特徴的で、いっそなにかのスペースオペラのこぼれ話として読んでみると興味深かった。
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キンケイドのセリフにまいった。「ぶしつけかもしれないけど、あなたはすごくきれいだ。わめきながらめちゃくちゃに町中を走りまわりたいほどきれいだ。わたしは真面目に言ってるんです。言葉のいちばん純粋な意味で、フランチェスカ、あなたはとてもエレガントですよ」
こんなセリフを人生の中で一度でも言ってみたいし、また女性であれば、言われてみたいだろう。そのとき、その人の人生は悔いなしだ。
人には本来的に結ばれるべき異性があるような気がする。
その永遠の人と、はじめから結ばれれば文句なしに幸せの人生だろう。だが運命的な出会いは都合よくはまわってこない。すでに人生の半ばにさしかかったときにその出会いがあったら、そして一方がすでに他人と結婚していたらどうなるのか。
偶然が生み出した4日間の奇蹟的な愛の物語がとても美しい。それはけっして4日間の愛欲の日々が美しいのではない。むしろ激しい愛の世界に陥りながらも、それぞれが自らを律したことが美しいのである。その後、二人が合うことはなかったが、思い出は永遠に残る。
【このひと言】
「ぶしつけかもしれないけど、あなたはすごくきれいだ。わめきながらめちゃくちゃに町中を走りまわりたいほどきれいだ。わたしは真面目に言ってるんです。言葉のいちばん純粋な意味で、フランチェスカ、あなたはとてもエレガントですよ」 -
斜に構えれば、「世の人は不倫を許さない、よって不倫は悲劇でなければならない。責任を果たすために一生に一度の恋を犠牲にしたふたりが死をもって結ばれるのが、感動を呼ぶのだろうなあ」という感想。
物語に入り込んでえぐえぐ泣きながらラスト150ページ読んだ身としてなら、「幸せってなんなのかわからない、わからないよー!」という感想。本当に、幸せってなんなんだろう。わからないよ。宇多田ヒカルの、『誰かの願いが叶うころ』を思い出す。誰かの願いが叶うころ、あの子が泣いてるよ。
とはいえ、フランチェスカの手紙は蛇足だったような気もする。 -
少し前に原書を読み、理解を確かめるために翻訳を読んでみた。
二人の四日間のエピソード以外、ドキュメンタリー的な部分を
理解出来ていなかったことに気づく。それに日本語だと読みやすい。
ただし、原書の方が「愛しあう二人」をつよく感じられた。
翻訳ではしばらくの間、ロバートのフランチェスカに対する口調が
ですます調だったりして浸りきれなかった。
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